Pac-12カンファレンスメディアデー:リキャップ

プレシーズンメディアデーでパワー5カンファレンス最後の登場となったのがPac-12カンファレンスです。今回も気になった情報を厳選してお届けしたいと思います。

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カンファレンス業務連絡

Pac-12カンファレンスはゲーム時間を短縮する試みの一環として、交流戦(ノンカンファレンス戦)のみでハーフタイムの時間を短くし、TVのコマーシャルの数を減らす実験を今季試してみるということです。ハーフタイムは通常の20分から15分に。また攻撃権が移るたびに差し込まれるCMも減らされて試合の流れを止めることなく試合をスムースに運ぶのが目的のようです。

テレビ放送がない試合ならばだいたい3時間ほどで終了するものが、テレビ放映が絡んでくると3時間半以上に試合時間が伸びてしまいます。また試合にはテンポと言うものがありますから、CMの数が減るのは現場の人間にとっては非常にありがたい変更となりそうです。

サザンカリフォルニア大

昨年尻上がりに調子を上げてシーズン終了時には全米3位にまでランクを上げてきたサザンカリフォルニア大。その好調の要因となったのはQBサム・ダーノルド(Sam Darnold)の躍進が挙げられます。今季ハイズマントロフィー候補にも挙げられているダーノルドはメディアデーにも登場。

多くの関心が彼に寄せられる中、ダーノルドは落ち着いた様子でインタビューに答えていました。オフシーズン中にはたくさんのフィルムをみて自身のプレーを分析・研究したと言います。彼がオフシーズンで悟ったことは本能的なプレーが非常に重要であり、これがクリックすれば自ずと試合に勝つことができると話しました。ハイズマントロフィー、カンファレンスタイトル、そしてナショナルチャンピオンシップが視野に入る2017年度に向け準備は万端といった感じでした。

今季フルタイムの監督として2年目を迎えるクレイ・ヘルトン(Clay Helton)監督もまた大きな期待がかかる今シーズンに向けて抱負を語りました。チームからは数人の先発メンバーが去りましたので、次に控える若手選手がステップアップしなければいけないこと、今季はバイウィーク(試合のない週)がないこと、そしてナショナルチャンピオンシップへのプレッシャー等を語っていました。

昨年度の最終戦、ペンシルバニア州立大に競り勝ったローズボウル戦以来、ヘルトン監督はその勢いを持続させることに力を注いできました。そしてその勢いのままに今シーズンを迎え、大きなスタートダッシュを飾りたいと話しました。タイトル狩りへのプレッシャーに関しては大歓迎だとも述べ、USCでプレーする限り王座を狙うのは当たり前のことであり、平均で満足するようなチームではないからだ、と。就任時には頼りなさげなイメージもありましたが、ヘルトン監督は名門USCの長として一皮向けた感じが見受けられたのでした。

ワシントン大

昨年カンファレンスを制してカレッジフットボールプレーオフ(CFP)にまで進出を果たしたワシントン大。もちろんこれによりワシントン大のファンがチームに求めるハードルは高くなったのですが、これに関してクリス・ピーターセン(Chris Petersen)監督は一応の理解を示していました。そのチームからはスター選手であったブッダ・ベイカー(Budda Baker)、ジョン・ロス(John Ross)、ケヴィン・キング(Kevin King)らが抜けてしまいましたが、ピーターセン監督の焦点は彼らの跡を継ぐ若い選手たちの育成であることも当然ながら熟知していました。

「若手選手たちは我々が目指すものが何かを十分に理解しています。自分がプレーする順番が回ってきたからといって自動的にケヴィンやブッダのようにプレーできる訳ではありません。しかし彼らはケヴィンやブッダがどのようにプレーしてきたかを目の当たりにしてきました。我々はこれからの若い選手たちがそのレベルに到達できるように導いて行かなければいけません。それが早く達成できるかどうかは我々コーチ陣の腕にかかっていると言う訳です。」

また昨年スポットライトを浴びたQBジェイク・ブラウニング(Jake Browning)もメディアデーに登場。彼はオフシーズンに利き腕である右肩の手術を受けたこともあり、この怪我の状態に関して質問されました。

「調子はいいです。手術したことが遠い昔のことに感じるくらいです。ここ数ヶ月手術の影響を感じたことはありません。シーズンに向け準備は万端です。」

オフシーズンにワシントン大はオレゴン大からマット・ルビック(Matt Lubick)氏を新オフェンシブコーディネーターに迎えました。彼のコーチングを直に受けるブラウニングは新コーチの目指すものに大きな共感を得ているようです。

「オレゴン大はここ10年ほど素晴らしいオフェンス力を誇示してきましたが、コーチ・ルビックはオレゴン大から多くの良いアイデアをワシントン大に持ち込んでくれました。特に(元オレゴン大QBでハイズマントロフィー受賞者でもある)マーカス・マリオタ選手のフィルムが多く、彼の様々なプレーをフィルムで見るのが非常に楽しみです。」

メディアの間ではワシントン大の北地区制覇、そしてサザンカリフォルニア大とのタイトルゲームが予想されていますが、果たして彼らは昨年のような快進撃を再び演出することができるでしょうか?

