オクラホマ大 スナーズ 戦績:11-1 (7-1) Big 12 |
12月31日午後4時キックオフ(ET) | クレムソン大 タイガース 戦績:13-0 (9-0) ACC |
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平均ヤード | 今季の記録 | 平均ヤード | ||
307.9 (18th) | パスオフェンス | 288.5 (24th) | ||
235.0 (21st) | ランオフェンス | 222.2 (18th) | ||
201.5 (34th) | パスディフェンス | 166.9 (5th) | ||
149.2 (42nd) | ランディフェンス | 128.8 (32nd) |
CFP準決勝戦であるオレンジボウルのマッチアップは、もう一方の準決勝戦・コットンボウルのマッチアップ(アラバマ大対ミシガン州立大)よりも点の取り合いとなる派手な試合となる気運があります。何故ならクレムソン大の1試合平均得点は38.5点、対するオクラホマ大は45.8点とこれまで大量得点で勝ち星を重ねて来たチームであり、両チームともスコアリングオフェンスで全米トップ20以内に入るハイパワーオフェンスを擁するチーム同士の戦いだからです。クレムソン大QBデショーン・ワトソン、オクラホマ大QBベーカー・メイフィールドとも投げても走っても相手ディフェンスを翻弄出来るタイプのQB。故に今年のオレンジボウルはTDが飛び交う見ていて単純に爽快な試合となる事でしょう。しかし試合の行方はどちらが数少ないチャンスで相手を止められるか、もしくは自身がミスを犯すか、にかかってくるかもしれません。
今季のクレムソン大は昨年のメンツの抜けた穴を大幅に埋めるオーバーホールを強いられたチームでした。現にクレムソン大のオフェンシブラインは必ずしも全米トップレベルのものではありません。しかし小刻みにプレーを重ねていく事によってポケットが崩れるのを阻止し、また崩れても機動力のあるワトソンのおかげでオフェンシブラインの弱みが露呈される事はそれほどありませんでした。
つまりオクラホマ大にしてみればその弱みにどのようにつけ込むことが出来るかが鍵となりそうです。オクラホマ大LBエリック・ストリッカー、DLチャールズ・タッパー、チャールズ・ウォーカー、マット・ディモンらがいかにクレムソン大オフェンスをスローダウンさせることが出来るかに注目です。ワトソンにプレッシャーを掛け続け、彼にパスの隙を与えずランゲームに持ち込むことが出来れば相手オフェンスのバランスを崩すことが出来ます。
クレムソン大ディフェンス陣のフロントセブンはACCでトップレベルに数えられるユニットです。彼らのディフェンス相手にランゲームで挑むのは至難の業。だからといってオクラホマ大はパスだけ投げる事もいかない訳ですから、オクラホマ大としては試合が大きく動く前の前半にある程度の地上戦の勢いを築いておきたいものです。それが無ければパス一辺倒を強いられ、それはまさにクレムソン大ディフェンスの思うつぼだからです。
実はこのマッチアップは昨年のラッセルアスレティックボウルの再現でもあります。この時は40対6とクレムソン大がオクラホマ大を圧倒。しかしそれが今年のオレンジボウルの試合において評価の一つになるかと言えば、そうでもありません。オクラホマ大は以来コーチ陣の大半が入れ替えられ、昨年の弱点であったDB陣は今年格段にレベルアップしましたし、オフェンスでは今年はハイズマントロフィー候補にも挙げられたメイフィールドが健在です。
ただ、昨年の試合ではクレムソン大QBワトソンは怪我で出場せず、バックアップQBをして前述のような一方的な試合となった事も忘れてはなりません。それにクレムソン大ディフェンスもさらに昨年からレベルアップを遂げています。オクラホマ大が昨年とは比べ物にならないほど強くなっているのは周知の事ですが、同じ様にクレムソン大も力をさらにつけて来たのです。
クレムソン大ディフェンスが格段に良くなった背景には彼らのディフェンシブコーディネーター、ブレント・ベナブルズ氏の手腕が光ったことが挙げられます。オクラホマ大ヘッドコーチ、ボブ・ストュープがカンザス州立大でアシスタントコーチをしていた時に選手としてリクルートされたベナブルズ氏は1999年から2012年までオクラホマ大でストュープ監督の下ディフェンシブコーディネーターとして従事。2012年にストュープ監督の弟であるマイク・ストゥープ氏がアリゾナ大からオクラホマ大に復帰することが決定すると間もなくベナブルズ氏はクレムソン大のディフェンシブコーディネーターに就任。この時のベナブルズ氏の胸中を察する事は出来ませんが、少なくとも10年以上もストゥープ監督の元で働いていたことがあるベナブルズ氏はオクラホマ大がストュープ監督によってどのように管理され、組織されているかお見通しのはずです。無論、オクラホマ大が今季躍進を遂げたのは新オフェンシブコーディネーターであるリンカーン・ライリー氏のおかげである事は確かですが、オクラホマ大としてはやりづらい面は多少あるかと思われます。
今季Big 12チームが終盤に潰し合いオクラホマ大が勝ち残った訳ですが、このBig 12カンファレンス自体のレベルを疑問視する声もチラホラ聞かれます。特にテキサスクリスチャン大、ベイラー大、オクラホマ州立大は全て先発QBを怪我で失った状態で試合に臨まなけらならなかったのです。つまりオクラホマ大はBig 12を見事勝ち抜きプレーオフ進出を果たしたものの、クレムソン大QBワトソンのようなエリートQBと対峙した事がないのです。オクラホマ大の命運はディフェンス陣がいかにワトソン率いるハイパワーオフェンスオフェンスを止められるかにかかっていると言えます。