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2015年度シーズン

Resilience 〜第7週目レビュー〜

Resilience 〜第7週目レビュー〜

まさかの幕切れ!

ミシガン州立大27、ミシガン大23

ミシガン州の最大のライバリーゲーム、ミシガン大ミシガン州立大の一戦には劇的な結末が待っていました・・・。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

試合残り時間10秒。ミシガン大が23対21でリードして迎えた4thダウン。ミシガン大がパントしてそのままタイムアップとなるか、ミシガン州立大に最後1プレーが残されるか、どちらにしてもミシガン大の勝利と誰もが確信した次の瞬間。スナップされたボールをミシガン大パンター、ブレイク・オニール(Blake O’Neill)がなんとファンブル。そこへ襲いかかったミシガン州立大選手の一人、ジャレン・ワッツ・ジャクソン(Jalen Watts-Jackson)が転がるボールをすくい上げそのままエンドゾーンへ。ゲームクロックはゼロとなり、歓喜に沸くミシガン州立大選手を唖然と見つめるミシガン大のファン。筆者もTVで見ていましたが、ただただ起こったことが信じられず「OMG」の連続でした・・・。

試合前の予想ではミシガン大有利が大勢を占めており、上位ランクチームであるミシガン州立大に不利という見方が強かったこの試合。最初に先制したのはミシガン州立大で、1試合続いたミシガンの完封記録を破りました。その後はお互いが点を取り合い見ごたえ十分な試合展開。ミシガン州立大QBコナー・クックは1TDを含む328パスヤードを記録してミシガン州立大7連勝に貢献。全米最強ディフェンス名高いミシガン大と互角にやり合いました。しかし前述の通り、ドラマは試合の最後まで残されていたのです。

ミシガン大はこれで2敗目を喫し、プレーオフ進出は非常に厳しくなってきました。実力的にはトップレベルといっても過言ではないですが、ユタ大戦に続きこの試合でも敗戦したため、上位チームが総崩れでもしない限りはトップ4チームに食い込むのはほぼ不可能でしょう。

 

ちなみに劇的なヒーローとなったワッツ・ジャクソンですが、エンドゾーンで脚を脱臼し病院に救急搬送され、皮肉にもミシガン大学病院で手術を受けたそうです。また、あまりにもショッキングな幕引きであったためか、ミシガン大のファンの一人が心臓発作を起こして同じく病院に運ばれたそうです。この方の病状はすでに安定しているとのこと。まさに「心臓が止まる」ような出来事だったわけです。


テキサスA&M、雪辱ならず

アラバマ大41、テキサスA&M大23

全米9位と10位のSEC西地区対決となったこの試合。昨年はアラバマ大の本拠地タスカルーサでクリムソンタイドがアギーズを55−0と完膚なきまでに打ちのめしました。アギーズはその雪辱を晴らしたいところだったのですが・・・。

アラバマ大RBデリック・ヘンリー(Derrick Henry)の2つのTDとディフェンスの2つのピック6のおかげで第2Qまでにアラバマが28-6とリードを奪いますが、前半終了間際にテキサスA&M大WRクリスチャン・カーク(Christian Kirk)が69ヤードのパントリターンTDを決め、さらに第3QにもTDパスが決まって28対20と点差を縮め、いよいよA&Mの逆襲が始まるかと思われました。しかしアラバマ大は地味にフィールドゴールを2つ重ねると、とどめを刺すごとくアラバマ大DBミンカー・フィッツパトリック(Minkah Fitzpatrick)がパスインターセプションをそのままエンドゾーンへ運び、最終的に41対23でアラバマが勝利を飾りました。

テキサスA&M大QBカイル・アレン(Kyle Allen)はこの試合まで79投球中ゼロパスインターセプションと安定したプレーを見せてきましたが、この日は3つのパスをインターセプトされ自滅。一方アラバマ大のヘンリーは自己新記録となる236ラッシュヤードを記録。地上戦を制し、ディフェンス力で物を言わすアラバマ大の王道フットボールが炸裂しました。

フロリダ大、あと一歩及ばず

ルイジアナ州立大35、フロリダ大28

先発QBウィル・グリアー(Will Grier)を1年間の出場禁止処分で失うというハンディを乗り越え、またルイジアナ州立大(LSU)のスターRBレナード・フォーネット(Leonard Fournette)のラン攻撃にも耐え、アウェーのタイガースタジアムで第4Qまで互角に渡り合ったフロリダ大。しかしLSUのトリックプレーまでは見破れませんでした。

