マイアミ大の新OCは誰なの!?


シーズンが終わって現在活発なのがこれまでご紹介しているとおり選手たちのトランスファー(転校)話とコーチたちの転職話です。あるチームで監督が解雇されたり引退したりするとそこを起点として就職戦線が活発化します。新しい監督が既存のコーチ陣を解雇して新たなコーチたちを他チームから引っ張ってくる。そして引っこ抜かれてしまったチームはコーチを補充するためにまた別のチームからヘッドハントする・・・。こうして全チームが抜けたコーチの穴を補填するまでコーチングのマーケットは動き続けます。


そんな中先日ご紹介したのがマイアミ大のオフェンシブコーチ陣総入れ替えの話です。マイアミ大は先にマーク・リクト(Mark Richt)監督が突然引退を発表し、数週間前にテンプル大の新監督に就任したばかりだった元ディフェンシブコーディネーターのマニー・ディアス(Manny Diaz)氏を呼び戻して彼をヘッドコーチに任命しました。そして彼が最初に行ったのがオフェンスの大改革。なんとオフェンスの全コーチのクビを切ったのです。

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そしてこの時当サイトではヒューストン大から解雇されたばかりのメジャー・アップルホワイト(Major Applewhite)氏がディアス監督の新OCに就任するという話も紹介しました・・・。

しかし後日「マイアミ大の新OCにティー・マーティン(Tee Martin)氏が就任か」というニュースが飛び込んできました。

 

・・・アップルホワイト氏じゃなかったの??!!

 

マーティン氏はサザンカリフォルニア大でオフェンシブコーディネーターを務めていましたが、今季5勝7敗と不発に終わった責任を取らされる形で解雇されていました。元々マーティン氏は1998年に初代BCSナショナルチャンピオンに輝いたテネシー大の先発QBでした。ちょうどこの頃筆者はカレッジフットボールにのめり込み始めていたので、彼のテネシー大での活躍はよく覚えています。何と言ってもあのペイトン・マニング(Payton Manning)の後を受け継ぎ、彼が成し得なかったナショナルタイトルを獲得したことで彼は一躍テネシー大でヒーローになったのですから。

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テネシー大で現役時代のマーティン氏

カレッジ後にはプロ入りしピッツバーグスティーラーズなどに所属していましたが、選手引退後はコーチングの道に足を踏み入れ、経験を積みながらそのコーチとしての名を挙げていきました。そしてサザンカリフォルニア大のOCに就任するのですが、2017年度シーズン後に母校テネシー大の監督だったブッチ・ジョーンズ(Butch Jones)氏が解雇され、その空いた椅子を巡ってファンたちはマーティン氏の凱旋を懇願しましたが、様々な紆余曲折を経た後大学は元アラバマ大DCジェレミー・プルイット(Jeremy Pruitt)氏を起用したという経緯があります。

実は先日テネシー大はOCだったタイソン・ヘルトン(Tyson Helton)氏がウエスタンケンタッキー大の新監督に就任するためにチームを去り、その後釜を探していましたが、再びここでマーティン氏凱旋を熱望する声が上がりました。しかしプルイット監督はジョージア大でOCを務めていたジム・チェイニー(Jim Chaney)氏をヘッドハント。彼は2009年から2012年までテネシー大でOCを務めたことがあるという縁がありましたが、コーチとしてこれから先が長い母校の英雄であるマーティン氏を起用しなかったことは少なからずファンの不満を膨らませました。もちろんチェイニー氏がテネシー大オフェンスをジョージア大並にしてくれればそんなファンの不満も吹き飛ぶのでしょうが。

そんな折マーティン氏がマイアミ大のOCに就任するかも、という情報が流れてきたのです。オフェンシブコーディネーターほど重要なコーチは時が経てば立つほど市場から姿を消しますので、マイアミ大のディアス監督としても早いところ自身の右腕を確保したかったことでしょう。

しかしその報道から1日。今度はマーティン氏ではなくアラバマ大でつい先日OCに任命されたばかりのダン・イーノス(Dan Enos)氏がマイアミ大のOCに就任することになったという話で・・・。もうどの情報が本当なのかよくわからなくなってしまいました。

とはいっても今回のイーノス氏就任のニュースは本物のようです。

(イーノス氏はマイアミ大でコーチをした過去がないはずなので上の画像はフォトショップされたものということになりますが、仕事が早い!)

