独走!【第5週目レビュー】

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クレムソン大に敵なし?

クレムソン大 31、バージニア工科大 17

全米2位のクレムソン大にとって今回のバージニア工科大(全米12位)との試合は、ここ4週間以内で3チーム目のランクチームとの対戦(当時13位のアーバン大、同じく14位のルイビル大)となりましたが、クレムソン大が敵地で見事に勝利し5勝目を挙げました。

バージニア工科大は今季この試合まで全勝で勝ち上がり、2季目となるジャスティン・フエンテ(Justin Fuente)監督指揮下チームの状況は上々であると言えました。彼らの対戦相手はどれもクレムソン大とは比較にはなりませんが、それでも1年生のQBジョシュ・ジャクソン(Josh Jackson)を中心とするオフェンスとこの試合までの過去3試合トータルで17失点しか許していないディフェンスで今回全米2位のクレムソン大を迎え撃ちました。

しかし試合が始まれば試合は常にクレムソン大がコントロールする展開に。彼らのディフェンスがジャクソンを追い詰めその結果彼に2つのINTパスを投げさせることに成功。また彼らの強力なランオフェンスを完全に封じ込め、1キャリー平均約3ヤードと相手に仕事をさせませんでした。クレムソン大QBケリー・ブライアント(Kelly Bryant)はほぼノーミスのパフォーマンスで、彼のベストゲームとは言えないもののバージニア工科大を蹴散らすには十分なプレーでチームの勝利に貢献しました。

結果的にクレムソン大にとってはアウェーゲームで2点差をつけて今週の目玉ゲームとも言える試合をものにした訳ですが、相手を寄せ付けずに勝利する展開は現在1位のアラバマ大に非常に近いものになってきています。この調子だと彼らがこのまま無敗でプレーオフに進出するというシナリオが現実のものになりそうです。

アラバマ大に死角なし

アラバマ大 66、ミシシッピ大 3

サウスイースタンカンファレンス(SEC)で栄華を築いてきたアラバマ大にとって過去3年間で唯一と言っていい天敵だったのがミシシッピ大。何故なら過去3年間アラバマ大から2勝を挙げたのはミシシッピ大ぐらいだからです。しかしそのミシシッピ大を育ててきたヒュー・フリーズ(Hugh Freeze)元監督は自身のスキャンダルのせいでシーズン開始前に辞職。そんな崩壊気味のミシシッピ大に今年のマッチアップではアラバマ大は彼らに全くチャンスを与えず66対3という大差で勝利を収めました。

この日のアラバマ大は得意のグラウンドアタック(5TDを含む365ヤード)だけでなくエアーアタックも普段よりも冴え、3TDを含む248ヤードを記録。先発QBジャレン・ハーツ(Jalen Hurts)は非常にシャープな動きを見せ、投げては197ヤードに2TD、走っても101ヤードに1TDと活躍。また彼のバックアップであるトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa)も足と肩でそれぞれTDを奪う手堅さ。さらにディフェンスもパスインターセプションからのTD、そして試合終盤まで相手に3rdダウンをコンバートさせないという圧倒的な強さでミシシッピ大オフェンスを黙らせ、全米1位としての格の違いを見せつけました。

先週に続きアラバマ大はこれでカンファレンス2戦をこなしたわけですが(先週はヴァンダービルト大59対0で大勝)、この2試合での彼らの得失点数は125得点に3失点。アラバマ大がカンファレンスで他を寄せ付けないのは今に始まったことではありませんが、それでも全米でも最もタフなカンファレンスと言われるSECでこれだけの数字を残せるのですから、彼らがどれだけこのカンファレンスで抜きん出ているか分かると思います。

ワシントン州立大、ホームでUSCを返り討ち

ワシンントン州立大 30、サザンカリフォルニア大 27

開幕前には全米4位にランクされ、プレーオフ進出も夢ではないと思われていたサザンカリフォルニア大。しかしシーズンが始まると2戦目のスタンフォード大戦での勝利以外は全て接戦、もしくは途中まで接戦といった試合展開を余儀なくされ、またハイズマントロフィー最有力候補と謳われたQBサム・ダーノルド(Sam Darnold)も噂通りの大活躍とはいかず、今シーズンひょっとしたらどこかで足元をすくわれるのではないかと感じ始めていたところ、ついにやられました。

その牙城を崩したのは同じPac-12カンファレンスの全米16位ワシントン州立大。彼らは今季6シーズン目となる、超パス重視のマイク・リーチ(Mike Leach)監督の下確実に力をつけ今年はこれまで無敗街道を突き進みこのサザンカリフォルニア大との大一番を迎えましたが、見事にこのチャンレンジを攻略し貴重な勝利を挙げました。

