プレーオフへの道!【第1回】

プレーオフへの道!【第1回】

今季のカレッジフットボールも11月に突入しいよいよレギュラーシーズンも佳境を迎えます。終盤にはライバリーゲームが目白押し、さらにカンファレンスタイトルゲームなども控えており、それを目指すチーム、さらにはプレーオフを目指すチームは負けられない試合が続いていくことになります。

プレーオフに関していえば前回の分析でも触れたように進出できそうなチームは主に10チームに絞られてきた感じがあります。それぞれのチームが夢の舞台に立つにはあとどのような試合をこなし、さらにどのようなシナリオが必要なのか、それを見ていきたいと思います。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

1位 ジョージア大 (9勝0敗、APランキング2位)

残りの試合:

アーバン大(10位)
ケンタッキー大
ジョージア工科大
SECチャンピオンシップゲーム

ジョージア大は今週「深南部の最古のライバリー」と呼ばれるアーバン大との試合を控えています。アーバン大はすでに2敗していますが現在CFPランキングでは10位に位置しています。尻上がりに調子を上げているアーバン大を甘く見ることはできません。ここをしのげばレギュラーシーズンを無敗で切り抜け、カンファレンスタイトル戦で西地区代表チーム(おそらくアラバマ大、アーバン大かミシシッピ州立大の可能性もあり)と対戦。これに勝てば当然プレーオフ進出は確定となるでしょう。

問題はもし今週末のアーバン大戦でまさかの敗戦を喫してしまった場合、彼らがどれだけランクを落とすかです。負け方によって落ち幅は変わってくると思いますが、もし本当に負けてしまってもカンファレンスタイトル戦に勝つことができれば彼れがプレーオフ進出のチャンスはありそうです。つまりこのアーバン大戦で負けてしまっても彼らにはまだチャンスが残っているということです。


2位 アラバマ大 (9勝0敗、APランキング1位)

残りの試合:

ミシシッピ州立大(16位)
マーサー大
アーバン大(10位)
SECチャンピオンシップ(仮)

CFPランキング2位のアラバマ大は残り3試合のうち2試合がランクチームとの対戦になっています。これらに勝つことができればプレーオフ選考委員会への印象はすこぶるよくなります。さらにSECチャンピオンシップに進出すれば現在1位のジョージア大との「全米タイトル前哨戦」が実現することになり、もちろんこれら全てに勝てばなんの文句もなく彼らが4年連続プレーオフ進出を果たすことになるでしょう。

今後のスケジュールを見るとおそらくアラバマ大にも1敗する余裕はあるように思えます。それがたとえレギュラーシーズンフィナーレとなるカンファンレスタイトルゲームであっても、ジョージア大に大敗でもしない限り少なくともアラバマ大がプレーオフ進出チーム候補の一角を成すことは十分あり得るのではないでしょうか?ただ、もしアーバン大に敗れることによって西地区制覇を阻止されるようなシナリオになればカンファレンスタイトルに出場できなくなりますから、「アイロンボウル」はアラバマ大にとっていつも以上に重要な試合となりそうです。

3位 ノートルダム大 (8勝1敗、APランキング3位)

残りの試合:

マイアミ大(7位)
海軍士官学校
スタンフォード大

昨年の絶不調から見事に立ち直ってここまで勝ち星を重ねてきた名門ノートルダム大は3位に。彼らにとって強みとなっているのは唯一の敗戦が現在1位のジョージア大との試合で、しかもわずか1点差で敗れたことです。これはほぼ白星と同等の価値があると言っても過言ではなく、それが彼らを3位にまで押し上げているのです。

今週末はいよいよ7位のマイアミ大との対戦が待っています。マイアミ大も今季絶好調でこれまで未だ無敗を守っています。ノートルダム大は他チームと違いどのカンファレンスにも属さない独立校であるため、シーズン最後にカンファレンスタイトル戦はありません。それゆえ他のチームよりも選考委員会にアピールするチャンスは1つ減るわけですが、それでもマイアミ大を含めて残りの試合を全て勝てば、彼らを上位4チームから引きずり下ろす理由が見つかりません。Big TenとPac-12のカンファレンス全体の低迷がノートルダム大のトップ4入りの手助けをしているともいえますし、また彼らの「ノートルダム大」というブランドも威力を発揮することでしょう。

4位 クレムソン大(8勝1敗、APランキング4位)

残りの試合:

フロリダ州立大
シタデル大
サウスカロライナ大
ACCチャピオンシップゲーム(仮)

4位のクレムソン大は現在トップ4チームの中でもっとも危ういチームと言えるかもしれません。シラキュース大という決して強豪とは言えないチームに敗れ、今後のスケジュールを見ても今以上に選考委員会にアピールできるような試合は残されていません。カンファレンスタイトル戦では誰が出てくるかによっては展開が変わりますが、クレムソン大としては無敗のマイアミ大と対戦してこれをなぎ倒すことがプレーオフ進出を確実にすることになります。しかしもし奇跡的にバージニア大が海岸地区を制することになれば、後続チーム(おそらくオクラホマ大)の出来次第ではクレムソン大がカンファレンスを制したとしても、トップ4から脱落する可能性はあると見ます。

5位 オクラホマ大(8勝1敗、APランキング5位)

残りの試合:

テキサスクリスチャン大(6位)
カンザス大
ウエストバージニア大
Big 12チャンピオンシップゲーム(仮)

