2018年度厳選ベスト10ゲーム

2018年度シーズンも終わり2週間以上が過ぎましたが、それを締めくくる一環として今回は筆者が独断で選ぶ昨シーズンのトップ10ゲームをご紹介したいと思います。

FBS(フットボールボウルサブディビジョン)ではシーズン通して相当数の試合が組まれていますから、その中から10試合を厳選するのは簡単ではありませんが、一方でシーズンを通して印象に残っている試合とか、シーズンの転機になった試合というのは限られていたりします。私見とはなりますが、見逃した方には是非チェックしていただきたい素晴らしい10試合をカウントダウン形式でご紹介します。


 

#10 ルイジアナ州立大22、アーバン大21

全米7位のアーバン大と同12位のルイジアナ州立大との対決となった大一番。第3週目だと言うのにいきなりSEC西地区の大御所同士の戦いとなり非常に注目されたこの一戦は、アーバン大がリードする展開ながら後半ルイジアナ州立大が怒涛の反撃を見せ、最後はキッカーのコール・トレーシー(Cole Tracy)の42ヤードFGが試合終了の合図と同時に決まり、LSUが敵地でアーバン大から大逆転勝利を奪う快挙を遂げました。

第3週目レビュー

#9 クレムソン大28、テキサスA&M大26

前年までフロリダ州立大を指揮し、今年から鳴り物入りでチームの再建を託されたジンボ・フィッシャー(Jimbo Fisher)監督が指揮する新生テキサスA&M大が強豪クレムソン大に対してどこまでやれるのかが注目されたこのマッチアップ。テキサスA&M大オフェンスは全米最強とも言われるフロントセブンを擁するクレムソン大ディフェンスに対してコンシスタントにボールを動かして敵陣内に攻め込みましたが、肝心なところで得点まで至らない展開が序盤続き、そのすきにクレムソン大が得点を重ねていきます。土壇場で2点差まで追いついたテキサスA&M大でしたが、2ポイントコンバージョンが失敗しクレムソン大が辛くも逃げ切りました。今考えればこの試合で彼らが負けていればプレーオフの顔ぶれも変わっていたかもしれません。

第2週目レビュー

#8 オクラホマ大48、オクラホマ州立大47

ベッドラムシリーズ」と呼ばれるこのライバリー。ノーガードの打ち合いを繰り広げました。その結果オクラホマ大のトータルオフェンスが703ヤード、オクラホマ州立大が640ヤードで両校合計で1300ヤード以上というとてつもない記録を残しました。オクラホマ大はQBカイラー・マレー(Kyler Murray)がこの日も活躍。349パスヤードに1TDという数字を残せば、RBケネディ・ブルックス(Kennedy Brooks)が165ヤードに3TD、RBトレイ・サーモン(Trey Sermon)も124ヤードに2TDと大暴れ。相変わらずのハイパワーオフェンスぶりを見せつけてくれました。しかし試合を決めたのは以外にもオクラホマ大のディフェンス。オクラホマ州立大のマイク・ガンディー(Mike Gundy)監督は土壇場で2ポイントコンバージョンの賭けに出て逆転勝利を試みますが、それをオクラホマ大ディフェンスが阻止して1点差でかろうじて勝利を手に入れました。

第11週目レビュー

#7 テキサス大48、オクラホマ大45

今年で113回目を迎えたテキサス大オクラホマ大のライバリーゲーム、その名も「レッドリバーの戦い(Red River Showdown)」。今年のこの対戦はオクラホマ大が全米7位(当時)、テキサス大が19位とどちらもランクされているという久しぶりの設定でこれまでになくボルテージが上がりました。先手を打ったテキサス大が前半をリードする展開で、第4Q突入時には45対24と勝負は決まったかに思われました。しかしオクラホマ大QBカイラー・マレーが息を吹き返して反撃。試合終了直前に45対45の同点になりましたが、テキサス大QBサム・エリンガー(Sam Ehlinger)の活躍で彼らは残り時間9秒にFGを決めてこれが決勝点となり、テキサス大がライバルから貴重な白星を挙げたのです。

