NFLドラフト入りしなければよかった選手たち

NFLドラフトでは条件が満たされると大学を卒業しなくてもドラフト入りができる「アーリーエントリー(早期ドラフト入り)」という制度があります。もう大学レベルでやり残したことはないような選手や、早々にプロ入りして大金を手に入れようと企む選手、大学に残留して4年生時に怪我を負ってプロ入りを断念しなければならないような事態を危惧する選手らは早期ドラフト入りする傾向にあります。今シーズンでいうならばクレムソン大QBデショーン・ワトソン(Deshaun Watson)、ルイジアナ州立大RBレナード・フォーネット(Leonard Fournette)、スタンフォード大RBクリスチャン・マカフリー(Christian McCaffrey)らがその最先鋒です。

しかしうまい話には裏がある・・・。アーリーエントリーを宣告した選手は何があってもカレッジフットボールの世界には戻ってこれません。つまりもしドラフト入りを宣言しても、もしどのチームもその選手を指名しなければ、その選手は行き場を失ってしまうことになるのです。

また選手によってはもう1年大学に残留してそこで結果を残した方が翌年のドラフトでの株が上がる可能性も大いにあります。未熟なままプロの世界に飛び込んでプレーのチャンスを与えられないまま選手としての成長が止まり、そのまま2度とフィールドを踏む姿を拝むことができなくなる選手も実際居ます。その年の超注目株でもなければアーリーエントリーをすることは危険なギャンブルでもあるのです。

ウェブサイト「The Score」は2017年ドラフトでそのように早まってドラフト入りを宣言してしまったために、予想よりもドラフトで低順位で指名されてしまった、もしくは誰からも指名されなかったような選手、つまり大学に残留した方がよかった選手5人を紹介しています。ちょっと興味深かったのでここに紹介したいと思います。

ジェロッド・エヴァンズ(Jerod Evans、バージニア工科大QB)

昨年10勝4敗という好成績を残したバージニア工科大を率いたのがエヴァンズでしたが、彼がドラフト入りを表明したのには多くの人が疑問を感じたものでした。短大経由でバージニア工科大入りしたエヴァンズはたったの1年でチームを去りプロへの扉を叩きます。しかし残念ながらその扉は開かれることなく、どのチームからも声をかけてもらえませんでした。

ブラッド・カーヤ(Brad Kaaya、マイアミ大QB)

新監督マーク・リクト(Mark Richt)監督の下9勝4敗と躍進したマイアミ大。来年はプレーオフ進出も不可能ではないとすでに言われていますが、そんな急上昇中のチームからカーヤが出て行くことになった時は「なぜ?」と思った人も少なくなかったでしょう。そしてドラフト本番では第6巡目にしてようやくデトロイトライオンズに指名されましたが、QB全体では9番目ということで評価はイマイチ。これだったらマイアミ大でナショナルタイトル獲りを目指した後でプロ入りしてもよかったのでは・・・と思ってしまいます。

イライジャ・フッド(Elijah Hood、ノースカロライナ大RB)

フッドは12月の時点で一度ノースカロライナ大に残留すると表明していましたが、その2週間後に心変わりしてプロ入りすることに決めました。しかし肝心のドラフトでは最終ラウンドまで待たされることになり、ギリギリでオークランドレイダースに指名されました。しかしレイダースはすでに元シアトルシーホークスのスターRB、マーション・リンチ(Marshawn Lynch)を獲得しており、フッドがチームに残れるかは定かではありません。しかもこのドラフトではフッドよりも2ラウンドも先にチームメートのRB T.J.ローガン(T.J. Logan)がアリゾナカーディナルズに選ばれたのですから、フッドのメンツも丸つぶれです。

ダミエン・ママ(Damien Mama、サザンカリフォルニア大OG)

カーヤと同じくチームに残留していればナショナルタイトル獲得という晴れの舞台に立ち会えたかもしれなかったのがUSCのママです。サム・ダーノルド(Sam Darnold)というハイズマントロフィー候補QBを擁するUSCは来季に向け勢いに乗るチームであり、ママはそのチームのリーダーたる素質を持っていました。しかしドラフトではどこからも指名されず、最悪の場合古巣のナショナルタイトルゲームを自宅のソファーで眺めるしか術がないという事態に陥ってしまいました。(後日彼はドラフト外フリーエージェントとしてカンザスシティチーフスと契約を結びました)

マラチ・デュプレ(Malachi Dupre、ルイジアナ州立大WR)

2014年度のリクルーティングクラスのWRの中ではナンバーワンと言われたデュプレはルイジアナ州立大に進学。しかしラン重視の攻撃を旨とするルイジアナ州立大では1000ヤード以上のレシーブを成すことすらならず、それでもドラフト入りしてみれば第7巡目でようやくグリーンベイパッカーズに拾われた形になりました。ルイジアナ州立大はエド・オルジェロン(Ed Orgeron)監督新体制で新オフェンシブコーディネーターのマット・カナダ(Matt Canada)氏の汎用性の高いオフェンスに移行することを考えれば、デュプレはもう一年カレッジに残って名をあげてもよかったのでは・・・と思ってしまいます。

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