ジョージア大新ヘッドコーチ、プレーオフ終了までアラバマ大に残留

12月7日の日曜日、アラバマ大ディフェンシブコーディネーター、カービィ・スマート(Kirby Smart)は真っ赤なネクタイを締めジョージア大ヘッドコーチ就任会見へ挑みました。ジョージア大の元プレーヤーでアシスタントコーチも一時期勤めていたカービィ氏がマーク・リクト (Mark Richt)氏に代わりヘッドコーチに任命されたのです。

しかしながらアラバマ大ディフェンシブコーディネーターとしてのコーチスマートという顔もまだ持っており、現在プレーオフ進出真っ只中のアラバマ大にシーズンが終了するまで残留することも表明しました。まさに二足のわらじ状態なわけです。

このデュアルポジションにはジョージア大学長と体育局長両人とも了承済みであると言っています。

「これから(アラバマ大で)大切な試合を控えているのに、選手たちを置いてチームを去るという非情なことはできない。今月(12月)時間をうまく使うことが非常に重要になる。簡単なことではないがそれが私に課せられたチャレンジなのです」とスマート氏は語っています。

スマート氏はアラバマ大がプレーオフ準決勝戦(対ミシガン州立大戦)への練習を開始するまでジョージア大キャンパスに留まるとのこと。「ここにいる限りは私は100%ジョージア大ヘッドコーチとしてリクルーティングの仕事をするつもりです。しかし一度タスカルーサ(アラバマ大キャンパス)に戻れば、命をかけてアラバマ大がナショナルチャンピオンになるべくチームに従事します。」

アラバマ大が準決勝戦のコットンボウルで勝てば1月11日に行われるナショナルチャンピオンシップゲームに進出。そうなればスマート氏がジョージア大入りするのは1月12日以降ということになります。

スマート氏がアラバマ大ディフェンシブコーディネーターとして働きながらジョージア大ヘッドコーチとしてリクルーティングするのは簡単なことではありません。彼の最初のプロジェクトは全米屈指の高校QBをジョージア大に繋ぎとめることです。ワシントン州出身の超高校級QBジェコブ・イーソン(Jacob Eason)はマーク・リクト前監督在任時にジョージア大入学を口頭で約束しました。リクト前監督はシーズン中わざわざワシントン州へ日帰りで飛行機を飛ばしイーソンに会いに行ったほど。しかしリクト氏がジョージア大から解雇されるとすぐさまジョージア大のライバル大であるフロリダ大への訪問を予定。まずは彼の気持ちをジョージア大に引き寄せることが先決です。

他の選手のリクルーティングも同時に行うということで、実際就任会見後にはすぐさまこの作業に移りました。イーソンにならびジョージア大にとって重要なリクルートであるOLのベン・クリーブランドは日曜日にはすでにスマート氏と並んで写っている写真を自身のツイッターに載せています。

スマート氏は日曜日の夜にはジョージア大の選手たちと初対面を果たしました。ミーティングでは監督が代わることが選手にとってどれだけ大変なことかは自分も同じことを経験しているのでわかるつもりだと語ったそうです。スマート氏がジョージア大で現役だった1996年にチームは当時のヘッドコーチ、レイ・ゴフ(Ray Goff)を解雇しジム・ドナン(Jim Donnan)を迎え入れたという過去があります。

ジョージア大も今回15年チームを引っ張ってきたリクト氏を見限りスマート氏を選んだわけですが、母校に凱旋しヘッドコーチとなったスマート氏と同じように、今回解雇されたリクト氏もまた自分の母校であるマイアミ大にヘッドコーチとして凱旋しました。ちなみにスマート氏は2005年にリクト氏の下RBコーチとしてチームに従事しました。

スマート氏がアラバマ大にいる間、ジョージア大はフロリダ州ジャクソンビルで行われる、タックススレイヤーボウルに出場、Big Tenペンシルバニア州立大と対戦します。この間はリクト氏時代のアシスタントヘッドコーチであるブライアン・マクレンドン(Bryan McClendon)が臨時ヘッドコーチとしてチームを指揮します。

2007年にアラバマ大にやってきたスマート氏は2008年からヘッドコーチ、ニック・セイバン(Nick Saban)の片腕としてディフェンシブコーディネーターを務めてきました。ディフェンス志向の強いセイバン監督の頭脳を叩き込んできたスマート氏は全米中からトップアシスタントとしてヘッドハンティングの的となってきました。今回母校ジョージア大に自身初のヘッドコーチとして戻ってきたのは頷ける話です。

スマート氏が率いてきたアラバマ大ディフェンス陣は常に全米でトップレベルを維持してきました。今季も強力なディフェンスをバックにSECタイトルを連覇。2012年以来の全米制覇を狙います。

スマート氏はジョージア大と6年契約で1年間で375万ドル(約3億7500万円)の収入が見込まれています。さらにジョージア大がナショナルチャンプになればボーナスとして160万ドル(約1億6000万円)が支払われるということです。ちなみにアラバマ大ではディフェンシブコーディネーターとして年間150万ドル(約1億5000円)のサラリーだったそうですが、これはアシスタントコーチとしては全米で最高額だったようです。

ジョージア大はリクト前監督のもと常勝を保ってきましたが、今回彼が解雇された理由は簡単に言うとSECタイトル並びにナショナルタイトル争いに絡めなくなったからです。解雇された今シーズンでも9勝3敗と数字だけ見れば監督が解雇されるようなものではありませんが、ジョージア大でのハードルがどんどん上がり、それだけでは満足できないという大学、そしてファンの声が今回の解雇劇につながったのです。リクト氏の業績をさらに越え、周囲の大きすぎる期待に応えられるか・・・スマート氏の手腕に注目です。