第6週目レビュー

#6 オクラホマ大51、テキサス工科大46

オクラホマ大が3連続で登場。この試合では全米7位の彼らがテキサス工科大に乗り込み、2016年にベーカー・メイフィールド(Baker Mayfield、現クリーブランドブラウンズ)とパトリック・マホームズ(Patrick Mahomes、現カンザスシティーチーフス)が対戦したときの再現のようなシュートアウトになりました。(2016年度シーズン第8週目 -Knocking on the Heaven’s Door-)。テキサス工科大はQBアラン・ボウマン(Alan Bowman)が怪我で欠場しましたが、バックアップのジェット・ダフィー(Jett Duffey)が奮闘。しかし違いは地上戦。テキサス工科大がチーム全体で107ヤードだったのにたいしてオクラホマ大はトータルで323ヤード。しかもRBトレイ・サーモンは206ヤード(3TD)、QBカイラー・マレーが100ヤード(1TD)と二人の100ヤード超えラッシャーを輩出し力の違いを見せました。

第10週目レビュー

#5 オハイオ州立大27、ペンシルバニア州立大26

ペンシルバニア州立大恒例の「ホワイトアウト」の餌食となるはずだったオハイオ州立大。4位のオハイオ州立大と9位のペンシルバニア州立大というマッチアップはシーズン前半戦でも最も高ランク同士の試合とあって注目されました。前半押せ押せムードだったペンシルバニア州立大でしたが、後半に入りオハイオ州立大が戦術を立て直しジリジリと点差を詰めます。そして第4Q終盤にQBドゥウェイン・ハスキンズ(Dwayne Haskins)が2つのTDパスを決めて逆転。最後ペンシルバニア州立大は得点のチャンスもありましたが、疑問のプレーコーリングで万事休す。オハイオ州立大が厳しいアウェーゲームをものにしました。

第5週目レビュー

#4 ウエストバージニア大42、テキサス大41

Big 12カンファレンスでの行く末を占う大一番となったこの試合はハイスコアゲームとなりましたが、試合を決めたのはウエストバージニア大ダナ・ホルゴーセン(Dana Holgorsen)監督の大博打でした。

第4Q終盤34対34で迎えたテキサス大の攻撃、残り2分半というところでテキサス大QBサム・エリンガーの48ヤードのロングTDパスが決まってウエストバージニア大を突き放し、ホームスタジアムは大いに盛り上がりました。しかしウエストバージニア大も諦めず、残り時間16秒というところでQBウィル・グリアー(Will Grier)からゲリー・ジェニングス(Gary Jennings)への33ヤードパスTDが決まり土壇場で同点となりオーバータイムへ突入するかと思われました。

しかしここでホルゴーセン監督はPATのFGではなく2ポイントコンバージョンに打って出ます。そしてグリアーのQBランがエンドゾーン左手に決まり見事コンバージョンを成功させ42対41と逆転。結局これが決勝点となり、ウエストバージニア大がアウェーで貴重な金星を手に入れたのです。コンバージョンが決まっていなければ大変な批判の声を浴びることになるとおもわれたホルゴーセン監督。彼の度胸に感服しました。

第10週目レビュー

#3 アラバマ大35、ジョージア大28

2017年度のナショナルタイトル戦と同じ顔合わせとなったSEC優勝決定戦。1位のアラバマ大と4位のジョージア大との戦いということでカンファレンスタイトルだけでなくプレーオフの行方を占う上で大変重要な試合でした。試合はジョージア大がQBトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa)を研究しきって攻略。しかもタガヴァイロアは試合中に怪我で負傷退場。残り時間11分でリードされた展開でのエース退場にアラバマ大のプレーオフ進出に黄信号が灯ったのです。

しかしそこで登場したのが2017年までの先発QBだったジェイレン・ハーツ(Jalen Hurts)。昨シーズンはタガヴァイロアのバックアップに徹し苦水を飲んできましたが、この晴れの舞台に登場。そして同点のTDパスを決めると、ジョージア大の不可解なフェイクパント失敗のお陰で再び攻撃権を得たハーツが残り時間1分というところで自らランTDを決めてついに逆転。そのまま試合終了となりアラバマ大は2年ぶりのSECタイトル奪取、そして5年連続となるプレーオフ進出を確実なものにしたのです。

それもこれもここまで後輩に先発の座を譲りながら準備を怠ってこなかったハーツの活躍のおかげ。個人よりもチームを大事にする今のアメリカンスポーツでは中々見ることの出来ない部分を見せてくれたハーツは多くのファンの心を鷲掴みにしました(もちろん筆者もその一人)。

