雪辱!【第2週目レビュー】

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カレッジフットボール第2週目はプライムタイムに好ゲームが重なり、ファンを大いに楽しませてくれました。かく言う私もチャンネルを変えまくりながら土曜日の夜をカレッジフットボール漬けで久しぶりに過ごすことができお腹いっぱいになったのでした。

それではそんな第2週目を振り返ってみたいと思います。

#5 オクラホマ大 31、 #2 オハイオ州立大 16

昨年オクラホマ大の地元で行われたこの同一カード。当時はオハイオ州立大がオクラホマ大をなぎ倒しましたが、今年はオハイオ州立大でのホームゲームでした。オクラホマ大にしてみればリベンジ合戦だったわけです。

前半は両チームともスコアが動かず3対3で折り返しますが、すでにこの時にオクラホマ大が獲得ヤード数で222ヤードだったのに対し、オハイオ州立大のそれは92ヤードと試合の流れはいつオクラホマ大に傾いてもおかしくない状況でした。そして後半に入るとオクラホマ大QBベーカー・メイフィールド(Baker Mayfield)のエンジンに火がつきます。彼の正確無比なパスとリーダーシップで第3Q後半から立て続けに3つのTDを奪い、一気に点差を3スコア差に広げると第4Q残り10分過ぎにはすでに勝負を決め、詰め掛けた10万人以上の観客はこの時点ですでにスタジアムを後にしだしたほどでした(もちろんオクラホマ大ファンをのぞいて)。

昨年活躍したオハイオ州立大QB J.T.バレット(J.T. Barrett)は明らかに昨シーズンのようなキレが見られず、オフェンスの指揮官として全く機能しませんでした。ディフェンスではオクラホマ大のランゲームを104ヤードに抑えるなど効果を発揮しましたが、メイフィールドが操るエアーアタックに対して打つ手立てがなく、彼に384ヤードに3TDを奪われる始末。全米2位と言うにはお粗末な結果に終わってしまったのでした。

この勝利によってオクラホマ大にとってはカレッジフットボールプレーオフ(CFP)への道が大きく開かれたことになります。もちろんまだ10試合も残ってはいますが、全米2位チームをアウェーで下したと言う事実は後々彼らのCFP進出の大きな後押しとなることでしょう。

一方オハイオ州立大にしてみれば、この敗戦で全てが終わったと言うことには当然なりませんし、Big Tenカンファレンスを制することができれば1敗したとしてもCFP進出の可能性は十分残されることでしょう。しかしそのためにはもう負けることは許されず、しかも今後ペンシルバニア州立大やミシガン大などと対戦しなければならないのです。QBバレットがこのままの調子ならばチームの先行き真っ暗ですが、これはアーバン・マイヤー(Urban Meyer)監督らオフェンシブコーチ陣の手腕にかかっています。

#3 クレムソン大 14、 #13 アーバン大 6

昨年の全米覇者・クレムソン大とアーバン大の試合はディフェンス同士のぶつかり合いとなり、昨年と同様ロースコアとなりましたが、クレムソン大QBケリー・ブライアント(Kelly Bryant)とアーバン大オフェンシブラインを凌駕したクレムソン大フロントセブンが違いを見せ、14対6でアーバン大から貴重な1勝を奪いました。

ブライアントは第2Qに一旦怪我で戦線を離れましたが、その後に復活しこの試合最初のTDを足で獲得。さらに第3Qにも27ヤードのランTDを奪い、拮抗したディフェンスゲームにおいて白星を挙げるのに十分な点差を広げることに成功。チームのトータルオフェンス283ヤードのうち一人で249ヤードを叩き出す活躍を見せました。

しかしやはり特筆すべきはクレムソン大ディフェンス。彼等のパスラッシュは相手QBジャレット・スティッドハム(Jarrett Stidham)を終始苦しめ、彼になんと11個ものQBサックをお見舞いし、トータルヤードも117ヤードに押さえ込むことに成功しました。

もちろん上記のとおりにクレムソン大フロントセブンの怒濤のディフェンスは凄まじかったのですが、アーバン大オフェンシブラインの脆さも響きました。だからこそ相手ディフェンスに11個ものサックを許してしまったわけですが、これではいくらスティッドハムの腕が立つと言っても全く意味をなしません。

ACCでは今季フロリダ州立大が優勝候補に挙げられていましたが、このクレムソン大のパフォーマンスを見る限り、その肩書は彼等に属すると見て間違いないと思います。 特にフロリダ州立大は先週のアラバマ大戦でQBデオンドレ・フランソワ(Deondre Francois)を怪我で失ったばかり。今のところ同カンファレンスでクレムソン大に敵うチームは見当たりません。まだまだシーズンは長いですが、すでにクレムソン大3年連続ナショナルタイトルゲーム出場および2連覇の現実味が見えてきたように思えます。