ダーノルドばかりが注目されてきた今季のQB界隈ですが、この日彼より光っていたのはワシントン州立大のルーク・フォルク(Luke Falk)でした。彼は敵の強力なフロントセブンからのプレッシャーを受け続け5つのQBサックを喰らい、またWRが彼からのパスを何度も落とすなどという不運がありながらも2TDを含む340パスヤードを記録し、164ヤードにTDがゼロだったダーノルドを出しぬきました。この試合の働きを見ればフォルクがハイズマントロフィーレースの仲間入りを果たしたといっても過言ではないでしょう。

またディフェンシブコーディネーターのアレックス・グリンチ(Alex Grinch)氏が率いるディフェンス陣もサザンカリフォルニア大オフェンスを攻略。非常に効果的なブリッツをダーノルドにかけまくり彼にポケットの中で十分な時間を与えませんでした。RBロナルド・ジョーンズ(Ronald Jones)に許した86ヤードのロングTDランを除けば、サザンカリフォルニア大の強力ランオフェンスをたったの77ヤード(合計163ヤード)に抑えることに成功。また前述の通りダーノルドにパスTDを与えませんでした。

ワシントン州立大はこれで5勝0敗。全米トップ5のチームを倒したこの意義は大きいです。にわかにPac-12カンファレンスのタイトルレースが面白くなってきました。一方サザンカリフォルニア大にとってはこれが今季初黒星。試合はまだまだ残されていますが、今後の展開にかなり不安を残す試合運びとなってしまいました。

オクラホマ州立大、テキサス工科大から逃げ切る

オクラホマ州立大 41、テキサス工科大 34

第4週目にテキサスクリスチャン大まさかの敗戦を喫してしまったオクラホマ州立大。今後カンファレンスタイトル及びプレーオフ進出を狙うにはもう負けることは許されませんが、5戦目は今季調子が上向きなテキサス工科大と対戦。この試合ではボールが中を飛び交う点取り合戦になりましたが、合計32個のファーストダウンを奪い、600ヤード以上のトータルオフェンスヤードを稼いだオクラホマ州立大がアウェーで貴重な白星を奪いました。

ミシシッピ州立大、急降下

アーバン大 49、ミシシッピ州立大 10

第3戦目にルイジアナ州立大から金星を奪い圏外から17位に飛び込んできたミシシッピ州立大はにわかにSEC西地区のダークホース的存在に挙げられましたが、ジョージア大手も足も出ずに敗れると5戦目のアーバン大戦ではさらにディフェンス陣が崩壊し全米13位のアーバン大に大敗し、彼らの株は急降下することになってしまいました。むしろルイジアナ州立大が同じ日に格下のトロイ大に敗れたことを考えれば、ミシシッピ州立大が倒したルイジアナ州立大が過大評価されすぎていただけだっと考える方が妥当です。

アーバン大は第2戦目にディフェンディングチャンピオンのクレムソン大と対戦しましたが、この時はQBジャレット・スティッドハム(Jarrett Stidham)は11つものQBサックをお見舞いされオフェンス的には何もさせてもらえませんでした。しかしこのミシシッピ州立大戦ではオフェンシブライン陣がスティッドハムを完璧に防御し、そのおかげでスティッドハムは16投中13パスを成功させ264パスヤードを記録し、TDも2つ獲得と今季ベストのパフォーマンスを披露することができました。

この試合でSEC西地区はアラバマ大とアーバン大の一騎打ちとなる様相が濃くなり、彼らが直接対戦するシーズンフィナーレ「アイロンボウル」が今から楽しみとなりました。

バークレーのハイズマントロフィーキャンペーンは続く

ペンシルバニア州立大 45、インディアナ 14

ペンシルバニア州立大はこの日インディアナ大に45対14と予想通りに快勝。試合の方はスコアよりもむしろハイズマントロフィー候補のRBサクオン・バークレー(Saquon Barkley)が何をやらかしてくれるかに注目が集まりましたが、そんなファンたちの期待を裏切らない活躍をこの日バークレーは見せてくれました。

手始めに試合開始のキックオフリターンで98ヤードを走りきりTDを奪ってホームスタジアムのファンたちを大歓声を誘うと、その後も片手でのパスレシーブやパスTDを投げるなどというオールアラウンドな活躍を見せ、トロフィーレースでの株をさらに大きく上げました。