2010年から2014年までセントラルミシガン大で監督を務めたイーノス氏は2015年から2017年までアーカンソー大のOC、そして昨年度はアラバマ大のQBコーチとしてトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa)を指導。彼のハイズマン級の働きに大きく影響を与えました。アラバマ大では昨年度OCを務めていたマイク・ロックスリー(Mike Locksley)氏がメリーランド大の新監督に就任するためにアラバマ大を去ったためこのポジションが空いており、ニック・セイバン(Nick Saban)監督はイーノス氏を昇格させる話で準備は進んでいたようなのですが・・・。

イーノス氏はマイアミ大のOCに就任するにあたって寄せたコメントの中で「マイアミ大ほどの偉大なチームに合流できて光栄だ」みたいなことを言っていましたが、今のカレッジフットボールの勢力図を見ればアラバマ大とマイアミ大とくらべてどちらが「偉大なチーム」かは目に見えて明らかです。しかしながらそのアラバマ大を出てマイアミ大へ去っていったイーノス氏の姿を見、そして今のところ彼の他に共同OC兼WRコーチだったジョシュ・ガティス(Josh Gattis)氏がミシガン大へ、そしてOLコーチのブレント・キー(Brent Key)氏が彼の母校であるジョージア工科大へと転職していった事を考えると、セイバン監督の元でアシスタントコーチを務めるのも相当なストレスで皆嫌になって出ていってしまうのかなぁ・・・なんて勝手に想像してしまいます。

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アラバマ大にとってタガヴァイロアの成長に大きく関わったイーノス氏の流出は痛手

先日クレムソン大アラバマ大のタイトルゲームを分析した記事でも少し触れましたが、セイバン監督は過去4年間で実に13人ものアシスタントコーチが入れ替わっています。そして今回の4人を含めれば17人ということに。こんなにコーチの出入りが激しいのに毎年タイトル争いに加わるセイバン監督の手腕の凄さを感じますが、一方でやっぱりこれは異常な数字であることを考えるとやはり厳しい統制で知られる(俗に言うマイクロマネージ)セイバン監督の元で仕事をするのは生きた心地がしないのかなぁ、なんて。

何れにせよ1ヶ月の間でロックスリー、ならびにイーノス氏という2人のOCを失ったアラバマ大は他の空いたコーチのポジションも含めて再びコーチングマーケットに介入しなければならなくなりましたが、ひょっとしたら前出のアップルホワイト氏、もしくはマーティン氏がアラバマ大の新OCになるかもしれませんね。実際アップルホワイト氏は2007年にアラバマ大でOCを務めていた過去がありますから(もっともこの年はセイバン監督初年度であり、彼にとっては最悪のシーズンとなったのですが)。マーティン氏もテネシー大出身ということで所属するサウスイースタンカンファレンス(SEC)に精通しているということもありますし。

ちなみにイーノス氏がマイアミ大のOCになったことで面白くなってきたことがあります。それはアラバマ大のQBで現在転校先を探していると言われているジェイレン・ハーツ(Jalen Hurts)の動向です。元々パサーとしての能力がタガヴァイロアより劣っていたことで先発の座を奪われましたが(タガヴァイロアがすごすぎるという話もあり)、SEC優勝決定戦で見せたようにハーツはイーノス氏の指導でかなりパスの精度が上がっていました。もしハーツがカレッジキャリア最後の年をNFLにつながるようなシーズンにしたいのならば、イーノス氏に追従するというのも十分ありえると思います。

大学を既に卒業してしまったハーツは現在新天地探しに本腰を入れているようですが、その手始めに彼は現在ロックスリー新監督のいるメリーランド大を訪れているようです。

この後はマイアミ大にも訪れるそうですが、オクラホマ大もハーツ獲得に興味を示しているらしいという話もあります。オクラホマ大は2017年度にベーカー・メイフィールド(Baker Mayfield、現クリーブランドブラウンズ)、昨年度にカイラー・マレー(Kyler Murray)と2年連続でハイズマントロフィーを獲得したQBを輩出していますし、さらにいえばこの二人はどちらも転校生(メイフィールドはテキサス工科大、マレーはテキサスA&M大)ということで、アラバマ大からの転校生であるハーツがリンカーン・ライリー(Lincoln Riley)監督のもとで3年連続となるオクラホマ大出身のハイズマン受賞者となる、というシナリオもかなりドラマチックです。彼をめぐるトランスファーの話はまるでプロのFA(フリーエージェント)のような、かつて無いほどの注目を集めています。

 

それにしても今回マイアミ大の情報が二転三転したことで、確実な情報以外は鵜呑みにしてはいけないなと感じました。フライング気味で情報を流してしまい申し訳ありませんでした 🙇


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