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第8週目レビュー

第8週目レビュー

2018年度シーズン第8週目、それぞれのカンファレンスでは生き残りをかけた熱戦が繰り広げられましたが、雪が降ったり、雷雨で試合が一時中止になったりと、各地でそれぞれのドラマが生まれました。そしてフィールド上でも今回先週に引き続いて再び全米2位チームが敗れるという波乱。そんな8週目を振り返ってみたいと思います。

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今週の注目のゲーム

ミシガン大21、ミシガン州立大7

Big Tenカンファレンス東地区同士というだけでなく、ミシガン州内のライバル同士の戦いとなったこの試合。試合前からちょっとしたいざこざが起きるなど一触即発状態でしたが、試合が始まればアウェーのミシガン大がその強力なディフェンス力でミシガン州立大をシャットアウト。ミシガン州立大のトータルヤードを94ヤードに抑える見事な守備力で勝利を挙げました。

これでミシガン大は対ランクチームとのアウェーゲーム連敗記録を17でストップ。次戦は来週末のバイウィーク(試合がない週末)を挟んでペンシルバニア州立大と対決です。


アウェーの洗礼!

パデュー大49、オハイオ州立大20

全米2位のオハイオ州立大が敵地パデュー大でまさかの大敗。QBドゥウェイン・ハスキンズ(Dwayne Haskins)はスクールレコードとなる470ヤード(49/73、2TD、1INT)とまさにハイズマン級の数字を残しましたが、ディフェンスがパデュー大が多用するジェットスウィープに翻弄され、またWRロンデール・モアー(Rondale Moore)の170レシーブヤードを含む252オールパーパスヤードを稼がれて撃沈。アウェーとは言え全米2位チームとは思えない張り合いのなさを露呈してしまいました。

オハイオ州立大は昨年もアウェーのアイオワ大戦で55対24と大敗してプレーオフ進出を逃す遠因となりました。今年のこのパデュー大戦の敗戦が今後どう影響するのか気になるところです。

ホームの恩恵!

ワシントン州立大34、オレゴン大20

ESPNの「カレッジゲームデー」をホストしたワシントン州立大ですが、その盛り上がりをそのままにオレゴン大をホームに迎えたこの一戦。前半はワシントン州立大のオフェンスがハマりまくり、またディフェンス陣はDL陣が多彩なモーションを掛けて相手OL並びにQBジャスティン・ハバート(Justin Herbert)を揺さぶり仕事をさせず27対0で後半へ突入。するとハバートらオレゴン大オフェンスは息を吹き替えし20連続得点で点差を一気に7点に縮めますが、第4Qにワシントン大がダメ押しのTDを決めて12位のオレゴン大に2敗目を食らわせました。

平均400ヤード以上のパスオフェンスを擁するワシントン州立大ですが、この日はQBガードナー・ミンシュー(Gardner Minshew)323ヤードと控えめで、さらに2つのINTを犯してしまいますが、奪った4つのTDでその穴埋めを十分行いました。ハバートも後半持ち直して270パスヤードに1TDを奪いましたが、前半の27点差を取り返すまでには至りませんでした。

これで両チームが所属するPac-12カンファレンスは大混戦に。今のところ1敗しかしていないのはワシントン州立大のみ。しかし共食いを続けるPac-12チームは逆にカレッジフットボールプレーオフ(CFP)へチームを送り出すことが大変難しくなってきました。

ルイジアナ州立大19、ミシシッピ州立大3

紫のヘルメットという特別仕様のユニフォームでミシシッピ州立大を迎えたルイジアナ州立大。試合は双方のディフェンスが相手のオフェンスを阻止し合うという泥臭い試合展開になりましたが、そんな中でも4つのFGと1つのTDを何とか奪えたルイジアナ州立大と、QBニック・フィッツジェラルド(Nick Fitzgerald)が4つもINTパスを放って自らの攻撃のチャンスを失ったミシシッピ州立大とで明暗が別れました。ルイジアナ州立大はこれで何とか1敗を守り、いよいよ2週間後の全米1位アラバマ大との決戦を迎えることになります。

