第12週目の見どころ

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いよいよ今シーズンも佳境に入ってきましたが、来週のライバリーウィークを目前として今週は嵐の前の静けさとばかりにそこまでビッグマッチが見当たりません。が、上位チーム達は対戦相手が誰であろうが、この終盤での1敗は命取りとなるため気を抜くことはできません。

ミシガン大@ウィスコンシン大

ミシガン大は現在8勝2敗ですが、驚くなかれ彼らが対戦して負かしたチームは全て現在まで勝ち越していないという事実があります。つまり彼らのストレングスオブスケジュールは極めて脆弱であり、それはおそらくウィスコンシン大のものよりも劣るものです。ですからミシガン大に未だカンファレンス優勝の可能性が残され、それを奇跡的に成し遂げて11勝2敗という戦績を残せたとしても、そのスケジュールのせいでプレーオフ進出の声がかかることはまずないと言っていいでしょう。しかし彼らにとってウィスコンシン大、そしてその次のオハイオ州立大を倒すことは、憎きライバル達の夢のプレーオフ進出を阻止するという、またとないモチベーションを生むことにも繋がっています。

ウィスコンシン大は未だに無敗でCFPランキングで5位につけています。先週はアイオワ大オフェンスをたったの66ヤードに抑え込み、奪われたファーストダウン数もたったの5つと圧倒。またミシガン大も強力なディフェンスを誇るチームでありますが、彼らの足を今シーズン引っ張っているのはパンチ力に欠ける攻撃陣。オフェンス思考のHCであるジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督率いるチームとしては意外な穴ではありますが、一方のウィスコンシン大オフェンスもQBアレックス・ホーニブルック(Alexi Hornibrook)を中心としたパスオフェンスには少々の不安を覚えます。

勝負の鍵はどちらのオフェンスが相手ディフェンスから点をより多くとれるかにかかっています。ウィスコンシン大はすでにカンファレンス西地区を制していますので、この試合の結果に関わらずカンファレンスタイトルゲームに進出することは決まっていますが、負けてしまえばその時点でおそらく彼らのプレーオフ進出の夢も弾けてしまいます。よって彼らにとっては絶対に負けられない試合です。

マーサー大@アラバマ大

アラバマ大は例年最終戦のアーバン大との「アイロンボウル」の前週に格下チームとの試合を組み、これを大舞台の調整ゲームとしてきました。現在の彼らにとっては怪我人が続出しているディフェンス陣に休養を与えるという意味で今年のこの調整ゲームは今まで以上に非常に助かるマッチアップと言えるでしょう。特に来週のアーバン大戦は地区優勝だけでなくプレーオフ進出をかけても非常に重要な試合になり、また開催地がアウェーであるため満身創痍のアラバマ大としては是非ともこのマーサー大戦を利用してアーバン大戦に備えたいところです。

バージニア大@マイアミ大

マイアミ大は先週3位のノートルダム大との今シーズン最大の試練を乗り越え最新のランキングでいよいよ3位にまで上昇してきました。このノートルダム大戦を制することができたことは今季のマイアミ大の集大成とも言える結果ではありますが、一方でシーズンはまだ終わっていません。このように大舞台を制した翌週の試合には魔物が住んでいると言われることもよくあります。例えばペンシルバニア州立大(当時2位)に1点差で競り勝って貴重な勝利をあげたオハイオ州立大はその翌週となるアイオワ大戦で大敗したケースも今シーズン見られました。マイアミ大もその落とし穴に落っこちないか心配です。

普通に考えれば今のマイアミ大がバージニア大に負けることは考えられません。しかしマイアミ大がすでに二週間後のクレムソン大とのカンファレンスタイトルゲームに気を取られていると足元をすくわれかねません。

バージニア大は今シーズン2季目となるブロンコ・メンデンホール(Bronco Mendenhall)監督体制下確実に進歩を遂げているチーム。2012年以来5シーズン連続負け越しが続いていましたが、今シーズンはこれまで6勝4敗でボウルゲーム出場資格を獲得しました。メンデンホール監督は2005年から2015年までブリガムヤング大で監督を務め、11年間で99勝43敗としさらに11年連続チームをボウルゲームへ引率しています。そんな堅実な監督に率いられすでにその成果を発揮しつつあるバージニア大をマイアミ大が甘く見るようでは危険です。

ルイジアナ大モンロー校@アーバン大

アーバン大は先週1位のジョージア大を完膚なきまでに倒してその存在感を全米中にアピールすることに成功しました。オフェンス・ディフェンス双方で相手を圧倒した試合展開は現時点で全米中でもっとも勢いに乗るチームであるとファンにだけでなくCFP選考委員会にもアピールするには十分でした。