スタンフォード大

昨年のスタンフォード大はハイズマントロフィー候補のクリスチャン・マカフリー(Christian McCaffery)を擁しながら主要ゲームで黒星を喫し、結果的には10勝を挙げることは出来たものの、これまでの出来からすればある意味残念だったシーズンとも言えます。ヘッドコーチのデヴィッド・ショウ(David Shaw)監督もそれはひしひしと感じているようです。

「我々は昨年二桁勝利数を飾ることができましたが、それでも不完全燃焼な感じは否めませんでした。しかし今年のチームは昨年よりも強いチームとなるチャンスを秘めています。数人のキープレーヤーを失いはしましたが、それでも完全なるチームになるチャンスがあると確信しています。」

前出のマカフリー、そしてドラフトで総合3番目に選ばれたDEソロモン・トーマス(Solomon Thomas)と言うトッププレーヤーを欠くスタンフォード大ですが、ショウ監督は今季のチームは以前よりも増して選手の層は厚くなり、それぞれが経験豊富な選手が多くいると分析しています。特にOLには大変な自信を持っているようで、今季このユニットがチームの要になると踏んでいるようです。

「全米で見てもベストユニットの一つ」とショウ監督が評価するスタンフォード大のディフェンシブバック陣はクエントン・ミークス(Quenton Meeks)、フランク・バンコム(Frank Buncom)、ジャスティン・レイド(Justin Reid)、アライジャ・ホルダー(Alijah Holder)が固めます。USC、ワシントン大に注目が集まる中、2012年以来5年間で3度のタイトルを獲得しているスタンフォード大も侮れません。

UCLA

今年でUCLA6シーズン目を迎えるジム・モーラ(Jim Mora)監督。昨年は4勝8敗と不甲斐ない結果を残してしまい、そろそろ大きな結果を残さないと彼の監督の椅子も危うくなるのではないかと囁かれていますが、今年度に向けモーラ監督は次のように抱負を語りました。

「我々の昨年のランオフェンスは全くダメでした。今季はここを立て直し、私の就任当初のような強いランゲームを復活させたいと思っています。RB陣は私が思い描くように成長してくれています。良い戦略も揃っていますし、選手たちもよく指導されています。そして彼ら自信がユニットとしてベストを尽くさなければならないと言う意識を強く持っています。」

「WR陣もまたいいユニットだと思います。しかし我々は彼らがよりコンスタントにいいプレーができるように仕向けなければなりません。そして何より彼ら自身にはしっかりとボールをキャッチしてもらわなけばなりません。昨年彼らはボールを落としすぎました。捕球することが彼らの一番の仕事なのですから、いいルートをとるよりもまずボールを捕ることを確実なものにしてもらいたい。」

ところでUCLAはオフシーズンにマイアミ大からの転校生(大学院)サニー・オドグ(Sunny Odogwu)をチームに加えました。今年24歳となるオドグがチームに加入したことは層に厚みを加えるだけでなく、彼の経験値をチームに還元できると言う意味で非常に大きいと述べていました。

「左タックルにコルトン・ミラー(Kolton Miller)、そして右タックルにオドグを据えることで我々のOLは巨漢かつアスレティックなユニットに生まれ変わりました。これによりガードポジションに余裕が生まれ、これまで我々になかった柔軟性がOL陣に生まれたのです。」

UCLAがタイトルゲームに進むには同じLAにキャンパスを置くライバル・サザンカリフォルニア大を倒さなければなりません。それには昨年怪我で戦線を離脱したQBジョシュ・ローゼン(Josh Rosen)の復活が必須条件と言えそうです。春季トレーニングですでにパスを披露していたローゼンですのでシーズン開幕には十分間に合うことでしょう。あとは彼をいかに怪我させずにシーズンを乗り越えられるかです。上に挙げたミラー及びオドグらの活躍が求められます。

オレゴン大

今季オレゴン大初シーズンとなるウィリー・タガート(Willie Taggart)監督はオフシーズンにすでにちょっとした騒動を起こすなどして出端をくじかれましたが、4勝8敗と撃沈した昨年度からの復活を胸に秘め新シーズンを迎えます。

が、このメディアデーでの関心は先日チームから退部させられたスターWRダレン・カーリントン(Darren Carrignton)の一件でした。飲酒運転で逮捕されたカーリントンは問題児としても知られていたようで、昨年のナンバーワンWRである彼の処分をどうするかで決断を迫られたタガート監督は結局カーリントンを退部させると言う厳しい処分を下したのでした。

「私は常に若者に救いの手を差し伸べたいと考えています。だからダレンにこのような決断を下さなければならなかったのは非常に辛かったです。誰だって自分の選手を辞めさせたくはないはずです。そして願わくば選手たちが望む夢、未来、ゴールを成就させる手伝いをしたいと思うわけです。しかしながら、守らなければならないルールもあります。そしてもしそれを破れば、其れ相応の対価を支払わなければならない。残念ながらダレンに関して言えば、我々は別の道を進むしか他になかったのです。彼は素晴らしいフットボール選手でした。彼が今後更生することを心から願っています。」

カーリントンは同じカンファレンス内のユタ大に転校することが決まり、しかもオレゴン大はユタ大と10月28日にホームで対戦することになっています。どうやら「因縁の対決」として注目されそうです。