激追!【第6週目レビュー】

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8度目の正直!

マイアミ大 24、フロリダ州立大 20

フロリダ州内のライバルであるこの両校の試合は試合終了直前までどちらに転ぶかわからないという際どい展開になりましたが、20対17とフロリダ州立大の3点リードで迎えた第4Q残り時間11秒、マイアミ大QBマリク・ロジアー(Malik Rosier)がWRダレル・ランガム(Darrell Langham)への23ヤードのTDパスが決まり土壇場で逆転。マイアミ大が宿敵を蹴散らし無敗を守りました。またこの勝利で同一カードの連敗記録を「7」で止めることに成功しました。

フロリダ州立大はこの直前のドライブで1年生QBジェームス・ブラックマン(James Blackman)がアウデン・テイト(Auden Tate)への20ヤードのTDパスを通して20対17とリードを奪いましたが、失敗だったのはマイアミ大に残り1分24秒もの時間を与えてしまったことでした。マイアミ大の最後のチャンスとなったドライブではこの日8キャッチに90レシーブヤード(2TD)を記録したブラクストン・ベリオス(Braxton Berrios)、さらにはRBトラヴィス・ホーマー(Travis Homer)の2つの1stダウンコンバージョンによってフロリダ州立大を急襲。そして前述の勝ち越しTDをお膳立てしたのです。

このTDパスを投じたロジアーはこの試合ではキレていたというには程遠く、44回のパスで成功させたのはたったの19回。しかも最後のドライブでは実に4つものパスをミスするなど四面楚歌となっていましたが、試合を決める最終局面で見事に難しいパスを成功させました。

フロリダ州立大は怪我で戦線離脱中のQBデオンドレ・フランソワ(Deondre Francois)に代わってブラックマンが再び先発出場しました。彼は前半はスロースタートでしたが後半に調子を上げて結局28投中17回パスを成功させ203ヤードに2TDを記録しましたが、直接失点には結びつかなかったものの、パスINTも2つ献上。まだまだ成長過程であることがうかがえました。

これでマイアミ大はアトランティックコーストカンファレンス(ACC)の海岸地区(Coastal Division)レースで後続チームから差を広げることに成功。一方のフロリダ州立大は早くも3敗目を喫し開幕前全米3位の面影は完全に消えうせてしまいました。

オクラホマ大、まさかの敗戦

アイオワ州立大 38、オクラホマ大 31

全米3位のオクラホマ大に対して圧倒的不利とされていたアイオワ州立大でしたが、敵地でその予想を大きく覆す大勝利を挙げました。

一時は24対10とリードされたアイオワ州立大でしたが、後半は25対7とオクラホマ大を得失点差で大きく上回り、また終盤に見せたディフェンスの踏ん張りもあり今シーズン一番の番狂わせを演じて見せました。

ここまで全米で最長連勝記録を誇ってきたオクラホマ大でしたが、この敗戦でその記録も「14」でストップ。そしてもちろん彼らのプレーオフ進出の夢は大きく後退することになってしまいました。そしてアイオワ州立大にとってオクラホマ大から勝利を奪ったのは1990年以来ということで27年ぶりの快挙ということになります。

またオクラホマ大の敗戦の余波は彼ら自身にとどまらず、彼らに2戦目で負けてしまったオハイオ州立大にも及ぶことになります。というのはプレーオフに進出するためにはそのチームがどれだけタフなシーズンを戦い抜いてきたかを示す指数である「ストレングスオブスケジュール(Strength of Schedule=SOS)」が重要だと言われ、オクラホマ大の調子が落ちるとそのチームに負けたオハイオ州立大の価値も下がってしまうからです。

したがってオクラホマ大のこの1敗が今後その他のチームにどのような影響を及ぼしていくかも気になるところです。

ノースウエスタン大もバークレーを止められず

ペンシルバニア州立大 31、ノースウエスタン大 7

全米4位のペンシルバニア州立大をホームに迎えたノースウエスタン大は相手のスターRBでハイズマントロフィー最有力候補と目されるサクオン・バークレー(Saquon Barkley)を出だしから効果的にディフェンスしましたが、それも長くは続かず第3Qには53ヤードのロングランTDを奪われるなどして彼に2つのTDを許し、終わってみれば31対7とペンシルバニア州立大がロードゲームでしっかりと勝利を収める展開となりました。

この日のバークレーは75ヤードということで驚異的という数字を残すことはできませんでしたが、それでも先にも述べた53ヤードのロングランから得点を奪うなどしてしっかりとハイズマンレースにおいてアピールするプレーを見せました。

