第14週目の見どころ

各カンファレンスで優勝決定戦が行われることから、今週は「チャンピオンシップウィークエンド」と謳われ、所属するリーグの頂点に立つための最後の戦いが繰り広げられます。またカレッジフットボールプレーオフ(CFP)レースを争う上位数チームにとっては全米チャンピオンを争うためのプレーオフ進出を賭けて負けられない週末となります。多くのチームがこの日のために来る日も来る日も練習を重ね、実戦を掻い潜ってきた言っても過言ではありませんから、その集大成とも言える今週末は見逃せない試合が盛り沢山です。

ジョージア大vsアラバマ大

全米1位のアラバマ大が無敗のままCFPに進出するため、今週末SEC優勝決定戦ジョージア大を迎え撃ちます。ご存知かと思いますが、この両チームは昨年度のナショナルチャンピオシップゲームで激突し、オーバータイムの末アラバマ大が26対23という僅差のスコアでジョージア大を倒し全米制覇を成し遂げました。今回はそのリマッチということになります。

今季のアラバマ大はハイズマントロフィー最有力候補と言われるQBトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa)が指揮するハイスコアオフェンスを擁します。今シーズン彼らの1試合平均得点数は全米2位となる49点。一方で失点数は全米3位の13.8点ということで、攻めてよし守ってよしというつけ入る隙きのないチームです。

タガヴァイロアはこれまでのアラバマ大には居なかった、相手ディフェンダーを散らすことが出来るパサー。ここまで3189ヤードに36TDを奪う活躍を見せていますが、何と言ってもここまで犯したINT数がたったの2個。正確なパスとポケットの中で我慢できる冷静さ、そして自滅しない精神力と今季を代表する選手に育ちました。

ディフェンス面ではパスディフェンスが全米10位、ランディフェンスが15位とこちらもトップクラス。またQBサック数は全米5位となる40個を獲得しており、相手OLおよびQBにとっては脅威となります。

一方のジョージア大は今季開幕から常にトップ10位内を維持。一番いいときには2位にまで上り詰めた強豪チームです。唯一ランクを下げたのは第7週目にルイジアナ州立大に敗れた時のみ。彼らの平均得点数は全米13位となる40.1点。そして彼らのアイデンティティでもあるランオフェンスでは全米11位となる1試合平均259.8ヤードという数字を残しています。

昨年の準優勝チームからソニー・ミシェル(Sony Michel、現ニューイングランドペイトリオッツ)、ニック・チャブ(Nick Chubb、現クリーブランドブラウンズ)というツインタワーを失いましたが、ジョージア大のランアタックは衰えるどころかさらに進化しています。それを支えるのはデアンドレ・スウィフト(D’Andre Swift)とイライジャ・ホリフィールド(Elijah Holyfield)の新コンビで、二人の活躍で全米11位のランオフェンスを構築しています。

オフェンスの司令塔であるQBジェイク・フローム(Jake Fromm)は派手さはなくとも非常に安定した頼れるQB。犯したINTパスも5つとタガヴァイロアには及ばないものの、全米レベルで言えばエリートクラスです。

またアラバマ大でDCとして手腕を発揮した、ジョージア大のカービー・スマート(Kirby Smart)監督直伝の強力ディフェンスもチームの売りです。失点数は平均17.2点で全米10位、トータルディフェンスも12位とアラバマ大と肩を並べられる実力を持っています。敢えて指摘するならばQBサック数は20個(アラバマ大の半分)、ディフェンスが奪ったINTパスの数もたったの6個(アラバマ大は14個)というところでしょうか。

全米トップ10クラスのディフェンスを誇る2チームが激突するSECタイトルゲーム。ですからいかに両チームが1試合平均40点以上を誇るオフェンスを持っていたとしてもハイスコアゲームにはならないのではないでしょうか。やはり注目はタガヴァイロアのオフェンスをジョージア大ディフェンスがどれだけ防げるか、にかかっているのではないでしょうか。それ次第で試合はどちらにも傾くと思いますし、彼の出来がハイズマントロフィーを受賞できるかどうかにも関わってくると思うからです。

ジョージア大のリベンジなるか?はたまたアラバマ大が無敗でプレーオフに乗り込むか?