今週末の対戦相手であるルイジアナ大モンロー校はアーバン大にとって取るに足らない相手であることは確かです。この試合は上記にも挙げたアラバマ大と同じように、「アイロンボウル」へ向けた調整ゲームとしては絶好の試合です。これまで向上させてきたチームの勢いを殺すことなく、最高の状態で宿命のライバルとの対戦に備えることが今のアーバン大の最大のタスクとなるでしょう。

ケンタッキー大@ジョージア大

先週アーバン大に手も足も出ず全米首位から陥落して7位まで後退したジョージア大。しかし彼らにとってCFP出場の道は閉ざされたわけではなく、SECタイトルゲームに出場が決まっている彼らはまだこの敗戦を取り戻せるだけのチャンスが残っています。

そのためにはまずアーバン大戦での敗戦から立ち直ることが先決ですが、そのリハビリとして今週のケンタッキー大戦は絶好の対戦相手です。今季7勝3敗と近年ではかなり大成しているケンタッキーではありますが、地力で勝るジョージア大ならば普通に戦えば負けるような相手ではありません。再びランクでトップ4を狙うのであれば先週の大敗に落ち込んでいる暇はありません。このケンタッキー大戦でこれまで積み上げてきた自信と勢いを取り戻してカンファレンスタイトル戦につなげていきたいところです。

ミシシッピ州立大@アーカンソー大

先週あと少しというところでアラバマ大に土をつけ損ねたミシシッピ州立大。大変いい試合展開を披露し、最後までアラバマ大を苦しめましたが、一方であと少しで勝てたのに・・・というある程度の失望感もチームには漂っていることでしょう。そこから脱出するためには今週のアーカンソー大戦は絶好のマッチアップです。

アーカンソー大は今季1試合平均35失点を犯してきている不調続きのチームです。アラバマ大戦でも証明できたようにミシシッピ大のランアタックは強力なディフェンス相手にも十分通用する破壊力を持っていますから、アーカンソー大ディフェンス相手なら彼らは地上戦力だけで蹂躙することが可能でしょう。

アーカンソー大は先日体育局長であるジェフ・ロング氏を解雇したばかり。これはブレット・ビルマ(Brett Bielema)監督解雇の布石との味方が強いため、これ以上大敗するようなことがあればそれが現実のものとなってしまうでしょう。

セントラルフロリダ大@テンプル大

先ほど全米でももっとも勢いに乗るチームとしてアーバン大を挙げましたが、彼らに勢いが付いてきたのはルイジアナ州立大に敗戦した中盤以降のこと。しかし彼らよりもシーズンを通して勢いに乗り続けているのはセントラルフロリダ大です。「グループオブ5」という中堅カンファレンスの一つに数えられているアメリカンアスレティックカンファレンス(AAC)所属のセントラルフロリダ大は現在まで9戦全勝中。今季2年目となるスコット・フロスト(Scott Frost)監督は今もっとも全米で注目される若き指揮官です。すでに「パワー5」と呼ばれる上位カンファレンスの多くのチームから熱視線を受けているフロスト監督の今季後の進退にも注目されていますが、もちろん彼を含めチームはこの快進撃を止める気は毛頭ありません。

現在FBS(フットボールボウルサブディビジョン)でトップとなるスコアリングオフェンスを提げるセントラルフロリダ大はアラバマ大マイアミ大ウィスコンシン大と並び全米で未だ無敗である4チームのうちの一つ。CFPランキングでは15位ですが、ストレングスオブスケジュールだけ見ればウィスコンシン大とのそれとなんら相違ないものであり、彼らがもっと評価されてもいいのでは?という声も多く聞かれます。

10勝目を狙うその対戦相手はテンプル大。今のセントラルフロリダ大ならば彼らを蹴散らすのはわけないでしょう。このままいけばセントラルフロリダ大はカンファレンスタイトルゲームで現在21位のメンフィス大と相見えることになりそうです。彼らが無敗の11勝0敗でレギュラーシーズンを終えた時、CFP選考委員会が彼らをどこまでランキングで上昇させてくるのかにも興味がわくところです。

