第5週目レビュー

今シーズン第5週目にはオハイオ州立大vsペンシルバニア州立大やスタンフォード大vsノートルダム大のトップ10同士のビックゲームがあり、また3位のクレムソン大があわや敗退かと思わせるようなハラハラした試合など盛り沢山でした。

AGS’s Best Game of the Week

オハイオ州立大27、ペンシルバニア州立大26

全米4位のオハイオ州立大をホームに迎えた9位のペンシルバニア州立大はスタジアムを真っ白に染め上げる恒例の「ホワイトアウト」で強敵を待ち受けました。Big Tenカンファレンス東地区内の覇権争いだけでなく、カレッジフットボールプレーオフ(CFP)進出をかけても両チームとも負けられない試合となりましたが、内容は大変緊迫したものになりました。

下馬評では層の厚いオハイオ州立大が有利と見られていましたが、前半はペンステートのディフェンスが踏ん張りQBドゥウェイン・ハスキンズ(Dwayne Haskins)率いるオハイオ州立大オフェンスを完全攻略。大歓声の声にも押されホームのペンステートが主導権を握りました。オフェンスではQBトレース・マクソーリー(Trace McSorley)の足が冴え、QBドローから多くのヤードを稼ぎました。ただそれらが中々得点に結びつかず前半を13対7のペンステートリードで折り返します。

後半は明らかにオハイオ州立大が戦術を立て直し、第3Q開始直後の攻撃で13回のプレーでペンステートを急襲。そしてRB J.K.ドビンズ(J.K. Dobbins)の4ヤードTDが決まってついにオハイオ州立大が14対13とリードを奪います。対するペンステートオフェンスはファーストダンウンを奪えないドライブが続きますが、オハイオ州立大がFGを外すなど運にも恵まれ追加失点を逃れます。

そして第4Q、マクソーリーのラン、そしてK.J.ハムラー(K.J. Hamler)の決死のミラクルキャッチ(この時にはムラーは怪我を負って退場)もあり、残り時間約12分半でマクソーリーの2ヤードTDパスが決まりペンステートが20対14と逆転に成功。この時に1TD差にするための2ポイントコンバージョンをすべきだったのではないかとも思ったのですが・・・。ちなみにこのタッチダウンでマクソーリーは自身が持つ連続パスTD試合数記録を33に伸ばしました。

WRハムラーのキャッチ。DBアイゼア・プライヤーは退場処分に

この日は試合を通じてマクソーリーのQBドロー・ランが効果を発揮しまくっていましたが、彼の活躍でペンステートは残り8分の時点で再び追加点獲得に成功。今度は2ポイントコンバージョンをトライしますが、それが失敗に終わり得点は26対14。点差は12点となりいよいよビーバースタジアムも勝利に向かって盛り上がっていきました。

しかしただでは転ばないのがオハイオ州立大。後半スクリーンパスを多用して息を吹き返したハスキンズは残り6分半、そしてさらに残り2分で立て続けにTDを奪い27対26と大逆転。ペンステートの最後の望みはエースQBマクソーリーに委ねられます。

オハイオ州立大陣内48ヤード地点まで進撃したペンステートですがここで攻めあぐみます。そして迎えた運命の4thダウン&5ヤード。しかしここでペンステートはタイムアウトを2度も使って戦術を練りますが、起用したプレーはRBへのハンドオフであえなくオハイオ州立大DEチェイス・ヤング(Chase Young)に捕まり万事休す。しかもすでに2つのタイムアウトを使用しており、残り1分半でたった1つのタイムアウトではペステートはどうすることもできず、オハイオ州立大に大逆転勝利をお膳立てしてしまったのです。

マクソーリーは投げては286ヤードに2TD、そして走っては175ヤードとペンステートのオフェンスをまさに一人で背負って立ちましたが、サポート陣の層の薄さが響きました。RBマイルズ・サンダース(Miles Sanders)はTDを一つ奪ったとは言えトータル43ヤードと消沈。またWRハムラーやジュワン・ジョンソン(Juwan Johnson)は信じられないようなワンハンドキャッチや93ヤードのロングレシービングTDを決めはしましたが、一方でマクソーリーからのボールを落とすシーンも多く見られ、結果マクソーリーのパス成功率は5割にしか至りませんでした。

WRジョンソンのワンハンドキャッチ!

