昨年は東地区代表オハイオ州立大が西地区代表ウィスコンシン大を下し36度目のBig Tenカンファレンスの栄冠を手にしました。今年はプレシーズンAPランキングでトップ15位に5チームをも送り出したBig Ten。彼らが今年のカレッジフットボールシーンをリードしそうな予感ですが、今年カンファレンスの頂に立つのは果たしてどのチームでしょうか?
東地区
オハイオ州立大
開幕前から元アシスタントコーチのドメスティックバイオレンス疑惑を巡るアーバン・マイヤー(Urban Meyer)監督の処遇は3週間の調査を経て3試合謹慎処分という決着を見ました。これが適切な処分なのかどうかには大きな議論が沸き起こっていますが、少なくとも言えるのは全米制覇を目指して一丸となっていたチームに水を指したということです。このことがマイヤー監督が戻ってくるまでの前半戦にどう影響するか。
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ミシガン大
今年4年目を迎えるジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督率いるミシガン大の強みはその強固なディフェンスです。しかしこれまでそのディフェンス力に反比例するようにオフェンス力がいまいちでした。が、今季はミシシッピ大からシェイ・パターソン(Shea Patterson)を転校生として迎え、いよいよハーボー監督にとって攻守ともにバランスの取れた、上を狙えるチームを世に送り出せるか期待が高まるシーズンとなります。
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ペンシルバニア州立大
RBセイクワン・バークリー(Sqauon Barkley)が去った後、チームの期待の一新を背負うのはQBトレース・マクソーリー(Trace McSorley)です。カンファレンス内でもトップQBと名高いマクソーリーはこれまで28試合連続でTDを記録しており、これは現役選手の中では最長記録。長身のWRジュワン・ジョンソン(Juwan Johnson)、そして5人中4人が昨年のメンバーであるOL陣、そしてバークレーの後釜となるマイルズ・サンダース(Miles Sanders)と駒は揃っています。強豪ひしめく東地区を制する可能性も十分ありそうです。
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ミシガン州立大
2年前に3勝9敗と撃沈したミシガン州立大でしたが昨年は見事に巻き返して10勝3敗と大きく勝ち越しました。そして今年はその勢いをそのままに更に上を目指せるチームとなりそうです。QBブライアン・レウワーキ(Brian Lewerke)はあまり取りだたされないもののBig Tenでは3本の指に入るQBだと思いますし、彼のターゲットとなる昨年のトップ3WR、さらにRB L.J. スコット(L.J. Scott)らも健在。またオールカンファレンス級のDB、頼れるDL陣とこれまでになく戦えるミシガン州立大が見れそうです。
メリーランド大
メリーランド大はD.J.ダーキン(D.J. Durkin)監督を迎え3年目になりますが、過去2年間の10勝15敗という数字以上にチーム的には上昇気流に載っている感じでした。しかしご存知かもしれませんが、現在ダーキン監督はOLジョーダン・マクネアー(Jordan McNair)のトレーニング中での死亡事故の調査に関連して休職中。せっかくの上昇機運も水の泡か。
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インディアナ大
インディアナ大もまたメリーランド大と同じく地道に力をつけてきたチーム。現オハイオ州立大OCケヴィン・ウィルソン(Kevin Wilson)氏が植えて育てた種が芽生え(2016年に選手へのパワハラ疑惑で解雇されましたが)、それを引き継いだトム・アレン(Tom Allen)監督が彼の得意とするディフェンスの強化とリクルーティングによって以前よりも戦える集団になりつつあります。今年は2007年以来の勝ち越しシーズンを目指したいところ。
ラトガース大
ラトガース大はオフシーズンから波乱続きです。チームの先発DB K.J. グレイ(K.J. Gray)がチームの規則違反で退部させられると、つい最近には8人もの選手がクレジットカード詐欺で逮捕されるという始末。今年3年目で通算6勝18敗と出遅れているクリス・アシュ(Chris Ash)監督の頭痛の種は増すばかりです。どちらにしても彼らが東地区で台頭できる望みは薄く、彼らがBig Tenに移籍した事自体が間違っていたのではないかと思わざるを得ません。
西地区
ウィスコンシン大
今季プレシーズンAPランキングで全米4位に位置づけされたウィスコンシン大。派手さはないものの、全米随一のOL陣、経験豊富なQB、昨年ルーキーシーズンに大活躍したRBをして西地区で頭一歩抜きん出るオフェンス力を保持しています。ディフェンス陣に多少の不安を覚えますが、どちらにしても彼らが西地区レースで本命であることは変わりないでしょう。あとはカンファレンスを制してプレーオフに進出できるかですが、それはまた別の話。
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アイオワ大
ウィスコンシン大に派手さがないと書いたばかりですが、それ以上に派手さがないのはアイオワ大。しかしQBネイト・スタンリー(Nate Stanley)はオフェンスを任せるに足りる選手ですし、また毎年逸材を輩出するTEでは昨年全米TEでトップとなる平均キャッチヤード16.5ヤードを記録したノア・ファント(Noah Fant)が今年も攻撃陣の強い切り札となります。彼らの課題はズバリ、西地区のウィスコンシン大を倒せるかどうか、です。またオハイオ州立大、ミシガン大、ミシガン州立大との対戦が今季無いのも幸運なところ。アイオワ大がカンファレンスを驚かす存在となるか?
