NCAAが10番目のアシスタントコーチ雇用を承認へ

カレッジフットボールは年を追うごとにビジネスとしての側面を加速し、様々な収入源から莫大な稼ぎをあげています。ただこれは事実ではあるものの、懐が温まっているのは一部のメジャーチームが殆どであることも確かです。特にFBSでも下部とされている「グループオブ5」の面々は「パワー5」チームと対戦することで得る収入やテレビ放映権、ボウルゲーム出場などで資金源は増えているものの、「パワー5」チームにはまだまだ敵いません。資金面での格差は現時点で存在する力の格差にさらに拍車をかけ、場合によってはFBSレベルでチームを存続するのが難しくなるチームすら出るくらいです。

資金が増えることでできることはたくさんあります。その多くはリクルーティングに使われることでしょうが、資金を人件費に回すことによってスタッフを増員することもまた可能になります。施設が素晴らしいこともそうですが、コーチやスタッフが増えることもまたチームにとってはプラスになるわけです。

現在NCAAはフルタイムのアシスタントコーチの数を9人までと上限を設けています。これは練習場や試合場で実際に選手と触れ合うことができる人たちのことをさしています。この上限をかいくぐるべく、最近では「アナリスト」というポジションが注目を浴びています。これらのアナリストは選手に直接指導はできないものの、舞台裏でチーム作りに関わることができる人たちです。

アラバマ大がその良い例で、これまでにスティーブ・サーキジアン(Steve Sarkisian)氏、マイク・ロックスリー(Mike Locksley)氏をアナリストとして招聘。サーキジアン氏は今年初めにナショナルチャンピオンシップでオフェンシブコーディネーターとして指揮をとり(その後アトランタファルコンズへ転職)、ロックスリー氏は今オフに正式にフルタイムコーチとしてアラバマ大に加入しました。

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そんな中かねてより要望が出ていた、10番目のアシスタントコーチ雇用について昨年10月に話し合いが行われ、NCAAはこの要望を聞き入れる方針を発表。当初は今年4月の最終会議で受理され2017年度シーズンから施行されるはず・・・でした。

しかしこの度この新ルールが施行されるのは早くても来年1月以降になりそうだとういニュースが入ってきました。その理由として10番目のコーチを雇う際のサラリーの問題が挙げられています。

それはアメリカのビジネスのサイクルは通常7月始まりの6月終わりであるため、4月にこのルールが施行されるとなると、資金繰りに苦しいチームは10番目のコーチを雇うだけの資金がない可能性があるからです。「パワー5」チーム達には痛くもかゆくもないかもしれませんが、「グループオブ5」のチーム達にとっては死活問題ともなりかねません。彼らに資金がないために10番目のコーチを雇えず、ようやく7月になって新たな予算が上乗せされた時には、すでに良いコーチ達はどこか別のチームに引き抜かれている可能性もあるからです。

ですから施行日を来年1月にすることで全てのチームが10番目のアシスタントコーチを雇うために予算を調整することができるようになるわけです。それが今回の施行日変更の目的ということです。

もちろん10番目のコーチを加えることができるからといって、絶対に10番目を加入させなければいけないわけではありません。しかしコーチが増えることにより、痒いところにも手が届くようにより細かく選手達を管理できることはチームにとってプラスとなります。ですから予算が厳しいチームもたとえ低賃金でも新たにコーチを雇う努力をすることでしょう。

10番目を起用できるということで、新たに128人のコーチがフルタイムコーチの職を得るチャンスが増えるわけです(アメリカ人に就職先を斡旋しようと豪語するトランプ大統領にとっては嬉しい話でしょう笑)。しかしそれはタダではないわけで、資金繰りが苦しいいくつかの中堅チームにとってはこれは頭痛の種の何物でのないのかもしれません。

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