現在上位4チーム以外でもっともプレーオフ進出に肉薄しているチームがオクラホマ大と言えるでしょう。先週は11位のオクラホマ州立大との点取り合戦を制して見事8勝目を挙げました。そして今週は6位のテキサスクリスチャン大と対戦。これを制することができれば2週連続でトップランクチームから白星を得たことになり、さらにウエストバージニア大とその後に出場が見込まれるカンファレンスタイトル戦を勝ち抜くことができれば、「クレムソン大とオクラホマ大、どちらが4番手となるか?」という大きな議論が沸き起こることになるでしょう。たとえクレムソン大が今後全ての試合で勝てたとしても、オクラホマ大の戦い方次第では彼らにプレーオフ進出の可能性は十分残されています。

6位 テキサスクリスチャン大(8勝1敗、APランキング8位)

残りの試合:

オクラホマ大(5位)
テキサス工科大
ベイラー大
Big 12チャンピオンシップゲーム(仮)

カンファレンス優勝候補と言われていたオクラホマ大が3週間前にアイオワ州立大に敗れ、テキサスクリスチャン大にしてみれば「これはチャンス!」と思ったことでしょうが、彼らもアイオワ州立大に土をつけられ、カンファレンスタイトルレースへの絶好のチャンスを逃しました。にしても、地区制度を敷かないBig 12カンファレンスにおいてこの敗戦はそこまでのダメージはないでしょう。もちろん無敗でいれば彼らが上位4チームの一角に食い込んでいた可能性はありますが。

テキサス工科大、ベイラー大という対戦相手に勝利しても大きなアピールはできないことを考えれば、テキサスクリスチャン大は是が非でも今週末のオクラホマ大戦で勝利し、さらにカンファレンスタイトル戦でもオクラホマ大とのリマッチを制することができれば彼らもオクラホマ大と同じようにクレムソン大にプレッシャーをかけられる存在になりそうです。

7位 マイアミ大 (8勝0敗、APランキング7位)

残りの試合:

ノートルダム大(3位)
バージニア大
ピッツバーグ大
ACCチャンピオンシップゲーム

これまで無敗街道を突き進むマイアミ大は先週当時13位のバージニア工科大を倒してプレーオフ選考委員会にいいアピールを見せることができました。そして今週末のノートルダム大に勝つことができれば無敗チームとして彼らの先を行くオクラホマ大/テキサスクリスチャン大に大きくチャレンジすることができます。もしノートルダム大戦に勝ち、テキサスクリスチャン大がオクラホマ大を倒せば、マイアミ大がテキサスクリスチャン大を追い越して最低でも5位にまでランクを上げることができると予想します。

ただ、もしこの試合に敗れ1敗となるとノートルダム大、クレムソン大、オクラホマ大/テキサスクリスチャン大といった同じ1敗チームと肩を並べることは難しくなります。さらに未だ無敗のウィスコンシン大よりも上にランクされる可能性もなくなるわけで、たとえACCチャンピオンシップゲームに出場してクレムソン大(予想)を倒すことができてもトップ4チームに選ばれるとは考えづらいです。ですから彼らにとって今週末のノートルダム大がプレーオフ進出をかけた大一番ということになります。

8位 ウィスコンシン大 (9勝0敗、APランキング6位)

残りの試合:

アイオワ大(20位)
ミシガン大
ミネソタ大
Big Tenチャンピオンシップゲーム(仮)

Big Tenという強豪カンファレンス所属で無敗でありながら彼らの脆弱なストレングスオブスケジュールのせいで8位に甘んじているウィスコンシン大。プレーオフ進出においてそのストレングスオブスケジュールの重要さを身を以て証明しているのが彼らですが、オハイオ州立大、ペンシルバニア州立大といった東地区の強豪チームが相次いで敗れてしまったため、ウィスコンシン大のストレングスオブスケジュールを上げるチャンスを打ち砕く格好になってしまいました。

次戦対戦するアイオワ大が20位にランクされたことはウィスコンシン大にとってはわずかながら朗報となりましたが(もちろん倒せればの話ですが)、現時点で8位であるウィスコンシン大がプレーオフ進出を果たすには彼らが無敗でレギュラーシーズンを終え、さらに上位チームが相次いでズッコケるような波乱が起きなければならないでしょう。

9位 ワシントン大 (8勝1敗、APランキング9位)

残りの試合:

スタンフォード大
ユタ大
ワシントン州立大(19位)
Pac-12チャンピオンシップゲーム

プレーオフレースにおいてあまり名前が出てこなかったのがこのワシントン大です。それもこれも彼らが所属するPac-12カンファレンスが今季全体的に不調だからです。すでに総合成績でもカンファレンス成績でも無敗チームはおらず、カンファレンスで1敗チームがワシントン大とサザンカリフォルニア大のみ。彼らはチームとしてはおそらくどの2位集団チームともひけを取らないと思われますが、カンファレンスの弱体化に足を引っ張られています。そういった意味では上に挙げたウィスコンシン大と同じように上位チームが転がり落ちてくるのを待つほか無い状態です。

10位 アーバン大 (7勝2敗、APランキング10位)

残りの試合:

ジョージア大(1位)
アラバマ大(2位)
ルイジアナ大モンロー校
SECチャンピオンシップゲーム(仮)

CFPレースにおいてジョーカー的存在なのがこのアーバン大。現在まですでに2敗を喫していますが、今後のスケジュールを見ると今週末に1位のジョージア大、レギュラースケジュール最終戦で2位のアラバマ大、更にはSECタイトルゲームで再びジョージア大との試合もポテンシャルで残されています。仮にこれらの試合をすべて白星で飾れたとしたら、いくらこれまで2敗チームがCFPに進出した前例がなかったとしても、アーバン大をプレーオフに推さない声は聞こえてこないでしょう。その可能性は決して高くはありませんが、だからといって不可能でもないと思います。カレッジフットボールファンとしてはそんな大どんでん返しをぜひ見てみたいところです。

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