Elsewhere・・・

アラバマ大58、テネシー大21

「Third Saturday in October」という異名を持つこのライバリーゲーム。試合はやはり前半からアラバマ大が飛ばし、第1Qだけで28対0とアラバマ大がすでに試合を決定づける展開に。テネシー大も点を取り返しましたが、アラバマ大がその度に倍返しで結局ファイナルスコアを見ればわかるように恒例のワンサイドゲームとなりました。

アラバマ大のQBトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa)はこの日も306ヤードに4TD、そしてまたまた0INTということで、開幕以来未だにINTパスを投げていないことになります。しかしそのタガヴァイロアは膝の怪我を押して出場していたところ第3Qに激しいタックルを食らってそのまま大事を取ってお役御免に。登場したバックアップのジェイレン・ハーツ(Jalen Hurts)は登場してすぐにアンラッキーな「ピックシックス」を喰らいますが、得意の機動力で追加点を奪い勝利に貢献しました。

テネシー大は今季アラバマ大の元ディフェンシブコーディネーター、ジェレミー・プルイット(Jeremy Pruitt)に率いられており、この試合はアラバマ大のニック・セイバン(Nick Saban)監督とプルイット監督との言わば「師弟対決」であったわけですが、ご覧の通り師匠が弟子に愛の鉄拳を御見舞した形になりました。そしてこの勝利でセイバン監督の師弟対決全勝記録が更新されたことになりました。

因みにこの試合には昨年までテネシー大を率いながらシーズン後に解雇され、その後アラバマ大のアナリストとしてチームに帯同しているブッチ・ジョーンズ(Butch Jones)氏のほろ苦い凱旋となったのですが、試合後には元教え子たちや彼をよく知るテネシー大の人たちとつかの間の再会を楽しんでいたようです。そして試合後にはこのライバリーの恒例である、ロッカールームで葉巻を吸うという伝統行事を行っていたアラバマ大選手たちですが、それに紛れてジョーンズ氏もかつての敵チームの一員として葉巻を吸う姿が見つかりました。

選手たちはジョーンズ氏がどのような気持ちでこの地に再び足を踏み入れたか十分に理解していたようで、試合後には勝利の美酒とも言える「ゲータレードシャワー」をジョーンズ氏に御見舞したそうです。

しかし考えてみれば昨年契約途中でテネシー大を解雇されたこともあり、テネシー大は莫大なバイアウト費をジョーンズ氏にいまだ支払っているのです。その総額800万ドル(1ドル100円計算で8億円)。ジョーンズ氏は何をしなくてもテネシー大から20万ドル(2000万円)が毎月懐に入ってくるのです。そんなジョーンズ氏に多額のバイアウト費を支払い続けるテネシー大にとって、そんな人物が憎きライバルチームの一員として勝利の葉巻を吸っている姿を見るのは大変複雑な心境だったことでしょう。

クレムソン大41、ノースカロライナ州立大7

アトランティックコーストカンファレンス(ACC)の大西洋地区で1,2を争うチーム同士の戦いとなったこの試合。しかし蓋を開けてれば全く勝負にならず全米3位のクレムソン大が16位のノースカロライナ州立大を圧倒。核の違いを見せつけました。これで同地区内でクレムソン大に立ち向かえそうなチームは見当たらず、また対する湾岸地区チームにもめぼしいチームが見当たらないため、クレムソン大がACCで頭10個分ぐらい抜きん出ている感じが否めません。クレムソン大的には安泰ですが、カンファレンスのパワーバランスを見るとクレムソン大だけしか強くないというこの状況はあまり印象がよくありません。