28対14とリードされ前半を折り返したフロリダ大は後半に2つのTDを重ねて試合を28対28と振り出しに戻し、勢いづいたと思ったところでしたが、第4Q残り10分40秒にLSUがまさかのフェイクフィールドゴールからTDを奪い35対28でLSUが逃げ切りました。LSUは過去に似たような状況でフェイクフィールドゴールからTDを奪いフロリダ大を倒したことがありますが、それは2010年のことであり現在チームに在籍する選手は話で見聞きする以外実際にその場に立ち会った者は選手も含めおらず、「まさか」のフェイクプレーだったに違いありません。

2010年に両チームが対戦した時のハイライト

この日のフォーネットは31回のキャリーで180ラッシュヤードと全米ナンバーワンRBの名に恥じないパフォーマンスを見せました。また影の立役者でもあるQBブランドン・ハリス(Brandon Harris)は19回中13回のパス成功率で202パスヤードを記録。

一方グリアーに代わり先発QBとなったフロリダ大のトレオン・ハリス(Treon Harris)は2TDを含む271ヤード(自己新記録)とまずまずのプレーを見せましたが、フロリダ大の終盤での3度の攻撃では15回中たった5回しかパスを成功させることができず、QBサックも2度も食らってしまい、LSUとのリードを縮めることはできませんでした

好調を持続するスタンフォード大

スタンフォード大56、UCLA35

スタンフォード大のスクールレコードとなる243ラッシュヤード(4TD含む)を記録したRBクリスチャン・マッカーフリー(Christian McCaffrey)の活躍のかいもあり、スタンフォード大がUCLAを56対35で下しました。UCLAはこれで2連敗となり、一時はPac-12タイトルに最も近いといわれていたチームでしたが失速。一方のスタンフォード大は試合を重ねるたびに強さを増しPac-12北地区で頭2つほど抜きでました。このままいけばタイトルゲームでユタ大との大一番となりそうです。

伝統の一戦はノートルダム大に軍配

ノートルダム大41、サザンカリフォルニア大31

こちらのマッチアップも古くから続くライバルゲームでしたが、双方合計すると1000ヤード以上となるオフェンシブヤードを記録した、オフェンスとオフェンスがぶつかりあう激しい試合となりました。結果的にノートルダム大が41対31とサザンカリフォルニア大(USC)に競り勝ちましたが、このゲームはノートルダム大が現在プレーオフを十分に狙えるだけの力を持っていると言う事、そしてUSCは戦績が示す以上のポテンシャルを秘めているチームであると言う事を示してくれた試合でした。

先週突如としてヘッドコーチ、スティーブ・サーキジアン(Steve Sarkisian)氏が解雇されると言うとんでもない出来事が起きたUSCではありましたが、選手達がまだこのシーズンを諦めていないと言う事を全米中に知らしめてくれました。USC自身にプレーオフ進出の可能性は無くなってしまいましたが、だからといってこれから彼らと対戦するチームにとってUSCが安全牌と言う事には決してなりません。対ノートルダム大戦で叩き出した590トータルヤードに大きく貢献したQBコディ・ケスラー(Cody Kessler)、そしてWRジュジュ・スミス・シュースター(Juju Smith-Schuster)のコンビネーションは全米でもトップレベルのものです。

一方勝ったノートルダム大ですが、元々の先発QBマリク・ザイール(Malik Zaire)の怪我のせいで急遽その座を任されたデショーン・カイザー(Deshone Kizer)でしたが、彼のこれまでのパフォーマンスはバックアップQBらしからぬものでノートルダム大のオフェンスをしっかりと率いてきました。USC戦でも2TDを含む227パスヤードと安定したプレーを披露。またWRウィル・フラー(Will Fuller)も131レシービングヤード(1TD)と活躍。これで今シーズントータル32回のキャッチで702ヤード、8TDと全米レベルで見てもトップクラスのレシーバーに数えられるでしょう。

ノートルダム大は既に1敗を喫してはいますが、このまま勝ち続け最終戦のスタンフォード大との一戦で白星を挙げられればプレーオフ進出も夢ではないかもしれません。非常に安定したオフェンスを持ち、どのチームにも太刀打ち出来るディフェンスを擁するノートルダム大は実力だけ言えばトップランクチームに遜色ありません。さらに唯一土を付けられたクレムソン大が勝ち続ければ、彼らのその敗戦も価値あるものとなり、夢の舞台への後押しをしてくれます。

一方のUSCはこの試合でも明らかになった様に、十分なタレントを揃えた強豪たるチームです。ベテランQBケスラーは今年で卒業しますが、サーキジアン元監督の後釜に敏腕ヘッドコーチが就任すれば将来的に強いUSCが復活する気運は十分あると思います。

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