コットンボウル:CFP準決勝戦第2試合 | |||||||
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0 | 38 | アラバマ大 |
CFP準決勝戦第2戦目のアラバマ大対ミシガン州立大の一戦はテキサス州ダラスで行われたコットンボウルにて争われました。ミシガン州立大ヘッドコーチ、マーク・ダントニオ監督はアラバマ大ヘッドコーチ、ニック・セイバン監督がミシガン州立大のヘッドコーチだった時彼のアシスタントコーチとして従事した関係であり、まさに師弟対決とも言えるこのゲームに大変注目が集まりました。
が、スコアをご覧になれば明白な通り、試合はアラバマ大のワンサイドゲーム。第1Qこそどちらも無得点に終わったものの、第2Qにはアラバマのハイズマントロフィー受賞RBデリック・ヘンリーが残り5分でランTDを決めまず先制。前半終了間際にはアダム・グリフィスの47ヤードFGが決まり10対0のアラバマ大リードで後半へ突入。
後半に入ってもミシガン州立大オフェンスはアラバマ大陣内へ攻め込むことが出来ず、逆にアラバマ大に失点を許し続けます。QBジェイク・コーカーからWRカルヴィン・ライリーへのパスTDが2度成功し、さらにサイラス・ジョーンズの57ヤードパントリターンTDも決まり、第3Qだけで21得点して31対0で第4Qへ突入。最後はだめ押しとなるヘンリーの11ヤードランTDが残り7分52秒に炸裂。結局38対0とアラバマ大が完封勝利でナショナルチャンピオンシップへ駒を進めました。
この試合で最も光ったのはアラバマ大QBジェイク・コーカーでした。今シーズン開幕時、アラバマ大の弱点に挙げられていたのはQBポジションでした。コーカーとクーパー・ベイトマンが先発QBの座を争っていましたが、当初どちらの選手も確固たる信頼をコーチ陣から得られてはいませんでした。しかしベイトマンから先発QBの座を完全に奪ったコーカーはゆっくりとでも確実に力をつけ、終盤には頼れる選手へと成長しました。その証拠にSECチャンピオンシップゲーム時にはチームからキャプテンに指名されるほどチームメートならびにコーチから信頼されるほどの存在となったのです。
そのコーカー、このミシガン州立大戦でこれまででベストの試合を演出することが出来ました。この日30回中25回のパスを成功させ、2つのTDを含む286ヤードのパスを記録。パスインターセプションも皆無でした。ショートバス、ミッドレンジパス、ロングパスを投げ分け、WRカルヴィン・ライリーに2つの50ヤーダーパスを成功させるなどプレーメーカーぶりを発揮。チームの完勝に大いに貢献しました。
ミシガン州立大オフェンスはお世辞にもランオフェンスが得意とは言えないチームでした。実際シーズン平均160ヤードのランヤードでこれは全米80位の記録。一方アラバマ大のランディフェンスは全米1位となる1試合平均74被ランヤード。試合前から地上戦の結果は目に見えていましたが、実際試合が始まるとその差は歴然。前半を終えた時点でミシガン州立大は13回のキャリーでマイナス9ヤードと前進すらさせてもらえませんでした。最終的には26回のキャリーで得たヤードはたったの29ヤード。これは1プレー平均1.1ヤードと言うものです。これではアラバマ大に勝てるはずがありません。
アラバマ大の特徴は前述の通り最強のランディフェンスですが、同じ様に彼らのランオフェンスも全米一でないにしてもトップレベルを誇ります(全米28位)。しかし彼らのオフェンスは数字では計り切る事は出来ません。それは全米ナンバーワンRBデリック・ヘンリーの存在があるからです。
しかしこの試合ではいつものヘンリー頼りな一面が薄かった様に思えます。実際前半だけみればヘンリーは13回のキャリーでたった38ヤードしか走りませんでした。トータルでも20キャリーで75ヤードと100ヤードに届かず、またシーズン後半には40回以上キャリーしたことを考えれば、明らかにヘンリーはこの試合「温存された」ように見られました。
逆にいうとハイズマントロフィー受賞者であるヘンリーを酷使しなくても38対0で勝ててしまったアラバマ大の強さに脱帽と言う事でしょう。
そして忘れてならないのはWRリドリーの存在です。アラバマ大は近年フリオ・ジョーンズ、アマリ・クーパーと現在もNFLで活躍するエリートWRを輩出してきました。そしてその次世代を担うのがこの1年生リドリーである事はもう言うまでもありません。ミシガン州立大戦ではまず50ヤードのロングバスをキャッチしてヘンリーのTDをお膳立て。そして第3Qにはスーパーキャッチで6ヤードレシービングTDを奪い、そして試合を決定づける51ヤードのロングパスをエンドゾーンへ運びました。結局この日は8度のキャッチで138レシービングヤードを記録。これで今シーズンリドリーの記録はトータル83キャッチで1031ヤード、7TDと先に挙げた2人の卒業生の1年生次の記録に勝る活躍を見せたのでした。
チーム記録 | ||
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ファーストダウン | 16 | 21 |
3rdダウンコンバージョン | 4/16 | 4/12 |
トータルオフェンス | 239yd | 440yd |
ランヤード | 29yd | 154yd |
パスヤード | 210yd | 286yd |
ペナルティ回数/Yd | 6/33yd | 6/69yd |
攻撃時間 | 27分4秒 | 32分56秒 |
個人記録 | |||
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ミシガン州立大 |
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パス | YD | TD | INT |
C.クック | 210 | 0 | 2 |
ラッシング | 回数 | YD | TD |
D.テリー | 1 | 14 | 0 |
M.ロンドン | 5 | 11 | 0 |
L.スコット | 6 | 8 | 0 |
レシービング | 回数 | YD | TD |
J.プライス | 4 | 39 | 0 |
A.バーブリッジ | 5 | 39 | 0 |
F.デービス | 1 | 28 | 0 |
アラバマ大 |
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パス | YD | TD | INT |
J.コーカー | 286 | 2 | 0 |
ラン | 回数 | YD | TD |
D.ヘンリー | 20 | 75 | 2 |
K.ドレイク | 4 | 60 | 0 |
レシービング | 回数 | YD | TD |
C.リドリー | 8 | 138 | 2 |
O.ハワード | 3 | 59 | 0 |
R.ムラニー | 3 | 53 | 0 |