オクラホマ大52、テキサスクリスチャン大27

先週バイウィークで試合がなかったオクラホマ大ですが、前試合のテキサス大との敗戦直後にディフェンシブコーディネーターのマイク・ストゥープス(Mike Stoops)氏を解雇したため、このテキサスクリスチャン大戦が新DCであるラフィン・マクニール(Ruffin McNeil)体制として初の試合となりました。第2Q中盤までオクラホマ大が28対7と一気に点差を広げますが、テキサスクリスチャン大は先発QBショーン・ロビンソン(Shawn Robinson)に代えてマイケル・コリンズ(Michael Collins)を投入。この起用法が当たってコリンズの2つのTDパスとFGで前半終了時に28対24とテキサスクリスチャン大が試合を僅差に持ち込みます。

が、後半にはいりオクラホマ大オフェンスがギアを上げ、ハイズマントロフィー候補QBカイラー・マレー(Kyler Murray)の2つのTDパスと2つのFGで相手を突き放し、ディフェンス陣も後半は失点をFGの一つに抑えて結果的に快勝。シーズン途中でストゥープス氏を解雇したリンカーン・ライリー(Lincoln Riley)監督の決断は賛否両論でしたが、とりあえずこの試合で彼の決断を正当化することが出来ました。

オクラホマ大はこの試合で地上戦力が爆発。RBケネディー・ブルックス(Kennedy Brooks)は168ヤード(1TD)、トレイ・サーモン(Trey Sermon)は110ヤード(2TD)と距離を稼ぎました。が、第4Qにそのサーモンが足の怪我で負傷退場。オクラホマ大はシーズン2戦目のUCLA戦で既にトップRBのロドニー・アンダーソン(Rodney Anderson)を膝の怪我で失っており、サーモンの容態が気がかりです。

アイオワ大23、メリーランド大0

先週末アイオワ大と対戦するまでメリーランド大オフェンスは平均31得点となかなかの火力を持っていましたが、それがこのアイオワ大戦では消沈。完封負けを喫していまいました。メリーランド大のオフェンスが不調だったことは否めませんが、それを加味しても全米19位のアイオワ大のディフェンスが相手を圧倒。メリーランド大オフェンスをトータルでたった115ヤードに押さえ込み、与えたファーストダウンはたったの7つ。そして奪った二つのターンオーバーをそのまま14得点に繋げて完勝しました。

これまでBig Tenカンファレンス西地区はウィスコンシン大だけにスポットライトが当たってきましたが、彼らがすでに2敗する中その影で6勝1敗という好成績を残しているアイオワ大。西地区を制してカンファレンス優勝決定戦に進出するのも夢ではなくなってきました。

ウィスコンシン大49、イリノイ大20

先週のミシガン大戦でいい所なく破れてしまったウィスコンシン大でしたが、先週末のイリノイ大戦ではゲリラ的なスノーストームに見舞われながらもホームで大勝。ミシガン大との敗戦から見事に立ち直って見せました。この試合ではウィスコンシン大の十八番でもある、最強OL陣と軸とするランアタックを敢行。54回ものキャリーで試合の流れをコントロールし、スターRBジョナサン・テイラー(Jonathan Taylor)の100ヤード越えを含むトータル357ヤードに4TDを足で稼ぎました。

貴重なカンファレンス戦であるミシガン大戦を落としたものの、ウィスコンシン大にはまだカンファレンスタイトルゲームに進出する可能性は十分に残されています。上に挙げたアイオワ大にはすでに勝利していますから、このまま勝ち進めばCFP進出は厳しくともBig Tenチャンピオンとしてローズボウル出場は十分可能です。

ペンシルバニア州立大33、インディアナ大28

ご覧の通り18位のペンシルバニア州立大はインディアナ大に勝つには勝ちました。しかしこの試合の内容は先週までトップ10入りしていた(8位)チームのものとは思えないほど不甲斐ないものでした。確かにペンシルバニア州立大はここまでジェームス・フランクリン(James Franklin)監督の下素晴らしいリクルーティングの甲斐あって全米の表舞台に復活を遂げてきましたが、どうしても絶対的な強さを持続できない何かが毎年存在するのです。

この試合ではここまで不調のインディアナ大ランオフェンスがペンシルバニア州立大ディフェンスを翻弄し、またオフェンスでもこれまで34試合連続パスTDを決めきたQBトレース・マクソーリー(Trace McSorley)がこの試合でパスTDを一つも奪えず、ついにその連続記録が途切れてしまいました。