テキサス大vsオクラホマ大

全米5位のオクラホマ大はプレーオフレースでちょうど外側にいるチームですが、それはレギュラーシーズン中に1敗してしまっているからです。その唯一の敗戦を喫してしまったのが今週末対戦するテキサス大。ライバル関係にある両チームが史上初めて同シーズン中のリマッチを行うことになったこのBig 12カンファレンス優勝決定戦。果たして勝利の女神はどちらに微笑むでしょうか。

レッドリバーの戦い」で48対45という僅差でテキサス大に敗れたオクラホマ台ですが、その後はすぐに立ち直り6連勝でここまでたどり着きました。その快進撃を支えるのが1試合平均得点50.3点というハイパワーオフェンス。そしてその中核を担うのがハイズマントロフィー候補QBカイラー・マレー(Kyler Murray)です。ここまで3674パスヤードに37TD(7INT)という数字を残しているマレーですが彼の活躍度は数字からは決して読み取ることは出来ません。QBレーティングで全米トップのマレーは投げても走っても相手ディフェンスを崩せる選手。アラバマ大のタガヴァイロアとハイズマントロフィーレースを争っているマレーですが、タガヴァイロア有利といわれるなかマレーの活躍を見れば彼が賞を受賞したとしても文句を言う人は居ないでしょう。

ただオクラホマ大のアキレス腱となっているのはディフェンスです。トータルオフェンスで全米1位を誇る攻撃陣を擁しながら、ディフェンスはトータルで111位という不甲斐なさ。故に11勝1敗ながら相手に簡単に40点も献上してしまっているのです。

逆に言えばそんなディフェンス陣であるにも関わらず全米5位につけているのはひとえにマレー率いるオフェンス陣が大量失点をもカバーできるほどの得点力を持っているからなのです。

一方のテキサス大は9年ぶりのBig 12カンファレンスタイトルを目指してなりふり構わずライバルであるオクラホマ大を倒してくるでしょう。彼らにとってはすでにCFP進出の道は閉ざされてしまっていますから、もう失うものは何もないのです。

2年目のトム・ハーマン(Tom Herman)監督は確実に古豪を復活の道へと導いています。チーム力はオフェンスディフェンスで中の上といった感じ。平均得点は31点(46位)、パスヤードは平均257ヤード(38位)、ランヤードは平均156ヤード(89位)。トータルディフェンスも63位ということでオクラホマ大と比べるとオフェンスの面で特に見劣りしてしまうのは否めません。

テキサス大がオクラホマ大に勝つには前回のように点取合戦に付き合ってそれに打ち勝たなければなりません。マレーのオフェンスをテキサス大が簡単に止められるとは思えませんから、QBサム・エリンガー(Sam Ehlinger)の体を張ったプレーがこの試合でも必要とされそうです。が、彼はすでに肩に怪我を負いながら今シーズンを乗り越えてきた選手。彼が本調子でなければテキサス大の9年ぶりの栄冠は遠くなることでしょう。

テキサス大はあらゆる手を使ってオクラホマ大を攻略してくるはずです。オクラホマ大は勝てばCFP出場への望みを繋ぎます。テキサス大はライバルの夢のシーズンを止めることが出来るでしょうか?

ノースウエスタン大vsオハイオ州立大

Big Tenカンファレンス優勝決定戦は東地区代表のオハイオ州立大と西地区代表のノースウエスタン大で争われることになりました。

オハイオ州立大はシーズン開幕前からアシスタントコーチ絡みのスキャンダルによりアーバン・マイヤー(Urban Meyer)監督が3試合の謹慎処分に処されるというショッキングな出だしを強いられました。そして中盤にはパデュー大に大敗し、その当たりからマイヤー監督の健康状態が心配されるようになり、さらにパデュー大戦後もネブラスカ大、ミネソタ大、インディアナ大、メリーランド大と接戦を演じ、オハイオ州立大らしからぬチーム状態が続いていました。

しかしシーズンフィナーレのミシガン大で彼らのポテンシャルが爆発。今季全米でもトップクラスのディフェンスを持つミシガン大から62点も奪い、ミシガン大オフェンスにもリズムをつかむ魔を持たせないほどオハイオ州立大ディフェンスがその力を発揮し、見事にライバルゲームで勝利。その勝ち方からして今までの不完全燃焼ぶりを打ち消してくれるようなゲームを披露してくれました。

この勝利のお陰で彼らは最新のCFPランキングで6位にまで浮上。そして今週末のカンファレンスタイトルゲームの結果および上位4チームの動向によってはオハイオ州立大にもプレーオフ進出のチャンスが残されたのです。

