凌駕!【第3週目レビュー】

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#3 クレムソン大 47、#14 ルイビル大 21

自身先発3戦目となったクレムソン大QBケリー・ブライアント(Kelly Bryant)が相手ディフェンスから316パスヤードを奪いアウェーで47対21という大差でルイビル大を一蹴。昨年のハイズマントロフィー受賞QBラマー・ジャクソン(Lamar Jackson)を守備陣が見事に攻略し彼に仕事をさせませんでした。

ブライアントの活躍、及びディフェンス陣の圧倒的強さからクレムソン大は確実に優勝候補チームの一角に躍り出たことになりますが、ブライアントのプレーに最大限の賛辞を送ったのが彼の先輩であるQBデショーン・ワトソン(Deshaun Watson、現ヒューストンテキサンズ)。彼はツイッターでブライアントのことを「自分よりすごいやつになる!」と褒め称えました。

試合は出だしこそスコアは動きませんでしたが、第2Qにキッカーのグレッグ・ヒューゲル(Greg Huegel)のFGが決まってクレムソン大がリードを奪うとそこから立て続けにクレムソン大がスコアボードに点を積み上げ、第3Qが終わった時点で33対7と試合をほぼ決定づけてしまいました。第4Qにようやくジャクソンが2つのパスTDを決めますが、その度にクレムソン大オフェンスがTDを奪い返し、結局ファイナルスコアは47対21というワンサイドゲームとなってしまったのでした。

この試合でもクレムソン大ディフェンスは大暴れし、これまで全米トップレベルの個人力を披露してきたジャクソンに仕事をさせませんでした。機動力に定評があるジャクソンをこの日たったの68ランヤードに抑えただけでなく、彼からパスINTを奪いTDを奪うという業を成し遂げたのです。

そしてワトソンの後継者としてQBを務めているブライアントにとっては今季初のアウェーゲームとなり、彼の本領が試される試合となりましたが、その試練を難なく突破。今季のクレムソン大はディフェンスが軸のチームだと言われ、ブライアントにはそれほどの期待がかけられていたとは思えませんが、これまで3試合で733パスヤード、パス成功率も約69パーセントとしてワトソンが去ったことで恐れられていた戦力ダウンを全く感じさせないプレーを続けています。

ジャクソンは317パスヤードに3TDを記録したものの、若いWR陣との意思疎通がイマイチ欠けており、肝心なところでプレーを決めれなかったりパスをINTされたりして撃沈。無敵と思われたジャクソンでもクレムソン大ディフェンスのスピードをかわすことはできませんでした。

#4 サザンカリフォルニア大 27、テキサス大 24(2OT)

2005年度シーズンのBCSナショナルチャンピオンシップゲームの再現となったこの試合。12年前のこのマッチアップではテキサス大がドラマティックな逆転勝利を飾ってサザンカリフォルニア大を敗り、この試合はカレッジフットボール史上でも類を見ないベストゲームとされてきました。しかし今年のこのマッチアップは2005年度のものに及ばないものの、非常に素晴らしい試合展開となりました。

テキサス大は開幕時の先発QBシェーン・ビューシェル(Shane Buechele)が肩の怪我で欠場となり、彼の代わりに1年生の期待の星であるサム・エリンガー(Sam Ehlinger)が登場。サザンカリフォルニア大のホームというやり辛い環境という中でルーキーとは思えぬ活躍を見せサザンカリフォルニア大相手に僅差の展開を繰り広げました。

しかしテキサス大最大の驚きは生まれ変わった(?)ディフェンス陣の活躍でした。チームとして完成度の高いサザンカリフォルニア大のオフェンスに再三にわたりプレッシャーを欠け続け、その結果サザンカリフォルニア大QBサム・ダーノルド(Sam Darnold)から2つのパスをインターセプトすると、ロナルド・ジョーンズ(Ronald Jones)やステファン・カー(Stephen Carr)らを擁するRB陣を合計71ヤードに止めることに成功。サザンカリフォルニア大を終始苦しめました。