オハイオ州立大は今季ハイズマントロフィー候補としても名前が上がっているハスキンズだけでなくRBドビンズ、マイク・ウェバー(Mike Weber)、WRベンジャミン・ヴィクター(Benjamin Victor)、K.J.ヒル(K.J. Hill)と駒が揃っており、後半のコーチ陣のアジャストも相まって劇的な逆転劇を演出してみせました。ディフェンスはマクソーリーにかなりやられましたが、肝心の場面でペンステートの攻撃の芽を摘むなどしアウェーで貴重な1勝を挙げたのです。

ペンステートはもう2TDぐらいは稼げたぐらいのチャンスは有りましたが、そのチャンスを活かすことができず、またオハイオ州立大のこれでもかというスクリーンパスに翻弄され、最後はコーチ陣の不可解なプレーコーリングのため、大舞台での勝利をのがしてしまいました。実際試合後のインタビューでジェームス・フランクリン(James Franklin)監督は最後の4thダウンのプレーコーリングは全て自分の責任だ、とその非を認めました。

これでオハイオ州立大はBig Ten優勝レース並びにCFPレースで大きく前進。彼らはすでにテキサスクリスチャン大(対戦当時15位)も倒しており、レジメ(対戦履歴)に箔をつけました。またペンステートは今季初黒星を喫し、シーズンはまだ先があるとは言え非常に痛い敗戦。自力優勝ならびに念願のプレーオフ進出は厳しくなりました。

【ハイライト動画】

クレムソン大27、シラキュース大23

全米3位のクレムソン大がランク外のシラキュース大を迎えたこの一戦。一見何の変哲もないマッチアップに聞こえますが、シラキュース大は昨年クレムソン大を倒していること、そしてクレムソン大が先発QBを入れ替えた影響で元先発QBケリー・ブライアント(Kelly Bryant)が大学から転校することを表明して以来初の試合であることもあり、この試合は大変注目された試合となりました。

【関連記事】クレムソン大QBブライアントが転校へ

大型新人QBトレヴァー・ローレンス(Trevor Lawrence)の初先発試合となったこのゲーム。ブライアントが去ったためにバックアップは試合出場経験がほぼ皆無のチェイス・ブライス(Chase Brice)となりました。なんとローレンスは途中で頭部に激しいタックルを受けフィールド上で昏倒。そのままロッカールール送りとなり、まさかのブライス登場となったのです。

試合は開始からシラキュース大が思いの外クレムソン大ディフェンスを攻略し常にリードを奪う展開。怪我前のローレンス、そしてブライスもなかなかシラキュース大から点を取れない中、その穴を埋めたのはRBトラヴィス・エティエン(Travis Etienne)。合計200ヤード超えのランプレーを見せチームのオフェンスを牽引したのです。

23対20と僅かにシラキュース大がリードしていた試合残り時間6分。クレムソン大は逆転への決死のドライブを敢行します。このドライブでもエティエン、そしてRBタヴィエン・フィースター(Tavien Feaster)のランプレーがシラキュース大の疲労したディフェンス陣に襲いかかりますが、ミッドフィールドあたりで攻めあぐみます。そして迎えた残り時間2分半での4th&6ヤード、絶体絶命のクレムソン大でしたがブライスからWRティー・ヒギンズ(Tee Higgins)への奇跡の20ヤードパスが通り間一髪1stダウンを奪い首の皮一つで繋がります。