第14週目レビュー

#2 テキサスA&M大74、ルイジアナ州立大72

2位と3位は迷ったのですが、やはりこのテキサスA&M大ルイジアナ州立大の試合は記憶そして歴史に残る大記録を打ち立てたため、2位にランクさせました。

スコアを見ていただければわかると思いますが、物凄いバスケットボールのようなハイスコアゲーム。それもそのはず、この試合はなんと7度のオーバータイムの末に試合が終了したというとんでもない試合だったのです。

試合はお互いが点を取り合うシーソーゲームとなりましたが、31対24でルイジアナ州立大リードのまま迎えた終盤、テキサスA&M大が最後の望みをかけた攻撃で試合残り時間1秒というところで迎えた最終局面。ルイジアナ州立大側は勝利を確信して選手がエド・オルジェロン(Ed Orgeron)監督に勝利のゲータレードシャワーを浴びせますが、テキサスA&M大QBケレン・モンド(Kellen Mond)がWRクォートニー・デーヴィス(Quartney Davis)へ試合終了と同時に19ヤードのTDパスを成功させ、試合はオーバータイムへ。

カレッジフットボールのOTルールでは3度目以降はTD後のPAT(ポイント・アフター・タッチダウン)でフィールドゴールではなく2ポイントコンバージョンを必ず行わなければならないというルールがあります。これはOTが果てしなく続いていくのを阻止するためのルールなのですが、それにも関わらずこの試合は7度もOTを行う羽目になったのです。

結局7度目のOTで先攻したルイジアナ州立大がTDを奪うも2ポイントコンバージョンに失敗し、後攻のテキサスA&M大がTDとコンバージョンを成功させてついに試合終了。キックオフから約5時間の死闘に終止符を打ったのでした。

第13週目レビュー【土曜日編】

#1 オクラホマ大28、陸軍士官学校21

そしてAGS筆者が選ぶ今年のベストゲームは第4週目に行われたオクラホマ大陸軍士官学校の試合です。

このサイトで筆者が大のトリプルオプションフットボール好きということは何度も触れてきましたが、そのことがこのセレクションに大きく影響していることは否めません(汗)。が、それを抜きにしたとしてもこの試合はカレッジフットボールの醍醐味を見たような気がして忘れられない試合になったのです。

この当時オクラホマ大は全米5位。そこへ陸軍士官学校が乗り込んだわけですが、この試合は大御所が格下チームをお金を払って呼び寄せて手堅く白星を頂くという鉄板ゲームだと思われていました。しかし蓋を開けてみれば陸軍士官学校が大健闘。オクラホマ大を最後まで追い詰めてオーバータイムの末惜しくも敗れたという試合でした。

トリプルオプションオフェンスは既に近代カレッジフットボールでは棺桶に片足を突っ込んでいるようなオフェンスで、現在このオフェンスを用いているのは陸軍士官学校を含むサービスアカデミー(海士、空士)、ジョージア工科大ジョージアサザン大ぐらいなもの。しかもジョージア工科大はトリプルオプション使いのポール・ジョンソン(Paul Johnson)監督が引退したため彼らはおそらくトリプルオプションを捨てることでしょうから、トリプルオプション好きとしてはどんどん肩身の狭い世界となっていってしまいます。

しかしそんな中でも今年の陸軍士官学校は大躍進。トータルで11勝2敗という素晴らしい成績を残したのですが、その2敗の内の1つがこのオクラホマ大戦でした。

オクラホマ大はカイラー・マレーを擁するハイスコアオフェンスが持ち味でしたから、この試合も陸軍士官学校相手に大量得点を奪うのかと思われました。しかし陸軍士官学校の得意のトリプルオプションがハマり、しかもオクラホマ大の今年のディフェンスが近年稀に見る脆弱なものだったため、彼らがこの試合の主導権を握る事になります。特にトリプルオプションの持ち味であるランプレーに次ぐランプレーでじっくりとボールを敵陣へと運び、このことによってマレーらオフェンス陣をベンチに張り付かせることに成功したのです。

結局OTで最後力尽きた陸軍士官学校でしたが、大御所相手でもトリプルオプションが効果を発揮し、彼らを苦しめることが出来たことが非常に痛快でした。

第4週目レビュー

まとめ

いかがでしたでしょうか?気づけばオクラホマ大の試合がかなりランクインしていますが・・・。皆さんの中には「あの試合が入ってないじゃない!」という意見もあるかと思います。そういった試合があれば是非ツイッターの方でシェアしていただけるとありがたいです。それにしても本当に面白い試合ばかり。これだからカレッジフットボールファンは辞められませんよね!


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