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故サラーム氏のハイズマトロフィーが競売に

故サラーム氏のハイズマトロフィーが競売に

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2016年12月にコロラド州ボルダー市内のとある公園で死亡していたのが発見された、1994年度のハイズマントロフィー受賞RBで元コロラド大選手だったラシャーン・サラーム(Rashaan Salaam)氏。今回サラーム氏が生前売却していたハイズマントロフィーが競売にかけられ、これまでオークションで競り落とされたハイズマントロフィーとしては最高額の約40万ドル(約4500万円)という値をつけたということです。

【関連記事】ハイズマントロフィー受賞RBサラーム氏が死去

サラーム氏は1994年にトロフィーを獲得してカレッジフットボール界でナンバーワン選手となると翌年のNFLドラフトでは第1巡目でシカゴベアーズに指名されます。ルーキーシーズンとなった1995年には1074ランヤードに10TDと活躍しますが、その後2シーズンは怪我に悩まされただけでなく多数のファンブル、そしてマリファナ所持などが明るみになって選手としての株は下落。その後クリーブランドブランズグリーンベイパッカーズなどを転々としますが、その時はすでにハイズマントロフィーを獲得した時のような輝きは失せ、そのまま2004年に現役を引退することになります。

その後はどうやら経済的にも不安定な状況に陥っていたようで、それを満たすために2011年にはハイズマントロフィー受賞者に送られる指輪を8000ドル(約90万円)で売りさばき、そして2014年にはトロフィーをも手放してしまったのです。そしてその2年後にはこの世を去るという非常に波乱に満ちた人生にピリオドを打つことになってしまいました。

検視の結果サラーム氏は脳にダメージが蓄積されていたことが判明。彼が昨今話題を集めている、複数の脳震とう(Concussion)の副作用でもあるCTE(Chronic Traumatic Encephalopathy)を患っていたことが明らかになったのです。CTEは主に激しいコンタクトが許されているアメフト選手に見られるコンディションですが、長い潜伏期間を経て脳を犯していくため、現役から退いた数年後から十数年後にその症状が現れると言われています。主に鬱のような精神状態や記憶障害、痴呆症などが報告されており、これを患っている元フットボール選手の生活水準は徐々に落ち、自殺のような最悪の結果に陥ることもあります。

ジュニア・セアウ(Junior Seau、元サザンカリフォルニア大)氏、デイヴ・ダーソン(Dave Duerson、元ノートルダム大)氏、ケン・ステイブラー(Ken Stabler、元アラバマ大)、さらには先日殺人の罪に問われて収監されたいた先で自殺したアーロン・ヘルナンデス(Aaron Hernandez)氏らも皆CTEを患っていたと言われています。そして今後もこの数は増えていくことが予想されています。

今回オークションを行ったカリフォルニア州のSCPオークションはこの収益金をCTEの研究のために寄付するということです。非常にエキサイティングで見ているものを楽しませてくれるフットボールですが、その裏でこのスポーツが非常にリスクの高いものであると改めて教えてくれました。アメリカではこのことが大々的に取り上げられて以来、非常にアグレッシブにルールを改正して選手の安全に努めています。激しいからこそフットボールだ!という意見もまだまだ聞かれますが、選手としての期間よりも引退後の人生の方がはるかに長いわけですから、その生活に影響を及ぼす脳しんとうを軽視することはできません。日本でどのように脳しんとうが取り上げられているかわかりませんが、願わくば若い選手たちそしてトップでプレーされている選手たちが正しい脳しんとうの処置を受けていることを願うばかりです。

ちなみに現在ハイズマントロフィー受賞者がトロフィーを売りに出すことは禁止されています。

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