エクストラポイント【第11週目】

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テネシー大、ジョーンズ監督を(ようやく)解雇

先週ミズーリ大とのアウェーゲームで50対17という恥ずべき大敗を喫したテネシー大。これで今季4勝6敗とし、カンファレンス戦では未だに勝ち星がない不調続きの名門チームはとうとうブッチ・ジョーンズ(Butch Jones)監督解雇を決断。テネシー大での5年目のシーズンを終えることなく彼はチームを去ることになりました。

テネシー大のライバルであり、今季絶不調でありながらもテネシー大よりはまだましなシーズンを送っているフロリダ大でさえジム・マクエルウェイン(Jim McElwain)監督を2週間前に解雇していましたが、それでもテネシー大は頑固にジョーンズ監督を匿ってきました。しかしその堪忍袋の緒も切れた大学側がついにこの決断に至ったわけですが、どう考えても遅すぎる決断です。残り試合2試合で1つでも負ければ2013年以来のボウルゲーム不出場が決まりますし、何と言ってもすでに来年テネシー大に入部を決めていたリクルート達が次々とテネシー大への進学を取りやめることを公表し出しています。もっと早めにこの決断を下して沈みかけた船を救うことができていたら多少はこの状況も変わっていたのかもしれません。

リクルーターとしては敏腕であるという評価が高かったジョーンズ監督でしたが、フィールド上で結果を残すことができず、特に大一番での弱さは顕著でした。昨年はプレシーズンでトップ10入りしていよいよジョーンズ体制下でチームが飛翔するとしかと思われましたが、10月にテキサスA&M大アラバマ大サウスカロライナ大に三連敗するなどして膨らんでいた大きな期待を見事に破裂させました。

さらに今年はライバル・フロリダ大に敗れると次戦の超格下マサチューセッツ大に17対13と辛勝。そこからジョージア大サウスカロライナ大アラバマ大ケンタッキー大に四連敗。ケンタッキー大には1984年以来2度目の敗退という汚名付き。そして先週のミズーリ大との大敗。ミズーリ大はテネシー大戦まで三連勝し、フロリダ大にも大勝してはいますが、普通ならテネシー大ほどのチームが負けるような相手ではありません。その試合を落としたジョーンズ監督を擁護できるほどの我慢強さはさすがに誰も持ち合わせていなかったということでしょうか。

今年のテネシー大はとにかくオフェンス力が並以下。確固たるQBも存在せず、また唯一の光明だと思われていたディフェンスも崩壊。救いようのない事態に陥っていたのです。

現在チームはOLコーチであるブレディ・ホーク(Brady Hoke)臨時監督に率いられ残りの2試合で勝利を飾れるように動いています。ホーク氏は2014年までミシガン大の監督を務めていたこともありヘッドコーチの経験はありますが、ミシガン大での戦績は決して褒められたものではなく、おそらくテネシー大はシーズン後に新たなHCを獲得することになるでしょう。

ちなみにすでに多くの候補者の名前が上がってきていますが、その中にはミシシッピ州立大ダン・マレン(Dan Mullen)監督、現在セントラルフロリダ大で無敗シーズンを送っているスコット・フロスト(Scott Frost)監督、さらには元オークランドレイダースタンバベイバッカニアーズで監督の経験があり現在NFLの解説者を務めるジョン・グルーデン(Jon Gruden)氏、挙げ句の果てには2009年に1年だけテネシー大の監督に就任するも電撃的にサザンカリフォルニア大へと去っていった、現フロリダアトランティク大監督のレーン・キフィン(Lane Kiffin)氏の名前すら挙がっています。

名門復活のためにはコーチとしての力量に加えて、カリスマ性に長け、選手ならびにファンのハートを鷲掴みにできるような人物を探し出さなければなりません。しかも早急にです。

場外乱闘

先週行われたマイアミ大ノートルダム大の一戦はどちらにとっても負けられない試合でしたが、マイアミ大が大勝。その結果彼らは最新のCFPランキングで3位にまで浮上し夢のプレーオフ進出にまた一歩近づきました。一方のノートルダム大はこの敗戦で事実上プレーオフ進出の道は絶たれ、ここまで非常にいいシーズンを送ってきたのに非常に勿体無いことをしました。

ところでノートルダム大とマイアミ大はかつてトップチーム同士として争った歴史がありますが、1988年に当時4位のノートルダム大と1位のマイアミ大が対戦した際、キリスト教のカトリック系大学であるノートルダム大と、当時荒くれ者で知られていたマイアミ大とのマッチアップはその双方の全く異なるスクールカラーから「カトリック vs コンヴィクツ(犯罪者)」との異名をつけられました。この試合では31対30でノートルダム大が激戦を制することになるのですが、2017年度のこのマッチアップも「カトリック vs コンヴィクツ」の再現だと話題に登ったほどでした。