さらにフィースターがボールをゴールライン2ヤードまで運ぶと最後はエティエンのランTDが決まり、残り時間40秒でクレムソン大が何とか逆転。シラキュース大最後の攻撃もパーソナルファール、そしてQBエリック・ダンジー(Eric Dungey)がサックを食らうなどして万事休す。クレムソン大がギリギリのところで2年連続シラキュース大に敗れるという醜態を逃れました。

それにしてもブライアントが転校を宣言してチームを離れたその週末の試合でローレンスが怪我で戦線を離脱するとは何の因果でしょう。ハーフタイム中のインタビューでダボ・スウィニー(Dabo Swinney)監督はローレンスが欠場となったことでブライアントを呼び戻したいかと尋ねられたところ「もちろんだよ!」とおそらく本心と思われる言葉を発していました。チームは勝ちはしましたが、試合の内容からすると今後ちょっとだけ不安を残す展開となりました。

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Elsewhere…

アラバマ大56、ルイジアナ大14

アラバマ大は格下ルイジアナ大(ラフィエット校)に56対14と圧勝。前半の時点で49対0と勝負は決まっていましたが、この試合では3年生QBジェイレン・ハーツ(Jalen Hurts)がトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagavailoa)のバックアップとして出場。これで5試合目の出場となり彼の今季の出場資格が確定してしまったのですが(この記事を参考)、ハーツが登場するとアラバマ大のファンはスタンディングオベーション。これは前述のクレムソン大のブライアントが自分のプレー機会を求めるためにチームを去ったのとは対象的に、個を捨てチームのために居残ることを決めたハーツへの最大限の敬意を表したものだったのでしょう。

それにしても相変わらず強力なランオフェンス、鉄壁のディフェンスに加え、今年はタガヴァイロアという秀逸QBがおり、さらにはそのバックアップが昨年までの先発QBハーツというこの布陣。果たして今年のアラバマ大に付け入る隙きはあるのでしょうか?

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オクラホマ大66、ベイラー大33

金曜日の練習に遅れてきた罰として先発出場を許可されなかったQBカイラー・マレー(Kyler Murray)ですが、それでも432ヤードに6TDという恐るべき数字を残しました。相手QBチャーリー・ブリューワー(Charlie Brewer)に400ヤードも投げられてしまったディフェンスに不安を覚えるものの、それを補うに十分なオフェンス力でオクラホマ大が5勝目を挙げました。

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ノートルダム大38、スタンフォード大17

全米7位のスタンフォード大と8位のノートルダム大というトップ10チーム同士の対戦となったこの試合。キックオフから両チームが点を取り合う展開となりましたが、後半に入ると追加点を獲れないスタンフォード大をよそにノートルダム大が得点を重ね、結果的に3TD差もつけてホームのノートルダム大がスタンフォード大を蹴散らしました。

先週からブランドン・ウィンブッシュ(Brando Wimbush)に代わって先発を任されているイアン・ブック(Ian Book)はこの日4TDを含む278パスヤードと大活躍。またRBデクスター・ウィリアムス(Dexter Williams)も161ランヤード(1TD)と攻撃に厚みを与えてくれました。これでノートルダム大は今シーズン最大の山場を既に乗り越え、今後はよほどのことがない限り負けそうな試合が見当たらないため、このまま全勝したとすればかなりの確率でCFP出場が見えてきます。

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ウエストバージニア大42、テキサス工科大34

互いが点を取り合うことが試合前から予想されていたこの試合ですが、開始からウエストバージニア大が得点を重ね、前半終了時には35対10とテキサス工科大を圧倒。しかしテキサス工科大も後半息を吹き替えし24点を奪いますが、前半許した大量リードが響き、ウエストバージニア大の勝利。思わぬ苦戦を強いられたウエストバージニア大ですがこれで無敗を守りいよいよトップ10入りが見えてきました。