全米4位のサザンカリフォルニア大は前述の通りランアタックをテキサス大ディフェンスに封じ込まれ、またテキサス大フロントセブンのプレッシャーにダーノルドが四苦八苦する場面が多く見られましたが、試合残り時間1分を切ったところで17対14とリードされるもここからダーノルドの起死回生のプレーが光り、たったの45秒で同点に追いつきオーバータイムへ。

最初のオーバータイムでの先攻サザンカリフォルニア大は1プレー目でダーノルドからWRデオンテイ・バーネット(Deontay Burnett)への25ヤードパスTDが決まり先手を打つと、テキサス大もエリンガーがWRケイド・ブルワー(Cade Brewer)への3ヤードパスTDを決め再び同点とし2度目のオーバータイムへ。今度は先攻となったテキサス大は着実にサザンカリフォルニア大エンドゾーンへ向け侵攻を企てますが、相手陣内3ヤードまで迫りながらエリンガーのQBスニークの最中に相手ディフェンダーが絵リンガーからボールを掻き出しファンブル。これがサザンカリフォルニア大にリカバーされ万事休すに。テキサス大ディフェンスは最後の気力を振り絞ってサザンカリフォルニア大の全身を防ぎましたが、43ヤードのFGが見事に決まりサザンカリフォルニア大がこの激闘を制しました。

ダーノルドは最終的に397パスヤードに3TDを記録しましたが一方でパスINTも2つ犯し、全体的に見て彼のベストゲームとはとても言い難かったですが、肝心要の場面でプレーを決めるところ、特に試合終了間際の40秒足らずのドライブで見せた「キレ」などは、俗にいう「クラッチプレーヤー」と呼ぶに値する働きでした。

テキサス大は負けたものの全米トップ5チーム相手に善戦以上のパフォーマンスを見せ、名門復活の兆しを見せてくれました。トム・ハーマン(Tom Herman)監督は「モラルビクトリー(試合に勝って勝負に負けたというニュアンス)などは存在しない」とあくまでこの敗戦を負け戦と位置付けていますが、それでもこれまでのテキサス大の苦戦をみれば敗戦の中にも大きな希望の光を見たような気がします。またハーマン監督は「怪我をしていなければ(エリンガーより)ビューシェルの方が優れているだろう」と話しましたが、この試合を見る限り1年生のエリンガーで先発QBは決まりだと思ってしまいます。どちらがチームの先発QBとなるのか・・・それは次戦のアイオワ州立大戦で明らかになることでしょう。

#24 フロリダ大 26、#23 テネシー大 20

毎年開幕3戦目に行われるサウスイースタンカンファレンス(SEC)東地区の大一番であるこのマッチアップ。両チームともランクされてはいるものの23位と24位ということで少し寂しい対戦となりましたが、試合の結末は大変ドラマチックな幕切れとなりました。

3Qを終えて両チームともTDを奪えないまま6対3で迎えた第4Q、テネシー大QBクィンテン・ドーマディ(Quinten Dormady)のパスをフロリダ大C.J.ヘンダーソン(C.J. Henderson)がインターセプトしてそのままTDを奪いついにTDを奪うと、次のテネシー大の攻撃では44ヤードのFGが外れいよいよ流れはフロリダ大へ傾くかと思われましたが・・・。

返しのフロリダ大の攻撃でRBマリク・デーヴィス(Malik Davis)が自陣26ヤードラインからQBフェリペ・フランクス(Feleipe Franks)のハンドオフを受けるとそのまま一気にテネシー大エンドゾーンへ・・・。しかしデーヴィスがエンドラインを越えるその直前にテネシー大のジャスティン・マーティン(Justin Martin)が決死の追走ののちにデーヴィスの手からボールを弾き出し、ビデオ判定の結果TDは無効となりテネシー大に攻撃権が移ることになります。このチャンスを逃さなかったテネシー大はしっかりとTDを奪ってスコアを13対10に縮めます。

その後試合終了5分前にフロリダ大は今シーズン初のオフェンスTDとなる得点をフランクスからWRブランドン・パウエル(Brandon Powell)への5ヤードTDパスで決めて試合終盤で貴重な追加点を得ることになりますが、その30秒後にはテネシー大がドーマディの28ヤードパスTDで再び点差を3点に。その後フロリダ大は攻撃権を維持しながら時間を潰すこともできましたが、フランクスの投げたボールがWRの手に弾かれそれをテネシー大ディフェンスがリカバー。土壇場でテネシー大がいい位置で攻撃権を得ることになります。

