7週目にはトップ10から実に4つものチームが今季初黒星を喫し、その影響で上位チームの顔ぶれが大きく変わりました。
アーカンソー大を41対9と赤子の手をひねるが如く一蹴したアラバマ大が今週も1位を確保。クレムソン大が敗れたため全投票者が彼らを1位に推すという圧倒的な評価を受けました。誰の異論もなく彼らが現在カレッジフットボール界で最強チームであるという総論ということでしょう。
ペンシルバニア州立大は破竹の6連勝で先週バイウィーク中にクレムソン大の敗戦のおかげで棚ぼた的に順位を一つ上げいよいよ全米2位に。1999年以来の最高位となるランクを戴きました。もっとも1位のアラバマ大との票差には大きな隔たりがあり、ペンシルバニア州立大が絶対的な2位としての力を持ったチームであるかどうかは今後の出来次第ですが、彼らは今週末にミシガン大と、そしてその翌週にはオハイオ州立大との試合が控えており、これらの試合から生き残ることができれば彼らのプレーオフ進出はかなり現実味を帯びてきます。
3位にはジョージア大が食い込んできました。SECがカレッジフットボール界を圧巻する試合は終わったとよく言われるようになりましたが、ジョージア大の台頭のおかげでトップ3チーム中2チームがSECチームということで、彼らの強さは未だに健在であるということを裏付けているような気がします。
4位にはBig 12カンファレンスのテキサスクリスチャン大。オクラホマ大に先々週土がついたため彼らが今の所同カンファレンスの優勝候補筆頭でありますが、彼らはそのオクラホマ大との直接対決を未だ控えているため、4位というのは暫定的な感じが強いです。
5位にはいよいよウィスコンシン大が上がってきました。開幕以来10位あたりを行ったり来たりしていたウィスコンシン大ですが、上位チームの転落のおかげでここまで順位を上げてきました。彼らは今後ランクチームとの対戦はカンファレンスタイトル戦まで無いため、彼らより上のチームの同行如何ではさらに上を狙える可能性もあります。
先週ネブラスカ大をアウェーで56対14と下したオハイオ州立大は1敗チームとしては最高位となる6位を獲得。第2戦目にオクラホマ大から黒星を叩きつけられた時には彼らのプレーオフ進出への望みに黄色信号が灯ったと思われましたが、その敗戦以来は1試合平均約42得点というハイパワーオフェンスを擁して5連勝中。再びプレーオフへの道が開けてきている感じです。
先週2位だったクレムソン大はシラキュース大から思わぬ敗戦を食らって7位まで転落。シラキュース大は確実に力をつけているチームだとは言えACCで中堅チームであることに変わりはなく、そのチームに敗れてしまったという事実は後々クレムソン大のプレーオフ進出に大なり小なり影響を及ぼすかもしれません。
先週11位のマイアミ大はとうとうトップ10入りを果たしました(8位)。先週は辛くもジョージア工科大から半ば幸運とも言える勝利を飾りましたが、今週末はクレムソン大を倒して士気が上がっているシラキュース大との対戦を控え、またバージニア工科大(今週14位)とのカンファレンス戦、さらにはノートルダム大(今週13位)とも対戦することになっており、現在の8位というランクで満足している暇はなさそうです。
オクラホマ大は先々週にアイオワ州立大からまさかの敗戦を喫して3位から12位にランクを落としましたが、テキサス大とのライバリー対決を制して再びトップ10入りとなる9位に再浮上。今後の出来次第ではまだまだプレーオフ進出のチャンスは残されていそうです。
そしてトップ10チーム最後となる10位にはオクラホマ州立大です。テキサスクリスチャン大との一騎打ちに敗れてランクを落とした彼らですが、再びトップ10に返り咲き。彼らは今週末からテキサス大、ウエストバージニア大、オクラホマ大との厳しい3連戦が待ち構えています。これらを全て倒すことができればテキサスクリスチャン大の出来次第で彼らにもプレーオフ進出のチャンスが訪れるでしょう。
11位にはサザンカリフォルニア大。ワシントン州立大にやられた1敗は大きな痛手でしたが、彼らに今できることは今後の試合を一つも落とさないことだけです。
アリゾナ州立大に敗れたワシントン大(前週5位)は12位に後退。彼らは今後スタンフォード大、ユタ大、ワシントン州立大との対戦を残しており彼らが再びプレーオフに進出するためにはこのアリゾナ州立大での敗戦は大きな痛手と言えます。
シーズン第2戦目にジョージア大に僅差で敗れたノートルダム大はあれよあれよというまに順位を13位にまで上げてきました。そのジョージア大は現在3位ということで、その彼らに1点差で敗れたという事実は敗戦したとしても今後の彼らのプレーオフ進出において大きなプラスに働くことでしょう。今週末彼らは11位のサザンカリフォルニア大と対決。これに勝つことができればいよいよノートルダム大の力も本物であると誰もが認めることになるでしょうね。
先週カリフォルニア大に完敗した当時8位のワシントン州立大は今週15位にまで転落。シーズン最終戦のワシントン大戦を無傷で迎えたいところでしたが、思わぬところに落とし穴が落ちていました。そのワシントン大も負けてしまったことが不幸中の幸いでしたが。
いわゆる「グループオブ5」の中で最高位となる16位に今週落ち着いたのがサウスフロリダ大。もし彼らが全勝でシーズンを終えたとしたら一体どこまでランクを上げられるかが注目されます。
同じく16位にランクされたのがノースカロライナ州立大。誰も彼らがここまで今年ランクを上げてくるとは思いもよりませんでしたが、彼らが今年の「シンデレラチーム」と言われるにはもう少しランクを上げたいところ。それも来週のノートルダム大戦に勝つことができればひょっとしたら現実味を帯びてくるかもしれません。
18位にはミシガン州立大。昨シーズン絶不調だったチームは先々週にミシガン大を破って1年ぶりにランク入りすると先週にはミネソタ大を破ってさらに順位を上げてきました。Big Ten東地区の刺客となり得るでしょうか?
そのミシガン州立大に敗れ先週17位にランクを落としたミシガン大は先週末にインディアナ大と対戦。ここでもオフェンスが苦戦してオーバータイムで辛くも白星をあげるという展開になり、それが影響したのか勝利したにもかかわらず最新ランキングでは順位をさらに2つ落として19位に。
またルイジアナ州立大に苦渋を味あわされたアーバン大は先週の10位から順位を11つも落として21位に。そのルイジアナ州立大はランキングに復活となる24位に入ってきました。復活組としてはウエストバージニア大も23位にランクイン。そして2敗ながらも勢いづいているスタンフォード大は22位に。そして25位には今季初ランクインとなるメインフィス大が。一方先週19位のサンディエゴ州立大と同24位のテキサス工科大はそれぞれ黒星を喫して圏外へ転落しました。
7週を終えて未だに無敗のチームは8チーム。そして全体的に見れば絶対的強さを誇るアラバマ大をその他のチームが追うような展開になっています。もちろんアラバマ大も今後番狂わせを食らう可能性も微小ながら残されていますが、彼らの試合を見ていると今の所それをやってのけられそうなチームはカンファレンス優勝決定戦で対戦すると予想されるジョージア大ぐらいです。ペンシルバニア州立大とオハイオ州立大は直接対決を控えていますし、またクレムソン大とマイアミ大の勝者(ACCのタイトルゲームで対戦するという前提で)にもチャンスは残されています。そう考えるとワシントン大とワシントン州立大という2つのチームに黒星がついたPac-12カンファレンスはプレーオフ進出において他の4カンファレンスから大きく差をつけられた形になってしまいました。