試合はマイアミ大がノートルダム大に歴史的大敗をプレゼントしたわけですが、実はバトルはフィールド外でも起こっていました。

試合後マイアミ大ファンに野次を浴びせられたノートルダム大ファンが水をかけられたことでスイッチが入り乱闘開始!結構いいパンチがはいっていたりします(笑)。

以前私は母校がマイアミ大で試合をするというのでわざわざマイアミまでいってかつてのオレンジボウル(スタジアム)で観戦したことがあるのですが、マイアミ大ファンの態度の悪いことと言ったらなかったです。だから個人的にはマイアミ大ファンにいい印象はないのですが、この乱闘を見ると「奴らならやりかねんな」と納得してしまいました。

ザ・ロックとゴールデン・テイトの「賭け」

マイアミ大とノートルダム大の試合は上記のように非常に大きな注目を浴びたのですが、特に最近まで長いことくすぶっていた古豪マイアミ大のファンや卒業生たちはチームが全米の表舞台に復活してきたことに非常に興奮しています。特に1980年代から90年代に活躍した卒業生たちは今回の後輩たちの活躍ぶりに歓喜しているわけですが、その一人に「ザ・ロック」こと現在俳優として活躍するドゥウェイン・ジョンソン(Dwayne Johnson)氏がいます。彼もこの試合に先駆けてその興奮度をツイッターで紹介していました。

するとノートルダム大の卒業生で現在NFLデトロイトラインズで活躍するWRゴールデン・テイト(Golden Tate)氏は自身のツイッターでジョンソン氏にかけを申し込んだのです。

負けた方が勝ったチームのユニフォームを着てソーシャルメディアに掲載するというもの。もちろんジョンソン氏はそれに受けて立ちます。

試合終了が近づきマイアミ大の勝ちが確定する頃にはジョンソン氏はこんなツイートを載せました。

そして試合はマイアミ大が勝ち、ジョンソン氏が賭けに勝ったのですが今の所まだテイト氏がマイアミ大のジャージを着た写真は出回っていません。ここまでぶち上げたのですから約束を守らないことはないと思うので、もしその時がきたらこのサイトでも紹介したいと思います。

ボウルゲーム不出場の危機

先週フロリダ州立大クレムソン大と対戦し、全米4位のクレムソン大に31対14と惨敗。これで彼らの戦績は3勝6敗となり、ボウルゲーム出場の最低条件となる6勝に到達するまで残り試合3試合すべてを勝ち抜かなければならないという厳しい状況に置かれることになりました。

プレシーズンには3位にまでランクされていたフロリダ州立大でしたが、開幕戦のアラバマ大でQBデオンドレ・フランソワ(Deondre Francois)が膝に大怪我を負ってシーズン絶望に。それ以来チームは急降下をたどり、このような不甲斐ない戦績を残す結果となっています。

仮に彼らがボウルゲーム出場を逃すとするとこれまで35年間連続でボウルゲームに出場しているという記録が途絶えることになります。またもし1敗でもして負け越しが確定することになればそれは1976年度シーズン以来となる汚名となってしまいます。ちなみにこの年は彼らのレジェンダリーコーチ、ボビー・バウデン(Bobby Bowden)氏の就任1年目でした。これまで2006年に6勝6敗であったことはありますが、負け越したことは過去約40年間ないわけです。

もっとも残り3試合の対戦相手はFCS(フットボールチャンピオンシップサブディビジョン)のデラウェア州立大(今季2勝8敗)、ライバルでありながら絶不調中のフロリダ大(3勝6敗)、そしてシーズン初旬にフロリダ州を襲ったハリケーン・イルマの影響で延期となっていたルイジアナ大モンロー校(4勝5敗)ということでフロリダ州立大が三連勝する可能性は大いにあります。今季で卒業する4年生の中には2013年度のナショナルタイトルを経験した選手も数人いることでしょう。そんな彼らのためにもせめて負け越しを回避してボウルゲームに出場して欲しいものです。

KO!

FCSに所属するテネシー州立大のDEラトレル・リー(Latrelle Lee)は先週のサウスイーストミズーリ大との試合中にチームのストレングスコーチに複数のパンチを浴びせて彼をノックダウン。その様子はバッチリ映像として残されており、リーは退部させられただけでなく大学からも退学処分となってしまいました。

このコーチはサイドラインで不要に前に出てくる選手たちを制御していたようですが、その時の会話に腹を立てたのかリーがこのような悪態に出たのです。驚きなのはビデオは数秒しかこのシーンを捉えていないとはいえ、その周囲の人物が結構整然としているところです。話によるとリーは問題児であったようで(当然でしょうね)、似たような行動を前にも起こしていたということです。