ちなみに2015年に旋風を巻き起こした元スタンフォード大クリスチャン・マカフリー(Christian McCaffrey、現カロライナパンサーズ)はラン、パス、キャッチ、リターンとオールパーパスヤードでNCAA新記録を樹立した逸材でしたが、彼のその年のシーズンの4試合目までの数字とバークレーの今年の4試合目までの数字を比較したものが下のものです。

2015年のマカフリーは本当に見ていて楽しい選手でしたが、その彼のペースをバークレーはほぼ凌駕しています。ペンステートの今後とともにバークレーの活躍には目が離せません。

テネシー大よ、どこへゆく・・・

ジョージア大 41、テネシー大 0

卒業生でありプロでも名QBとして活躍したペイトン・マニング(Peyton Manning)氏も見守る中ホームでジョージア大を迎え撃ったテネシー大ですが、見事に玉砕。1994年以来23年ぶりとなるホームでの完封負けを喫してしまいました。ちなみに何の因果かこの23年前の完封負けはマニング氏が1年生時のことです。彼が悪運を引き連れてきたのでは?!と思う方もいるかもしれませんが、4つのターンオーバーを犯し、トータルオフェンスでは142ヤード、奪えたファーストダウンもたったの7つということで、これは当然ながらマニング氏のせいでも何でもなく、その責任はブッチ・ジョーンズ(Butch Jones)監督にあります。

今季5シーズン目を迎えるジョーンズ監督ですが、すでに彼が揃えた選手たちは彼自身がリクルートしてきた選手たちであり、チームの不甲斐なさは彼らに問題があるという言い訳はできません。いよいよ彼の進退が怪しくなってきました。

一方ジョージア大は引き続き1年生のQBジェイク・フローム(Jake Fromm)が先発。84ヤードのパス(1TD、1INT)に20ヤードのラン(2TD)と数字上に派手さは見られないものの、チームの勝利に貢献するには十分な働きを見せました。チームはむしろランオフェンスを主軸に相手ディフェンスを切り裂いていくスタイルが旨であり、ニック・チャブ(Nick Chubb)、ソニー・ミシェル(Sony Michel)らの活躍で合計294ランヤードに4TDと試合の流れを完全にコントロールする展開を見せました。また上記の通りテネシー大オフェンスに仕事をさせない強力なディフェンスは健在。このチーム状況はまさにアラバマ大とそっくりで、それはアラバマ大でディフェンシブコーディネーターを長年勤めてきたカービー・スマート(Kirby Smart)監督が指揮するチームであるこからも頷ける話です。

ウィスコンシン大、ディフェンスに救われる

ウィスコンシン大 33、ノースウエスタン大 24

全米10位のウィスコンシン大は上位の顔ぶれが変わっていく中じっとこの位置でチャンスが来るのを待っている状態ですが、5戦目のノースウエスタン大戦では2年生QBアレックス・ホーニブルック(Alex Hornibrook)が思わぬ不調。パス成功率は約50%、そしてパスINTも2つ犯し、そのうち一つは相手ディフェンダーにTDを許すという不甲斐なさを見せてしまいました。

そんな彼を助けたのはディフェンスでした。追いすがるノースウエスタン大から貴重なターンオーバーを2つ奪い、そのうち一つを得点に結びつけ、試合終盤には相手からセーフティーを獲得。結果的にディフェンスが得た9点が勝利を左右した展開となりました。

フロリダ州立大、今季初勝利を挙げる

フロリダ州立大 26、ウェイクフォレスト大 19

今季の開幕戦でアラバマ大に敗れ、その後2週連続ハリケーンの影響で試合がキャンセルされ、4戦目ようやく実戦を行えばノースカロライナ州立大にホームでまさかの敗退を喫してしまったフロリダ州立大。仮にこの5戦目で負けて0勝3敗となっていればそれは1976年以来の汚点となるところでした。この日の対戦相手はウェイクフォレスト大でしたが、彼らにフロリダ州立大は大苦戦。QBジェームス・ブラックモン(James Blackmom)はデビュー2戦目となるこの試合でも波に乗れずウェイクフォレスト大ディフェンスに追い立てられる展開が続きました。また相手QBジョン・ウォルフォード(John Wolford)がブラックモンとは対照的に効果的なQBプレーを連発。彼らのホームで大御所フロリダ州立大から金星を奪えるのでは・・・とかすかな期待を抱かせてくれました。

しかし第4Qにフロリダ州立大がようやく目覚め、ブラックモンからWRアウデン・テイト(Auden Tate)への40ヤードパスが決まりウェイクフォレスト大を突き放すことに成功。なんとか今季初勝利を奪うことができました。しかし怪我で今季絶望となったQBデオンドレ・フランソワ(Deondre Francois)不在の影響は大きく、彼らにとっていばらの道が続きそうです。