ペンステートはここからアイオワ大ミシガン大ウィスコンシン大との3連戦が待っています。開幕前は下馬評の高さから非常にペンステートにとって有利なスケジュールだと見られてきましたが、今の状態だとむしろ不利なスケジュールだと言わざるを得ません。

テンプル大24、シンシナティ大17(OT)

先週まで6勝無敗で全米20位にランクされていたシンシナティ大。2年前までオハイオ州立大のディフェンシブコーディネーターを務めていたルーク・フィクル(Luke Fickell)監督2年目の今季に驚きの快進撃を続けてきた彼らですが、一方でここまでの彼らの対戦相手は格下ばかりということで真の力を試されていない感がたっぷりでした。そして先週末にテンプル大と対戦したわけですが、ディフェンス陣がターンオーバーを3つ奪うなど存在感を見せはしましたがオーバータイムの末に敗戦。彼らの夢の全勝シーズンはあっけなく幕切れとなりました。

アーバン大31、ミシシッピ大16

ここ最近2連敗で大きく株を落とし続けているアーバン大。ファンの中にはガス・マルザーン(Gus Malzahn)監督を解雇するためのバイアウト費をカンパで募ろうなどと騒ぐ声も聞かれますが、先週末のミシシッピ大戦ではここまでなりを潜めていたランアタックが復活。RBジャタヴィアス・ウィットロー(JaTarvious Whitlow)の活躍のおかげでトータル269ヤードに3TDをランで稼いでミシシッピ大ディフェンスを翻弄。なんとか連敗を2で止めることができました。とりあえずファンの狂気的な発狂は一時おさまることでしょう・・・。

ノースウエスタン大18、ラトガース大15

今季全くいい所がなく先週末まで1勝5敗だったラトガース大ですが、このノースウエスタン大戦では終始リードを奪うサプライズな展開。しかし第4Qにようやくノースウエスタン大オフェンスが目を覚まし逆転に成功。ラトガース大からのまさかの敗戦を逃れました。

それにしてもノースウエスタン大は非常に読めないチームで、すでにデューク大アクロン大に敗れるなど波乱を起こしつつも、Big Tenカンファレンス戦はミシガン大との非常に惜しい敗戦(20対17)が唯一の黒星で西地区では4勝1敗でウィスコンシン大やアイオワ大を差し置いて現在1位を走っています。もちろん今後この2チームとの対戦がありますからどうなるかはわかりませんが、2016年度のペンシルバニア州立大が大外から東地区タイトルを掠め取ったように、ノースウエスタン大が西地区チャンピオンになる・・・ということもありえるのかもしれません。

ネブラスカ大53、ミネソタ大28

ここまで6勝全敗でフットボール史上最悪のシーズンとなってしまっているネブラスカ大。ここまでくるとひょっとしたら全試合負けてしまうんじゃないのかという疑念まで生まれてしまいましたが、先週末ミネソタ大戦で勝利しようやく今季初勝利。しかも53対28と誰もが予想していなかった大差での勝利に、今季から指揮をとるスコット・フロスト(Scott Frost)監督もようやく胸をなで下ろしていることでしょう。

その勝ち方はかつてのトリプルオプションを彷彿とさせる多彩なグラウンドアタック。QBエイドリアン・マルチネス(Adrian Martinez)はその中でもピカイチで彼をはじめとするランアタックで合計383ヤードに4TDを奪いました。またマルチネスは投げても276ヤードに3TDと今季ベストのパフォーマンス。

試合後初勝利を挙げたフロスト監督には選手たちから冷たいゲータレードの洗礼。試合後の会見ではその洗礼に値する勝利なのかどうかはわかならいと苦笑していましたが、これでようやく初白星。おそらくいつ勝てるのかと胃が軋む思いで毎日を過ごしていたフロスト監督でしょうから、ここからひょっとしたらさなぎから出た蝶のように腕を伸ばして試合に臨めることでしょうね。

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