ノースウエスタン大は開幕戦の西地区レース予想では枠外で、大本命のウィスコンシン大そしてそれを追うアイオワ大という構想がすでに出来上がっていました。しかしウィスコンシン大がずっこけるとその隙きを狙って地区制覇すると思われていたアイオワ大も肝心な時に敗戦。それらをよそ目に大外から巻いてきたのがノースウエスタン大でした。

彼らはシーズン序盤にすでに3敗しておりこの時点で彼らのシーズンは終わったと誰もが思ったことでしょう。しかしその後は着実に勝ち星を重ね、結局カンファレンス戦で敗れたのはミシガン大(20-17)のみで、8勝1敗という素晴らしいリーグ戦績を残しました。しかもアウェーで滅法強いところをみせ、なんと5勝0敗と負け無し。終わってみれば8勝4敗とシーズン開幕時には想像もできなかった結果を残したのです。

地力の差を見ると明らかにオハイオ州立大のほうが有利そうです。QBドゥウェイン・ハスキンズ(Dwayne Haskins)はハイズマン級の活躍を見せてきており、チーム内でもパス成功数、パス回数、パスTD数、1シーズンのトータルパスヤード、パス成功率、トータルオフェンスの部門ですでにハスキンズがチーム新記録を今年樹立しています。

そんなパスに秀でているハスキンズはノースウエスタン大にとって天敵です。というのも彼らのパスディフェンスは1試合平均238ヤードで現在全米79位ということで、パスディフェンスが割りと苦手だからです。

さらにノースウエスタン大のオフェンスも数字的に言えば爆発力のあるユニットではありません。1試合に獲得する平均ヤード数は全米111位と下から数えたほうが早いくらいですし、1試合平均得点数も108位(23.7点)ということで彼らは点を取り合って勝ってきたというわけではありません。しかもQBクレイトン・ソーソン(Clayton Thorson)のメインターゲットであるWRフリン・ナイジェル(Flynn Nagel)は怪我のためこのオハイオ州立大戦に出場できるかは微妙ということで、さらに状況を悪くしています。

ただやはり西地区のレベルが東地区と比べると格段に落ちていたとはいえ、カンファレンス戦で8勝1敗という数字はそう簡単に残せるものではありませんし、パット・フィッツジェラルド(Pat Fitzgerald)監督の指揮のもと、ディフェンスはあらゆる手をつくしてオハイオ州立大のハイパワーオフェンスをスローダウンさせることでしょう。

もしオハイオ州立大がミシガン大戦で見せたような有無を言わさぬ強さをこの試合でも披露することが出来れば、ノースウエスタン大は彼らの敵ではないでしょう。しかしミシガン大戦というオハイオ州立大選手たちにとって最大のゲームに勝ったことで気が抜けたりしていたとして、パデュー大戦やインディアナ大戦、メリーランド大戦で見せたようなチグハグなゲームをこの試合でも見せてしまったとすれば、ひょっとしたらノースウエスタン大に付け入る隙きが出来るかもしれません。

クレムソン大vsピッツバーグ大

ACC(アトランティックコーストカンファレンス)クレムソン大に対抗するはずだったマイアミ大バージニア工科大に加え、フロリダ州立大ルイビル大などいつもならランキング入りしているのが普通なチームが次々と失速し、結局カンファレンス内でクレムソン大に対抗できるチームは現れませんでした。

大西洋地区を楽勝で勝ち抜いたクレムソン大に今回対抗するのはマイアミ大やバージニア工科大の失速によって混沌となった海岸地区を制したピッツバーグ大。ですが、正直ピッツバーグ大がクレムソン大のような攻守ともに全米トップレベルのチームに太刀打ちできるとは思えません。

トータルオフェンスで全米3位、トータルディフェンスで7位のクレムソン大にたいしてピッツバーグ大はトータルオフェンスが80位、トータルディフェンスが69位とカンファレンスタイトルゲームとしてはチーム力に差がありすぎています。

ACC優勝決定戦ではありますが、クレムソン大の圧勝で彼らのCFP進出に華を添えることになるのではないでしょうか。

ユタ大vsワシントン大

パワー5」カンファレンスとしてCFPレースにおいて唯一すでに所属チームの進出の可能性がなくなってしまったPac-12カンファレンス。これで2年連続カンファレンスはチームをプレーオフに送り出すことに失敗してしまいました。しかし今回のカンファレンスタイトルゲームは勝者が歴史あるローズボウルに出場できるとあって、ユタ大ワシントン大双方にとってこの試合を行う意義は十分にあります。

