平穏!【第12週目レビュー】

平穏!【第12週目レビュー】

今季12週目となった先週は特に大きなアップセットもなく穏やかに過ぎ去っていきました。それは今週末のライバリーウィークエンドを迎えるに当たる嵐の前の静けさのようです。最終局面に向けて最終調整したチーム、もう負けることは出来ないチーム、そして奇跡を願うチームと様々でした。今回は先週のレビューを広く浅くカバーしてみたいと思います。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

#1 アラバマ大、マーサー大 0

毎年アーバン大戦との最終戦前には世に言う「カップケーキ」チーム(さくっと食べられてしまうカップケーキになぞり、超格下の対戦相手を指す言葉)と対戦を組むアラバマ大。今年はマーサー大と「対決」しますが、これまでけが人続出のアラバマ大にとってはこの試合でそういった選手らを温存することができ、来週の「アイロンボウル」に向けて絶好の調整が出来たに違いありません。

#2 クレムソン大、シタデル大

クレムソン大もアラバマ大と同じく「カップケーキ」チームのシタデル大相手にこれを一蹴。来週の州内ライバル・サウスカロライナ大との試合に備えました。

#3 マイアミ大 44、バージニア大 28

マイアミ大バージニア大に対して苦労することもなく白星を挙げられると考えていたかもしれませんが、彼等にリードされる展開に。しかしなんとか途中逆転して足元をすくわれるという悲劇をまのがれました。

#4 オクラホマ大 41、カンザス大 3

試合前にカンザス大キャプテンらがオクラホマ大QBベーカー・メイフィールド(Baker Mayfield)の握手を拒否してメイフィールドの逆鱗に触れ、彼が怒りのパフォーマンス。カンザス大の選手たちはメイフィールドをそっとすべきでしたね。

#5 ウィスコンシン大 24、#24 ミシガン大 10

スケジュールの弱さが足を引っ張っていると言われているウィスコンシン大は先週ランクインしてくれたミシガン大をホームで撃退し11勝目を挙げました。ミシガン大の1年生QBブランドン・ピーターズ(Brandon Peters)はウィスコンシン大ディフェンス相手になかなかのプレーを見せていましたが、第3Q終盤に敵ディフェンダーにタックルされて激しくフィールドに叩きつけられてノックアウト。近くの病院に大事をとって運ばれる不運に見舞われます。ミシガン大はこの時点で4点差まで迫っていましたが、ピーターズ不在になるとそれ以降オフェンスはたったの24ヤードした奪えず撃沈。

#6 アーバン大 42、ルイジアナ大モンロー校 14

アーバン大もアラバマ大、クレムソン大と同じく「カップケーキ」を美味しくいただいたようです。

#7 ジョージア大 42、ケンタッキー大 13

先週アーバン大にまさかの大敗を喫した元全米1位のジョージア大でしたが、その敗戦のショックはこのケンタッキー大戦では微塵も見せないパワフルなパフォーマンス。ランオフェンスは合計で381ヤードと相手ディフェンスを蹂躙し、またディフェンスもケンタッキー大相手に262ヤードしか許さない鉄壁さを披露。プレーオフ進出への希望を繋ぎました。

#8 ノートルダム大 24、海軍士官学校 17

悪天候の中行われたノートルダム大海軍士官学校の恒例ゲーム。海軍士官学校は60分中42分以上も攻撃権を維持し続け、奪ったファーストダウンも23個と序盤からアイリッシュにプレッシャーをかけ続け、またQBブランドン・ウィンブッシュ(Brandon Wimbush)が次々とターゲットを外すなどしてノートルダム大は苦戦をしいられました。しかし後半に落ち着きを取り戻しノートルダム大がなんとか勝利。先週マイアミ大に敗れ事実上プレーオフレースから脱落した彼らが意地の勝利を挙げました。

#9 オハイオ州立大 52、イリノイ大 14

全米9位のオハイオ州立大イリノイ大に対し無難に大勝。そしてミシガン大が敗れたために最終戦を待たずにカンファレンス東地区優勝を飾り、2週間後の優勝決定戦でウィスコンシン大と対決することが決まりました。

#10 ペンシルバニア州立大 56、ネブラスカ大 44

シーズン前半ハイズマントロフィーレースで独走態勢を築いていたペンステートRBセイクワン・バークリー(Saquon Barkley)ですが、後半に入ると意気消沈。敗戦したオハイオ州立大戦とミシガン州立大戦ではその存在感が薄れてしまうほどでしたが、このサイトでも触れたようネブラスカ大戦ではコーチ陣がバークレーを多用し、その結果前半だけで208ヤードを稼ぐ活躍。TDも3つ獲得しこれで彼がペンステートの最多ランTD数新記録(39)を樹立。おそらくハイズマントロフィーの授賞式に招待されることは確実ですから、それに華を添える結果となりました。

