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NCAAの次なる議題

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先月末NCAAは今後の取り組みについてのあれこれを発表しましたが、その中には全米の多くのコーチたちや大学関係者にとって朗報となりそうなルール改正が含まれているようです。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

一番注目すべきはレギュラーシーズンの期間を14週間に増加するということです。これは試合数を14試合にするというのとは違います。チームがレギュラーシーズン中に活動できる期間を14週間にする、ということです。これが施行されればチームはプレシーズンキャンプをこれまでよりも早く開始することができるのです。

現在は8月1日ごろが正式にシーズンの開始日となっていました。NCAAの新ルールとして今年からプレシーズンキャンプでは「Two-a-day(午前と午後の二部練習)」を禁止することになっています。これは選手同士のコンタクトドリル(ぶつかり稽古)を減らし怪我を予防するための処置ですが、このルールでは絶対的な練習時間が減ることは免れません。ですからもしシーズンそのものの期間が広がればプレシーズンキャンプを従来よりも早く開始することができ、二部練習禁止のせいで減る練習量を補うことができるというわけです。

また他のシナリオとしては14週シーズンになることにより、チームに試合のない「バイウィーク」をもう一つ増やせることになります。現行(13週期間)のシステムではチームは大抵1週間のバイウィーク、つまり試合のない土曜日が1つ組み込まれています。カンファレンスタイトルゲーム、ボウルゲーム、そしてカレッジフットボールプレーオフと昔から比べると試合数が増えたことは確かです。そうなれば選手への負担は否応無く増えていきます。バイウィークが2つに増えれば選手たちを休ませることもできますし、コーチ陣も時間に猶予ができ、その分対戦チームの分析の時間に当てたりリクルーティングの時間に当てたりできるわけです(コーチたちが休めるとは考えづらいです涙)。

さらに他に将来の議題として上がりそうなルール改正として選手がプレー資格を失わずに出場できる時間を増やすことが挙げられているようです。これはどういうことかというと、現在試合に全く出場しない選手にはその1年間分のプレー資格を使わずに繰り越せるシステムが存在します。これを「レッドシャツ」と言いますが、これだとレッドシャツ選手はプレー資格を確保する代わりに試合経験を全く積むことができなくなります。もし上にあげた新ルールが適用されれば、例えば1試合とか2試合程度なら出場してもその選手をレッドシャツにしてフルで試合出場ができるシーズンをセーブすることができるようになります。

あとはフットボールのコーチ以外のチームのスタッフ数を検証するというものです。コーチ以外にもたくさんの関係者がチームに関わっています。例えばアカデミックアドバイザー、業務部(フットボールオペレーション)、スポーツ医学、スポーツ栄養学、スポーツ心理学、などなど。最近では「アナリスト」というポジションも多用されていますが、NCAAはすでに各チームに現在どのような関係者がチームに関わっているのかを聞いて回っているということです。

選手のトランスファー(転校)ルールに関してもテコ入れが検討されるようです。このサイトでもちょくちょくお伝えしたこともありますが、転校に関して問題が起こることもしばしばあります。一番の問題は選手が転校したい場合、その選手が転校先でもスカラシップ(スポーツ奨学金)を授与されるためには転校元のチームからその許可を得なければならないということです。転校元のチームが選手の退部を防ぎたかったり、もしくは自分の戦力が他のチームに流出するのを防ぎたかったりした場合、選手が転校先でスカラシップを授与されないように仕組むことができるのです。経済的な理由により大学在学をスカラシップに頼っているような選手には大きな痛手です。NCAAはこの問題にメスを入れようと考えているということです。選手にとっては朗報ですね。

もっともこれらのルール改正は今年の10月に行われるNCAAの会議で話し合われ、承認されたとしてもそれが施行されるのは早くても来年度まで待たなければなりません。が、もしそうなればチームの管理運営面で大きな変化が訪れることになりそうです。

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