ワシントン大はカンファレンス内で唯一CFP進出の可能性が残されていたライバル・ワシントン州立大を最終戦で倒したことで彼らをCFPレースから叩き落としただけでなく、北地区を制して3年連続でタイトルゲームに進出を果たしました。南地区では共食いを続けて地区レースを抜け出すチームがなかなか出てこない中、終盤にユタ大が3敗を守って彼らにとって初の優勝決定戦出場を決めました。

両チームともディフェンス面では秀でていて、失点数でユタ大が全米16位、ワシントン大が10位で相手に点を取らせないディフェンスが強みです。一方でオフェンス面ではユタ大が得点数が平均30点なのに対してワシントン大が28点ということでどちらも中の上といった感じ。

キーポイントはワシントン大のエリートRBマイルズ・ガスキン(Myles Gaskin)と全米5位というユタ大のランディフェンスとのマッチアップです。特に最近3試合だけで見るとガス金は1試合平均151ヤードを足で稼いでおり、ガスキンがユタ大ディフェンスを掻い潜れるか、もしくはユタ大ディフェンスがガスキンを食い止めることが出来るかで試合の流れが決まるかもしれません。

その他のゲーム

メンフィス大vsセントラルフロリダ大

現在CFP8位のセントラルフロリダ大アメリカンスレティックカンファレンス(AAC)のタイトル、そして僅かながら残されたCFP出場のチャンスをかけてメンフィス大と対決します。

ここまで24連勝中のセントラルフロリダ大ですが、その原動力となっているQBマッケンジー・ミルトン(McKenzie Milton)は先週のサウスフロリダ大戦で膝に大怪我を負い、今季残りの試合出場は絶望的となりました。これはセントラルフロリダ大にとっては非常に痛い損失となります。ミルトンが出場できない以上彼らはオフェンス面での戦略の練り直しを余儀なくされるでしょうし、そうなればこれまでのダイナミックなオフェンスが披露できるかどうかは疑問です。

メンフィス大は今季のRBの中でも5本の指に入ると言われるダレル・ヘンダーソン(Darrell Henderson)が健在。ランヤードの1699ヤードは全米2位、TD数19個も同じく全米2位(タイ)と大活躍。今回の試合でも彼を中心としたボールコントロールの試合を展開してくることでしょう。

シーズン中に対戦した際には31対30という超僅差でセントラルフロリダ大が逃げ切りましたが、ミルトンの不在が今回の再戦でどう響くか。セントラルフロリダ大の夢のシーズンがここで終わるのかそれとも続いていくのか、見ものです。

ミドルテネシー州立大vsアラバマ大バーミンガム校

カンファレンスUSA優勝決定戦。

バッファロー大vsノーザンイリノイ大

ミッドアメリカンカンファレンス優勝決定戦。

フレズノ州立大vsボイジー州立大

マウンテンウエストカンファレンス優勝決定戦。

アパラチアン州立大vsルイジアナ大ラフィエット校

サンベルトカンファレンス優勝決定戦。

マーシャル大vsバージニア工科大

現在5勝6敗のバージニア工科大は9月のハリケーンの影響でキャンセルとなったイーストカロライナ大の代わりにマーシャル大との試合を急遽マッチアップしました。それもこれも6勝目を挙げてボウルゲーム出場資格を獲得するためです。先週バージニア大に敗れていればボウルゲーム出場は不可能になっていましたため、この試合をするつもりはなかったそうです。ですからここまでしたからにはバージニア工科大は負けることは許されません。そしてもし敗退してボウルゲーム出場資格を逃すと、連続ボウルゲーム出場記録25回という記録がストップしてしまいます。ジャスティン・フエンテ(Justin Fuente)監督としては自分の代でその偉大なる記録が途絶えるという汚点を残したくはないのでしょうね。

スタンフォード大vsカリフォルニア大

この試合は元々選手行われる予定でしたが、カリフォルニア州で起きていた山火事のせいで今週末に延期になっていました。この2チームはライバル関係にあり、このマッチアップは「ビッグゲーム」という異名を持っています。そしてやはり忘れられないのは1982年のマッチアップ。残り4分からのカリフォルニア大の奇跡の連続ラテラルパスで逆転TD。フィールドには勝利を確信したスタンフォード大ファンやマーチングバンドが溢れる中でのこの逆転劇はカレッジフットボール史でも長く語り継がれる「珍プレー」です。

ここまでスタンフォード大が7連勝しているこのカードですが、カリフォルニア大は今年2年目となるジャスティン・ウィルコックス(Justin Wilcox)監督の指揮下確実に力を付けており、今年スタンフォード大の8連勝目を阻止できるか注目されます。

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