一方アーバン大にとってはオフェンスに問題があるのは明白。ガス・マルザーン(Gus Malzahn)監督及びディフェンシブコーディネーターのチップ・リンジー(Chip Lindsey)氏はクレムソン大ディフェンスに対して解決策を見いだせないまま試合が終わってしまいました。それもこれも彼等のラインプレーの崩壊に起因しています。これからこのユニットが成長する時間は十分にありますが、今後SECのカンファレンスが始まっていく頃までにこのエリアが改善されていなければ彼等の今シーズンの雲行きは怪しくなってきます。朗報なのはディフェンスがクレムソン大オフェンスに大量得点を許さなかったこと。ブライアント一人に2TD奪われたぐらいで後は十分に彼等のオフェンスをコントロールできていたと思います。それだけにオフェンスが早く解決の道を見つけ出せば彼等にも再び上昇の機会は訪れるのではないかと思います。

#6 サザンカリフォルニア大 42 #14 スタンフォード大 24

先週のウエスタンミシガン大戦で思わぬ苦戦を強いられたサザンカリフォルニア大に「ひょっとしたら過大評価を受けすぎていたのでは?」と感じた人は多かったと思いますが、どうやらそれは取り越し苦労だったようです。

全米6位のサザンカリフォルニア大にとってこの日のスタンフォード大(14位)の試合は先週の結果もあって緊張感が漂うものになりましたが、パワフルなランゲーム、QBサム・ダーノルド(Sam Darnold)の噂通りのプレー、そしてバランスの取れたディフェンスがスタンフォード大に仕事をさせず42対24と快勝。強いサザンカリフォルニア大が帰ってきました。

ハイズマントロフィー候補のダーノルドはこの日26投中21回のパスを成功させ316ヤードを肩で稼ぎ、TDも4つも奪う活躍。先週はTDを一つも獲得できなかったことを考えると眠れる獅子が目覚めたというところでしょうか。この日は要所要所で的確にパスをさばき、オフェンスを完全にコントロールしてチームの勝利に大きく貢献。さすがハイズマントロフィー候補と言われるだけの仕事をこなして、トロフィーレースにカムバックしてきました。また地上戦力もこの上なく、RBロナルド・ジョーンズ(Ronald Jones)及びステファン・カー(Stephen Carr)が大暴れ。この試合だけ見れば全米でも随一の2RBシステムを誇っていると言えそうです。二人共100ヤードを超える数字を叩き出し、ダーノルドと合わせてトータル623オフェンスヤードを記録する手助けをしました。

スタンフォード大は開幕戦のライス大戦で62対7という大差で勝利し、そのオフェンス力に大きな期待が寄せられましたが、サザンカリフォルニア大に対しては選手のタレントの差が大きく露呈されてしまいました。得意のランオフェンスをサザンカリフォルニア大に止められてしまった後はオフェンスが一元化してしまい、あとはすべてが後手に。QBケラー・クリスト(Keller Chryst)はボールを相手陣内まですすめることは出来ましたが得点するまでには至らず。試合は思った以上に偏ったものになってしまいました。

サザンカリフォルニア大ファンはピート・キャロル(Pete Carroll)元監督下で謳歌したダイナスティーの復活を首を長くして待っていましたが、どうやらその復活を今シーズンに期待しても良さそうです。

#15 ジョージア大 20、 #24 ノートルダム大 19

今季初のランク(24位)を獲得したノートルダム大がSECの強豪・ジョージア大(15位)をホームに迎えて行われた好マッチ。内容的には非常に見応えある試合となりましたが、ジョージア大ディフェンスがアウェーで踏ん張り、昨年よりも明らかにグレードアップしたノートルダム大を1点差で退けました。

両校ともカレッジフットボール界では老舗と言っていいチームですが、レギュラーシーズンでの対戦はこれが初めてのこと。そんな試合はお互いがハードにぶつかりあり非常にフィジカルな試合となりました。ジョージア大はスターQBジェコブ・イーソン(Jacob Eason)を怪我で欠く布陣。1年生QBジェイク・フローム(Jake Fromm)がその穴を埋める大役を任されました。敵地での試合という厳しい環境下で彼は派手さはないものの最低限の仕事をこなしこの決戦の勝利に貢献。

ノートルダム大はディフェンスが光り、RBニック・チャブ(Nick Chubb)、ソニー・ミシェル(Sony Michel)という全米でもトップレベルのRBデュオ相手に最後まで果敢に挑み、オフェンスの逆転に望みをつなげました。結果的に負けましたが、イーソン不在のジョージア大相手であったとはいえ敗戦の中にも大きな希望を見たような気がします。