ネブラスカ大@ペンシルバニア州立大

シーズン後半戦のオクラホマ大QBベーカー・メイフィールド(Baker Mayfield)の大活躍の陰で前半戦にハイズマントロフィーレースで独走を続けてきたペンシルバニア州立大RBサクオン・バークレー(Saquon Barkley)の株は落ち続けています。前半にあらゆる面でチームのオフェンスの主軸として大車輪の活躍をしてきたバークレーですが、後半に入るとなぜか彼にボールを集める頻度が減り、結果オハイオ州立大戦では試合開始時のキックオフリターンTD以外は特に活躍する場面は後半になるまで見られず、もう一つの敗戦ゲームであるミシガン州立大戦ではその存在感すら薄れてしまう有様。結果シーズン後半に彼の活躍する姿や、目を疑うような数字を残すことはなくなり、ジェームス・フランクリン(James Franklin)監督らコーチ陣がバークレーのハイズマントロフィーのチャンスを潰したとまで言われる有様。

正直今年のハイズマントロフィー勝者はバークレーでまず間違い無いという感じがしますが、もしバークレーが前半戦に見せたようなセンセーショナルなプレーを見せたいのであれば残り2試合で彼の存在感をアピールする必要があります。ペンシルバニア州立大はすでにカンファレンスタイトル戦出場の道は立たれ、プレーオフ進出も逃す展開になっているのですから、せめて残りの試合はバークレーに少しでもハイズマントロフィー受賞のチャンスを与えてあげられるようなオフェンスを敷いてほしいものです。

オクラホマ大@カンザス大

今シーズン未だカンファレンス戦で勝ち星のないカンザス大に全米4位のオクラホマ大が負けるなんてことはまず考えられませんから、この試合の注目は上にも挙げたハイズマントロフィーレース最有力候補であるQBベーカー・メイフィールドがどれだけの活躍をすることができるかに注目が集まります。この試合を含めて残り3試合で彼がその存在感を示すチャンスが残されており、また大舞台になればなるほどその力を解放できるメイフィールドがこの後に及んでスランプに陥ることは考えられません。弱小(失礼!)カンザス大に対してメイフィールドがどれだけすごい数字を残せるかに期待がかかります。

ルイジアナ州立大@テネシー大

今週ついにブッチ・ジョーンズ(Butch Jones)監督を解雇し、それ以来初の試合を迎えるテネシー大。ジョーンズ元監督の後を継いだのはブレディ・ホーク(Brady Hoke)臨時監督ですが、今週は全米20位の強豪・ルイジアナ州立大をホームに迎えます。

ルイジアナ州立大のエド・オルジェロン(Ed Orgeron)監督といえばこれまでサザンカリフォルニア大とルイジアナ州立大で臨時監督を務めてきた経験がある人物であり、おそらく今ホーク臨時監督がどのような心境であるかを身にしみて理解できる張本人であるに違いありません。シーズン途中で監督が解雇されるというのは、仕方がない状況だとしてもそれはチーム・選手たちとしては大変な変化を強いられることです。オルジェロン監督は臨時監督から正監督に昇格した経験を経ていますが、ホーク臨時監督は何よりも残り2試合を今年で卒業する4年生たちのために捧げたいと話し、自分が正式にテネシー大の監督になるかどうかは今のところ気にかけていないようです(もっとも報道からすれば彼にそのチャンスがあるとも思えませんが)。

その対戦相手のルイジアナ州立大は全米でもトップレベルのRBダリウス・ガイス(Derrius Guice)擁していますが、対するテネシー大のランディフェンスは全米レベルで言えば下から数えた方が早いような軟弱ユニットです。ただジョーンズ氏がチームを去ったことがカンフル剤となりディフェンスに新たな息吹を吹き込むことができるか・・・。

フロリダ大ジム・マクエルウェイン(Jim McElwain)氏を解雇しランディ・シャノン(Randy Shannon)氏を臨時監督に指名してなんとか沈みかけた船を救うためのテコ入れを敢行しましたが、その成果は全く現れていません。テネシー大のこの試みがどうなるか非常に気になるところです。

UCLA@サザンカリフォルニア大

ロサンゼルス内に位置するお隣同士のライバルゲームとなるこの試合、UCLAが煮え切らないシーズンを送っているため、チーム同士の試合としてはそこまで注目を集めるものではありませんが、それよりもお互いのQBが来年のNFLドラフトでスカウト陣から熱視線を送られている選手であり、その二人が直接対決するというこの構図により注目が集まります。

UCLAジョシュ・ローゼン(Josh Rosen)、サザンカリフォルニア大サム・ダーノルド(Sam Darnold)と今のカレッジフットボール界で屈指のポケットパサーである二人ですが、両人合わせてこれまで6565パスヤードに45TDを量産しているエリートQBとの対戦は非常に楽しみです。どちらともまだ3年生ですが、今シーズンを最後にチームを離れて早期ドラフト入りする可能性が高く、となればこの二人がカレッジで直接対決する最後の試合になりそうです。