#11 サザンカリフォルニア大 28、UCLA 23

この試合は未来のNFLドラフトの星であるQBサム・ダーノルド(Sam Darnold、サザンカリフォルニア大)とジョシュ・ローゼン(Josh Rosen、UCLA)が合間見える試合として注目されました。試合の結果は上のようにサザンカリフォルニア大に軍配が上がりましたが、QB対決としてはローゼンに軍配が上がったと言えそうです。サザンカリフォルニア大よりもタレントの質で劣るUCLAの攻撃陣を指揮し421パスヤードに3TDを記録。チームのランアタックが不発でディフェンスもダーノルドらを止められない中孤軍奮闘していました。試合を分けたのは不運なパスINT。しかしそれでもローゼンのドラフトの株をあげるには十分でした。ただ、試合に負けただけでなく監督のジム・モーラ(Jim Mora)氏が解雇される結果になってしまいました。

#12 テキサスクリスチャン大 27、テキサス工科大 3

テキサスクリスチャン大の先発QBケニー・ヒル(Kenny Hill)が怪我(脳震とう)で不在の中行われたこの試合、テキサス工科大が先制のFGを決めテキサスクリスチャン大に嫌な雰囲気が流れましたが、結果的に失点したのはこの3点のみであとはテキサスクリスチャン大がそのディフェンス力でパス重視のテキサス工科大をシャットアウト。カンファレンスタイトルゲーム進出への道をつなぎました。

カンザス州立大 45、#13 オクラホマ州立大 40

2週間前までBig 12カンファレンスタイトルゲーム出場も夢ではなかったオクラホマ州立大ですが、オクラホマ大との点取り合戦に敗れると、アイオワ州立大に49対42で辛くも勝ち星を拾い、迎えた先週のカンザス州立大戦では上のようなハイスコアゲームでこの試合を落としてしまいました。オクラホマ州立大が大量得点できるチームであることは承知の事実ですが、同じように知られているのはディフェンスがザルであること。4試合前のウエストバージニア大との試合での39失点を足せば過去4試合でトータル188失点、1試合平均47失点ということでこれではさすがにいつかボロが出るというもの。大舞台で結果が残せないというオクラホマ州立大の悪しき慣習がまた出てしまいました。

#15 セントラルフロリダ大 45、テンプル大 19

グループオブ5」の希望の星であるセントラルフロリダ大テンプル大を上記のスコアで粉砕。無敗街道まっしぐらで10勝目を挙げました。確かに彼らのストレングスオブスケジュールはトップ4チームのものとは比べ物にならないほど弱いですが、それでも5位のウィスコンシン大とどっこいどっこいという数字も出ています。全米トップのスコアリングを誇るセントラルフロリダ大は来週APランキング22位のサウスフロリダ大、そしてカンファレンスタイトルゲームでは21位のメンフィス大と対決。果たして彼らへどれだけの評価がCFP選考委員会から下されることになるでしょうか・・・。

テキサス大 28、ウエストバージニア大 14

ウエストバージニア大はQBウィル・グリアー(Will Grier)を指の怪我で失うとテキサス大に主導権を奪われ失速。全米11位となる1試合平均39得点を誇るグリアー率いるオフェンスですが、報道によるとこの指の怪我の完治まで4週間はかかるということでチームにとっては大きな痛手となってしまいました。

フロリダ州立大 77、デラウェア州立大 6

先週まで3勝6敗で1試合でも落とせばボウルゲーム出場権を失うという、長いフットボール部史上で大きな汚点となりかねない状況にあるフロリダ州立大ですが、この日は格下「カップケーキ」チームのデラウェア州立大に77点を奪い快勝。ボウルゲーム出場資格を獲得するのにあと2勝と迫りました。それにしても全米3位だったフロリダ州立大の目標が6勝を(やっとこ)挙げてボウルゲーム(しかも下部レベルの)出場権を得ることになるとは一体誰が想像したでしょう。

ルイジアナ州立大 30、テネシー大 10

ブッチ・ジョーンズ(Butch Jones)氏が監督の座から引き下ろされて以来最初の試合となったテネシー大ルイジアナ州立大に完敗。しかし以前よりもディフェンス陣がルイジアナ州立大相手に戦う姿勢を見せていたことは評価されてもいいかもしれません。何れにしても彼らは未だカンファレンス戦全敗中。もし来週のヴァンダービルト大戦で敗れれば創部史上初カンファンレンス戦で勝ち星がないという最大級の汚点となってしまいます。

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