パデュー大
昨年2011年以来のボウルゲーム勝利を挙げ勢いづくパデュー大。しかし総合7勝6敗という数字はファンの期待に応えられたとは言えません。今年はその昨年のチームを支えたベテラン勢がごっそり抜けたため、再建の年となるでしょう。特にディフェンス陣は11人中9人がチームを去り、全く新しいチームづくりを強いられます。それを補うにはハイスコアを叩き出せるオフェンス陣の存在が急務です。しかしプレーメーカーを欠く今季のパデュー大には茨の道が待っていそうです。
ノースウェスタン大
ノースウェスタン大が西地区を勝ち抜くためには昨年2試合で18つ以上のタックルを記録したのを含むトータル111タックルを決めたLBパディ・フィッシャー(Paddy Fisher)を中心とするフロントセブンと無傷のQBクレイトン・トーソン(Clayton Thorson)の存在が必須です。またOL陣は4人が昨年のメンバーであり、4年連続1000ヤード超えを達成したRBジャスティン・ジャクソン(Justin Jackson、現ロサンゼルスチャージャーズ)のバックアップながら昨年500ヤード以上を獲得したジェレミー・ラーキン(Jeremy Larkin)も立派な駒となりそう。攻守バランスの取れたノースウェスタン大は西地区の台風の目候補とも言えそうです。
ネブラスカ大
今季のネブラスカ大といえば何と言っても「ゴールデンボーイ」スコット・フロスト(Scott Frost)監督の凱旋初年度であることです。昨年セントラルフロリダ大で全勝シーズンをやってのけたフロスト監督は満を持して母校に新監督として戻ってきました。ネブラスカ大でのファンのチームへの期待度は計り知れないものですが、QBが誰になるのか、そしてウィスコンシン大、ミシガン大、オハイオ州立大らと対戦しなければならない厳しいスケジュールを加味すれば今年からいきなりネブラスカ大が全米を駆逐するチームになるとは考えづらいです。ただいずれにしてもフロスト監督率いるネブラスカ大に注目が集まるのは間違いないでしょう。
ミネソタ大
昨年P.J.フレック(P.J. Fleck)監督デビューシーズンとなったミネソタ大ですが、ゆっくりながらもところどころに進歩が見られました。しかし1プレー平均4.3ヤードしか稼げないとなればチームが苦戦するのは目に見えています。そんな折フレック監督2年目となる今年は若手に頼らなくてはいけないチームづくりが要求されそうです。今年はまず6勝以上を挙げてボウルゲームに出場したいところ。
イリノイ大
NFLのベテランHCだったロビー・スミス(Lovie Smith)監督がイリノイ大に就任したときは大事として騒がれましたが、これまで2年間で挙げることが出来た白星は合計5つ。流石にスミス監督であったとしてもそろそろチームの状況が上向きであることを見せつけておきたいところ。しかしサウスフロリダ大、ペンシルバニア州立大、アイオワ大、ウィスコンシン大といったカードが待ち受けるイリノイ大にとっては今年も厳しいシーズンが待っていそうです。
Big Tenメディアランキング
東地区
- オハイオ州立大
- ミシガン州立大
- ペンシルバニア州立大
- ミシガン大
- インディアナ大
- メリーランド大
- ラトガース大
西地区
- ウィスコンシン大
- ノースウェスタン大
- アイオワ大
- ネブラスカ大
- パデュー大
- ミネソタ大
- イリノイ大
AGS予想
本命:ウィスコンシン大
対抗:オハイオ州立大
穴:ミシガン大
大穴:ノースウェスタン大