しかしこの日のペンシルバニア州立大の勝利はバークレー個人というよりもチーム全体で勝ち取ったという感が強かったです。ノースウエスタン大が当然ながらバークレーを完全攻略するために作戦を練ってきたところを、彼以外の選手たちがその隙をついて活躍しチームとしての完成度を発揮した試合となったのでした。それを演出したのはQBトレース・マクソーリー(Trace McSorley)。この日245パスヤードに1つのパスTDと1つのランTDを記録。またディフェンスもノースウエスタン大に第4Qの残り時間あとわずかというところでTDを奪われるまでは完封勝利ペースで相手に仕事をさせず、彼らもこの日の勝利に大きく貢献しました。

ペンシルバニア州立大は試合のないバイウィークを挟んでいよいよミシガン大との対戦が待っています。またその次戦はオハイオ州立大戦も控えており、彼らにとっては今シーズンの山場がやってくることになります。

ジョージア大の快進撃は続く

ジョージア大 45、ヴァンダービルト大 14

全米5位まで上がってきたジョージア大は先週アウェーでヴァンダービルト大と対決。アウェーにもかかわらずたくさんのファンを引き連れてきたジョージア大はヴァンダービルト大を全く寄せ付けず快勝し6勝目を挙げました。

この試合ではRBニック・チャブ(Nick Chubb)がジョージア大での生涯ランヤードで4000ヤード越えを達成。4000ヤード以上のランヤードを記録したのはジョージア大では彼が二人目となりますが、最初の人物というのは1980年から1982年まで在籍し、1982年にハイズマントロフィーも獲得したあのハーシェル・ウォーカー(Herschel Walker)氏(5259ヤード)。レジェンドと肩を並べる(にはまだヤードに差がありますが)ほどのチャブの凄さを垣間見ることができる記録ですね。

(ちなみに私は去年たまたまウォーカー氏と会う機会があったのですが、55歳とは思えない体格の良さを維持していました。)

QBヒルがパス、ラン、レシーブでTDを奪う大活躍!

テキサスクリスチャン大 31、ウエストバージニア大 24

先週唯一となったランクチーム同士の戦いだったテキサスクリスチャン大(8位)とウエストバージニア大(23位)の対戦は、テキサスクリスチャン大のQBケニー・ヒル(Kenny Hill)がパス、ラン、キャッチでそれぞれTDを記録するという縦横無尽の活躍でウエストバージニア大の追撃を振り切り31対24で勝利して貴重なカンファレンス戦白星を上げることができました。

ウエストバージニア大のQBウィル・グリアー(Will Grier)は3TDを含む366パスヤードを記録しテキサスクリスチャン大に襲い掛かりましたが、ヒル率いるテキサスクリスチャン大オフェンスと彼らのスペシャルチームの好プレーなどに阻まれ金星を奪い損ねました。

オクラホマ大がアイオワ州立大に敗れたおかげで現在Big 12カンファレンスで無敗だけなのはテキサスクリスチャン大だけになり、彼らの念願のカンファレンスタイトル獲得及びプレーオフ進出に向け彼らが一歩リードする形となりました。

ウィスコンシン大、着実に勝ち星を重ねる

ウィスコンシン大 38、ネブラスカ大 17

全米9位だったウィスコンシン大ネブラスカ大を敵地で粉砕。5戦全勝でBig Tenカンファレンス西地区においていよいよ敵なしという様相を醸し出しており、早くも彼らのカンファレンス優勝決定戦出場に現実味が見てきました。

ウィスコンシン大の強さは試合の後半に表れる傾向があるようで、実際今季の後半だけの得失点数は119得点に対して21失点と圧倒的です。しかも第4Qだけ見れば56得点に14失点という数字も出ています。この後半の強さが先週のネブラスカ大でも発揮され、17対17で迎えた第3Qから得意のランオフェンスが炸裂して点差を一気に広げ、またディフェンス陣もネブラスカ大攻撃陣を沈黙させて3TD差の余裕の勝利。

強力な地上戦力(ランアタック)と強固な守備陣という、伝統芸とも言えるウィスコンシン大の勝利のパターンは今年も健在。彼らに立ち向かうことができる西地区チームは果たして存在するのでしょうか?

ワシントン州立大は本物!