しかし後味が悪かったのは試合後。ブライアン・ケリー(Brian Kelly)監督はポストゲームのインタビューで記者に悪態をつき、せっかくチームがいい戦いぶりを見せたのにも関わらずそれに水を指すようなことをしてしまったのです。負けた直後であるのはわかりますが、あれはちょっとなかったかな・・・。

#17 ルイビル大  47、ノースカロライナ大 35

昨年のハイズマントロフィー受賞QBであるルイビル大のラマー・ジャクソン(Lamar Jackson)はこの日ノースカロライナ大から6つのTDを奪う活躍を見せ、47対35というハイスコアゲームを制しました。投げては393パスヤードに3TD、走っては132ヤードに3TDと昨年のハイズマンシーズンを彷彿とさせるパフォーマンス。 夢のトロフィー2年連続獲得に大きな期待を寄せられるプレーを見せました。

ちなみにノースカロライナ大は先発QBチャズ・スラット(Chazz Surratt)が負傷退場したのに代わりルイジアナ州立大からの転校生ブランドン・ハリス(Brandon Harris)が出場。216パスヤードに1TDとまずまずの数字を残しました。

#4 ペンシルバニア州立大 33、ピッツバーグ大 14

雪辱といえばこの試合もそうでした。昨年久しぶりに復活した「ペンシルバニアダービー(とは言わないか?)」ペンシルバニア州立大とピッツバーグ大のライバリー対決はピッツバーグ大に軍配が上がりましたが、今年はそのリベンジとばかりにペンシルバニア州立大が33対14で勝利をものにしました。QBトレース・マクソーリー(Trace McSorley)は28投中15回のパス成功で164ヤードとしましたが、TDを3つも奪い勝利に貢献。またハイズマントロフィー候補とも言われるRBセクオン・バークレー(Sequon Barkley)は脚で88ヤードを稼ぎ、またパスレシーブでも46ヤードのTDを決めるなどしっかりと仕事をこなしました。マクソーリーはオープンレシーバーへのパスを外すシーンが多々あり、多少の不安を残しはしましたが昨年の雪辱を果たし2勝目をあげました。

#20 ワシントン州立大 47、ボイジー州立大 44(3OT)

全米20位のワシントン州立大は「グループオブ5」チームながら幾度となく「パワー5」チームを苦しめてきたボイジー州立大と対決。試合は西海岸のナイトゲームということで多くの人がこの試合の経緯を翌日まで目にすることはありませんでしたが(もちろん私も)、なんともドラマティックな試合となりました。

ワシントン州立大のホームゲームだったこの試合、ボイジー州立大が終始に渡りホームチームをリードし続け第4Q残り11分を切ったところでスコアは31対10と誰もがワシントン州立大敗戦を確信したところでしょう。しかしゲームはこれで終わらなかったのです。

ワシントン州立大の先発QBルーク・フォルク(Luke Falk)が怪我で退場するとマイク・リーチ(Mick Leach)監督はバックアップのタイラー・ヒリンスキー(Tyler Hilinski)を投入。そこでまず彼がWRジャミアー・カルヴィン(Jamire Calvin)への17ヤードパスTDを決め31対17とすると、返しのボイジー州立大の攻撃にて、前半に先発QBブレット・ライピエン(Brett Rypien)が脳震とうで退場を余儀なくされた代わりに出場していたカンザス大からの転校生、モンテル・コザート(Montell Cozart)の不用意なラテラルパスをワシントン州立大LBペイトン・ペルアー(Peyton Pelluer)がインターセプトしてTD。試合終了6分弱でスコアを31対24に縮めます。

ワシントン州立大は残り3分45秒の時点で再び攻撃権を得ますが、ヒリンスキーは自陣から敵陣へボールを進めることができず残り3分でパントを余儀なくされますが、このパントがボイジー州立大のレイド・ハリソン・デュクロス(Reid Harrison-Ducros)に触れ、それをワシントン州立大のディロン・シャーマン(Dillon Sherman)がリカバー。土壇場でワシントン州立大に同点のチャンスが訪れます。そして残り1分44秒の時点でヒリンスキーからジャマル・マロー(Jamal Morrow)への6ヤードTDパスが決まり、21点あった点差を終盤10分弱で縮めて試合を延長戦へと持ち込みます。

オーバータイムではFGとTDを奪い合い迎えた3度目のOT。ボイジー州立大がFGを決め田ところ、後攻のワシントン州立大はヒリンスキーが再びマローへのパスTDを決め逆転勝利。最大21点差あった試合をひっくり返してみとごホームで勝利を奪いました。何が起こるかわからない、そんなカレッジフットボールの醍醐味をこの試合に見たような気がします。