テネシー大はこの日トータル141ヤードを足で稼いだジョン・ケリー(John Kelly)にボールを託しフロリダ大エンドゾーンを目指します。テネシー大の2つのフォールスタートののち、フロリダ大のフェイスマスクの反則でテネシー大は残り1分でフロリダ大陣内9ヤードで1stダウンを迎える絶好のチャンスを得ます。しかし結局ここからドーマディのパスが3発不発に終わりテネシー大は残り50秒でFGを決め試合を20対20の振り出しに戻します。

そしてこのまま試合はオーバータイムへ突入かという雰囲気が流れ出した頃、ドラマは起きたのです。この試合残り9秒で迎えたフロリダ大の攻撃、このクォーター最後のプレーになるスナップを受けたフランクスは崩れたポケットから抜け出し右方向へロールアウトするとすかさずヘイルマリーパス(一か八かのロングスロー)をテネシー大エンドゾーンへ放ります。それに反応したWRタイリー・クリーブランド(Tyrie Cleveland)が見事にキャッチしてTD!そのまま試合終了となりフロリダ大がホームで今季初勝利を飾ったのでした。


#9 オクラホマ州立大49、ピッツバーグ大 14

先週ペンシルバニア州立大に善戦したピッツバーグ大は全米9位のオクラホマ州立大にとって彼ら自身の力がどれだけのものなのかを測る「テストマッチ」の相手にふさわしいと言われていましたが、蓋を開けてみればオクラホマ州立大がピッツバーグ大を全く寄せ付けず49対14で大勝。

試合開始からオクラホマ州立大が35点を連続で奪い、一時は35対0と大量リードしたオクラホマ州立大。前半を終えた時点ですでにスコアは49対14となっていましたが、その大量得点に大きく貢献したオクラホマ州立大のQBメイソン・ルドルフ(Mason Rudolph)はこの日5TDを含む423ヤードを肩で稼ぎ、ハイズマントロフィー級の活躍。チームも全米9位という位置からじわじわと上位進出を狙います。

ミシシッピ州立大 37、#12 ルイジアナ州立大 7

全米12位のルイジアナ州立大ミシシッピ州立大に乗り込み今季初のカンファレンス戦白星を狙いに行きましたが、逆にミシシッピ州立大に返り討ちにあい、37対7と打つ手なく敗れ去ってしまいました。

ミシシッピ州立大QBニック・フィッツジェラルド(Nick Fitzgerald)は投げては2つのTDを含む180ヤードのパス、走ってはさらに2つのTDを含む88ヤードのランを稼ぐ活躍を見せ、またRBエアリス・ウィリアムズ(Aeris Williams)も脚で146ヤードを記録するなど、強固と思われていたルイジアナ州立大ディフェンスを攻略。大金星をあげてにわかにSEC西地区のダークホース的存在を予期させるパフォーマンスを見せてくれました。

ルイジアナ州立大は相変わらずオフェンスがパッとせず、全米でもトップクラスのRBとの評価が高いデリウス・ガイス(Derrius Guice)はこの日たったの76ヤードに押さえ込まれてしまいました。またディフェンス側では二人の選手がターゲット(故意に頭部を狙ったタックルを犯すこと)の反則で退場処分となるなど自滅した感も否めなく、エド・オルジェロン(Ed Orgeron)監督新体制下で上位を狙うチームに水をさしてしまいました。

ヴァンダービルト大 14、#18 カンザス州立大 7

全米18位のカンザス州立大はSECでも格下とされるヴァンダービルト大とアウェーで対戦。楽勝となるかと思われましたが思わぬ苦戦を強いられ敵地で敗戦するというまさかの展開。わざわざカンザス州からテネシー州まで駆けつけ敵地をチームカラーの紫色に染め上げたファンのため息が聞こえてくるようでした。