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セントラルフロリダ大45、ピッツバーグ大14

グループオブ5」出身の星・セントラルフロリダ大は「パワー5」のピッツバーグ大と対戦。序盤からセントラルフロリダ大のスピードについていけないピッツバーグ大はまったく手が出ず、最大45対7という大差がつく試合となりました。セントラルフロリダ大QBマッケンジー・ミルトン(McKenzie Milton)は328パスヤードに4TDを記録し、自身のハイズマントロフィーキャンペーンに華を添えました。

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ミシガン大20、ノースウエスタン大17

開幕戦でノートルダム大に敗れランキングを大きく落としていたミシガン大ですが、他のチームの動向に隠れ勝ち星を重ねながら先週14位まで上がってきました。しかし第5戦で対戦したノースウエスタン大に大苦戦。終始リードを許す展開で迎えた第4Q、ミシガン大は気迫の6分ドライブで11回のプレーをかけてノースウエスタン陣内へ攻め入り、最後はカレン・ヒグドン(Karan Higdon)の5ヤードランTDが炸裂してついにミシガン大は20対17と逆転。そのままミシガン大が逃げ切りあわや番狂わせというシナリオを逃れました。

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ケンタッキー大24、サウスカロライナ大10

今シーズン前半のシンデレラストーリーの中心にいるのがこれまで無敗街道まっしくらのケンタッキー大。17位にランクされた彼らは先週末手強いサウスカロライナ大をホームに迎えました。前半24対3と相手を突き放し後半は無得点となりましたが、ディフェンスが失点を1TD抑えて24対10と再び快勝。これで開幕後5連勝となり今のところこの「特急列車」を止められるチームは登場していません。RBベニー・スネル(Benny Snell)は99ヤードを足で稼ぎ残念ながら100ヤード超えはなりませんでしたが、今季全米でスターRBが現れない中スネルの存在は貴重です。

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オレゴン大42、カリフォルニア大

先週スタンフォード大にまさかの大逆転負けを喫したオレゴン大カリフォルニア大とのアウェーゲーム。しかしQBジャスティン・ハバート(Justin Herbert)の225パスヤード(2TD)、そして2人のRBが100ヤード超えのランヤードを稼ぎ、またディフェンスも2つのターンオーバーをTDに結びつけるなどして快勝。先週の敗戦を物ともしないパワーで見事に立て直してきました。

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バージニア工科大31、デューク大14

22位のデューク大がホームでバージニア工科大に返り討ちに。この敗戦はデューク大にとってだけでなく彼らが所属するACCにとっても痛手です。なぜならACCはお互いが潰し合う状態が続いており、これにより所属チームで強いのがクレムソン大のみという構図になってきています。これだとクレムソン大のストレングスオブスケジュールの価値が下がり、万が一でもCFP出場チーム選考の上で複数チームが並んでいた場合、クレムソン大にとって不利になる可能性があるからです。

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フロリダ大13、ミシシッピ州立大6

フロリダ大の新監督ダン・マレン(Dan Mullen)監督が前所属チームであるミシシッピ州立大のホームへ招かれざる帰還を果たすという、マレン監督としてはやりづらかったと思われるこの試合。ミシシッピ州立大の独特の応援手法である「カウベル(牛の首につけられるベル)」がいつも以上の騒音を奏でる中、フロリダ大が接戦を制してマレン監督に古巣からの初勝利をお膳立てしました。

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パデュー大42、ネブラスカ大28

先週ミシガン大に敗れた試合後に「次の相手(パデュー大)は勝てる相手だ」などとのたまってしまったネブラスカ大のスコット・フロスト(Scott Frost)監督。その言葉に黙っていなかったパデュー大はネブラスカ大のホームで大量得点を奪ってフロスト監督にその発言を後悔させるような快勝を成し遂げました。これでネブラスカ大は4連敗。未だ勝ち星のないフロスト監督のチーム再生計画はまだまだ茨の道だらけです。

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(了)

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