高みを目指すなら・・・

カンファレンスタイトルやナショナルタイトルを目指すチームを育成するのは時間だけでなくお金もかかるものです。特にリクルーティングの面でいかにしていいタレントをかき集められるかというのはそのままチームの将来の動向に直結して影響を及ぼしますから、その面での競争が激しくなればなるほど他のチームとの違いを見せる為に様々な部署にお金を注ぎ込まなければならなくなります。例えばスタジアムとかロッカールームとかウェイトルームとかトレーニングルームとか屋内練習場とか・・・。

チームを強くする為にはそういった施設のアップグレードやコーチ陣に支払うサラリーなどお金はたくさんあったほうがいいに決まっています。でも問題はそのお金をどこから捻出するかということですが・・・。

一般的にチームが強ければ強いほど収入は増える傾向にあり、TV放映権やカンファレンスタイトルゲームやボウルゲームに出場することで得られるボーナスなどが年を追うごとに肥大している為、それらから得られる収入の額は桁違いとなっています。そういったチームはその収入をさらなるチームの増強のために還元できるため、強くないチームとの差はどんどん広がるばかりとなります。

そういったカレッジフットボール界でも強豪と言われ資金源に糸目がないチームでない場合、どうやってそのギャップを埋めればいいのでしょうか?その方法の一つにホームゲームのチケット料を値上げするという手があると思います。

チケット料もおそらく各地で年々値上げしていることでしょうが、そのことについて「なぜ値上げしたのか?」という理由を公表するチームはあまりいないように思えます。強いチームならチケットが値上がりしたからといってファンたちがチケットを買わなくなるといことはまずないからです。

そんな中サウスイースタンカンファレンス(SEC)のサウスカロライナ大は来シーズンのシーズンチケットを50ドル(約5500円)値上げすることを発表しましたが、同大学の体育局長であるレイ・テイナー(Ray Tanner)氏はチケット値上げの理由を明確に示しています。

「過去8年間我々は徐々に力をつけてきました。それ以前のチームはSEC内で確固たる位置を確立する努力をし続けてきましたが、2010年以来は全てのスポーツチームで広範囲にわたり成功を収め、今後への土台を作り上げることができました。そして我々は次のレベルにステップアップする準備が整ったのです。しかしそのためには我々は持ち得るリソースを最大限に活かさなければなりません。我々が目指すのはSECチャンピオンシップ及びナショナルチャンピオンシップなのですから。」

SECチャンピオンシップはともかくナショナルチャンピオンシップとは非常に大きく出てきましたが、やはりそれくらいの大風呂敷を広げなければチケットホルダーにチケット料値上げを理解してはもらえないのでしょう。SEC所属チームとして比較的若い(1992年に参戦)サウスカロライナ大は1969年に当時所属していたアトランティックコーストカンファレンス(ACC)のチャンプになったのが唯一のカンファレンスタイトル。ナショナルチャンプになったことはまだ一度もありません。

そもそも強豪ひしめくSECを制することすらかなりの難題な訳ですが、昨年2期目を戦ったウィル・ムスチャンプ(Will Muschamp)監督指揮下のサウスカロライナ大はトータル9勝4敗と予想を上回る成績を納め、東地区のテネシー大フロリダ大が苦戦する中地区2位となり、またボウルゲームでもアウトバックボウルミシガン大に勝って勢い的には上向きと言えます。

ただSECがつわもの揃いであることに変わりはなく、しかも今あげたフロリダ大とテネシー大はそれぞれ新監督を迎え(フロリダ大はダン・マレン監督、テネシー大はジェレミー・プルイット監督)、サウスカロライナ大にとっては昨年のような「棚からぼたもち」的状況は期待できないでしょう。しかし昨年からのいい流れを止めないためにも大学側としてはなんでも手を尽くしたいと思っているに違いありません。それが今回のチケット料値上げに繋がったのでしょう。

もっともこの値上げがあったとしてもサウスカロライナ大のシーズンチケット料はSEC内でもほぼ平均であるとされ、また値上げ自体もこれはサウスカロライナ大だけに限られたことではなく、例えばテキサスA&M大も同じようにチケットを値上げすることをすでに決めています。彼らの場合はオフシーズンに雇った新監督であるジンボ・フィッシャー(Jimbo Fisher)氏と7500万ドル(80億円)というとんでもない額の契約を結んだため、それを補填するための値上げと見るのが妥当でしょう。

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