カンザス州立大は老将ビル・シュナイダー(Bill Snyder)監督率いるオーソドックスなプレーを旨とするチーム。その強さは堅実さであることは確かですが、日々進化するカレッジフットボールのディフェンスを攻略することが年々厳しくなってきているように思われますが、それがモロに出てしまった試合でした。QBジェシー・アーツ(Jesse Ertz)のパスオフェンスが封じ込まれてしまうとオフェンスは途端に機能しなくなり、相手ディフェンスに合わせて軌道修正できなくなったオフェンスは相手にとって非常に守りやすいものになってしまったのです。特にカンザス州立大オフェンスの後半の苦戦は眼に余るものでした。

ヴァンダービルト大にとってこの勝利はランクされたSEC以外のチームから奪った白星としては1946年以来という快挙ということになり、それを演出してしまったカンザス州立大としては大きな汚点となってしまいました。

サンディエゴ州立大 20、#19 スタンフォード大 17

サンディエゴ州立大のホームで行われたこの試合、第4Q終盤にサンディエゴ州立大が勝ち越しのTDを奪いスタンフォード大から金星を奪う快挙を見せました。

スタンフォード大はケラー・クレスト(Kelly Chryst)が絶不調。20回中9度のパス成功でたったの72ヤードしか稼げずしかも2つもパスINTを相手に献上してしまう始末。唯一の光明であるRBブライス・ラヴ(Bryce Love)は184ランヤードを記録しはしましたが、それだけでは勝てなかったというわけです。

この敗戦でスタンフォード大がランキングから転落することはほぼ確実でしょうが、一方のサンディエゴ州立大はこれで開幕後無傷の3連勝でランク入りしてくるのは必至。全米トップ3に入るランヤードを誇るRBラシャード・ペニー(Rashaad Penny、この日は175ヤード)を軸に「パワー5」チームにも通用するオフェンスを持っています。

ちなみに試合中スタジアムのライトが落ちて真っ暗になるというハプニングがあり、23分間の休止を余儀なくされましたが、スタンフォード大はこれを負けの言い訳にはできません。

メンフィス大 48、#25 UCLA 45

全米25位のUCLAは西海岸からテネシー州のメンフィス大へ遠征を行いましたが、遠い敵地で大量得点の奪い合いの末敗れるという失態を見せてしまいました。

全米トップクラスと言われるUCLAのQBジョシュ・ローゼン(Josh Rosen)はこの日4つのTDを含む463ヤードものパスを投げましたが一方でターンオーバーも2つ(INT)犯してしまい、メンフィス大に金星を献上する助けをしてしまいました。せっかく全米ランキング入りを果たしたUCLAでしたがこの敗戦でその勢いも減速。この試合に勝利して3戦全勝で来週のスタンフォード大戦を迎えたかったところでしたが残念ながら撃沈してしまいました。いつもは西海岸時間での試合が多くなかなか西海岸以外のファンにその姿を披露することはできないので、ローゼン率いるUCLAにとってみれば全米中に彼らの強さを示す絶好の機会でした。しかしそのチャンスを不意にする敗戦を演じてしまい、ハイズマントロフィーを狙うローゼンにしてみても大きな痛手となったのでした。試合時間が西海岸時間の朝9時だったとはいえ、負けた言い訳にはできそうにありません。

メンフィス大QBライリー・ファーガソン(Riley Ferguson)はローゼンに勝るとも劣らない6TDを含む398ヤードパスという活躍を見せ、「パワー5」の一角であるUCLAから予想外の勝利をもぎ取りました。メンフィス大は今季「グループオブ5」の星となることができるでしょうか。

ノートルダム大 49、ボストンカレッジ 20

ノートルダム大オフェンスがQBブランドン・ウィンブッシュ(Brandon Wimbush)、並びにRBジョシュ・アダムス(Josh Adams)らを中心にボストンカレッジディフェンスから実に500ヤード以上のランヤードを奪う活躍を見せこの「ホーリーウォー」を大差で制しました。

地上戦を大々的に仕掛けたノートルダム大オフェンスは上記のように大量のランヤードを稼ぐことに成功し、TDも合計7つもランプレーから叩き出すという徹底さ。ウィンブッシュの207ヤードのランと4つのランTDはどちらも長いノートルダム大フットボール部の歴史の中でも新記録となったほどです。

ノートルダム大は次週ライバル・ミシガン州立大と対戦しますが、これでこの試合が俄然面白くなってきました。