ワシントン州立大 33、オレゴン大 10

今季開幕時にランクすらされていなかったワシントン州立大ですが、アレヨアレヨというまに順位を上げ、先週の時点で11位まで上り詰めるほどの快進撃を続けてきました。そしてその勢いは先週のオレゴン大戦でも衰える気配はなく、トップ2のQBを二人とも怪我で書くという手薄なオレゴン大相手とはいえ彼らを全く寄せ付けない試合展開で無敗を守りました。

超攻撃的パスオフェンスの使い手として知られるマイク・リーチ(Mike Leach)監督が率いるワシントン州立大がこれまで重ねてきた勝利はQBルーク・フォルク(Luke Falk)の活躍によるところが大きいですが、サザンカリフォルニア大との試合や今回のオレゴン大戦を見るとオフェンスの快調さと同じくらい彼らのディフェンスが非常に安定していることが目立ちます。これはテキサス工科大時代のリーチ監督が輩出したチームと大きく違うところです。

それにしても数年まではPac-12カンファレンスを余裕で闊歩していたオレゴン大と同カンファレンスで下位をさまようようなチームでしかなかったワシントン州立大がその立場を全く逆転してしまっているこの現状。ちょっと前なら考えられなかったことです。

土砂降りの激戦

ミシガン州立大 14、ミシガン大 10

激しい雨が降りつける中行われたミシガン大ミシガン州立大とのライバリー対決はランク外のミシガン州立大が全米7位のミシガン大をアウェーで下すという金星を奪ってミシガン大に今季初黒星を叩きつけました。

雨のせいもありましたがミシガン大は合計5つものターンオーバーを犯す自滅行為を犯してしまいました。もっともそれをミシガン州立大が得点に結びつけることはできませんでしたが、少なくともミシガン大がスコアを重ねる可能性を自ら打ち消したことは確かです。この試合でミシガン大は怪我で欠場したQBウィルトン・スピート(Wilton Speight)の代打としてジョン・オコーン(John O’Korn)を起用しましたが、第3Qの重要な場面で3ドライブ連続でパスINTを献上し、さらに第4Qでもさらに1つ追加。降雨は確かに相当激しかったですが、雨がまだ降っていなかった前半にもっと得点できていれば試合展開は変わっていたことだと思います。

今季3シーズン目を迎えているミシガン大のジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督らにとって念願のプレーオフ進出において、この敗戦は確かに痛い。まだまだ彼らがカンファレンス王者になる可能性は大いに残されていますし、それが達成されればプレーオフ進出は見えてきますが、一方でチームの攻撃力の無さは今後致命傷になりかねません。ディフェンスは全米でもトップレベルですからオフェンス次第ではまた彼らが再浮上するシナリオは十分残されていると思います。

ちなみにハーボー監督はミシガン大監督就任以来彼らの最大のライバルであるオハイオ州立大、及び州内ライバルであるミシガン州立大との対戦成績は1勝4敗と大きく負け越し、さらにこの2チームとのホームでの戦績は0勝3敗といいところがありません。

2年前にカンファレンスを制しプレーオフにも進出したミシガン州立大は昨年度に驚きの絶不調。今季はそのリベンジに燃えていますが、今の所4勝1敗といい位置につけています。このままならば同じ東地区出身のペンシルバニア州立大及びオハイオ州立大にとっても脅威となりかねません。

負けられない一戦

ルイジアナ州立大 17、フロリダ大 16

先々週超格下のトロイ大にまさかの敗戦を味合わされたルイジアナ州立大。先週の記事でも紹介した通り現在のルイジアナ州立大には暗雲が立ち込めている感じが否めません。そんなチーム、エド・オルジェロン(Ed Orgeron)監督、そして彼らのファンにとって先週のフロリダ大は是が非でも買っておきたい試合でした。

オルジェロン監督がチームのオフェンスに介入したとされるトロイ大戦と違ってこのフロリダ大戦は明らかに攻撃の形が異なりました。トロイ大戦では25回しか走らなかったチームがフロリダ大戦ではその倍近い48回RBらにキャリーさせ、強かった時のルイジアナ州立大を彷彿とさせる試合展開でした。オフェンシブコーディネーターのマット・カナダ(Matt Canada)氏のオフェンスが浸透するにはまだまだ時間がかかりそうですが、少なくともこの試合では何らかのテコ入れがあったと想像するに容易いです。

どちらにしても大学側及びオルジェロン監督にとっては絶対に落としたくなかった試合を勝利で飾れたのは大きかったことでしょう。

一方この日フロリダ大は21位にランクされていたチームとは思えないぐらいオフェンス力が急降下。そして結果的に自身のTD後のPATキックを外したことも後々大きく響いてしまいました。

これではっきりしたのはサウスイースタンカンファレンス(SEC)東地区においてジョージア大に敵なし、ということです。テネシー大、フロリダ大が沈黙する中でジョージア大の強さは際立っています。