モーラ監督はスプレッドがお嫌い?

2016年度4勝8敗と散々なシーズンだったUCLAはシーズン終了直後にオフェンシブコーディネーターのケネディ・ポラマル(Kennedy Polamalu)氏を解雇。そして翌年1月早々にミシガン大のQBコーチ、ジェド・フィッシュ(Jedd Fisch)氏を新OCに迎えました。

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ミシガン大ではプロスタイルのオフェンスを好むジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督の手助けをした訳ですが、その手腕を見込んでUCLAのジム・モーラ(Jim Mora)監督はフィッシュ氏に白羽の矢を立てオフェンスの再建を彼に託した訳です。

スプレッドオフェンスでは勝てない?!

2016年度のUCLAオフェンスは大苦戦でここを何とかしなければいけないのはモーラ監督の最重要課題だったのですが、新OCを迎えるにあたりモーラ監督はその人物がどのようなオフェンスに精通しているかをもちろん吟味した訳です。結局フィッシュ氏が起用されることになるのですが、後日OCを探していたプロセスでどうしても譲れないものがあったというのです。

それはその人物が「スプレッドオフェンス」の担い手ではないかどうか、という事だったらしいです。もっといえば「スプレッドオフェンス」を操るOCは門前払いを喰らったという事です。

なぜならモーラ監督曰く、「スプレッドオフェンスを扱うチームはナショナルタイトルを獲ったことがない」からだそうです。

でも、それって本当でしょうか?

レシーバーを左右に広げてそれによって出来たスペースを上手く使いパスアタックを仕掛けていく「スプレッドオフェンス」が認知されて久しいです。故にこの攻撃術を採用するチームは多くいます。

有名どころで言えばアーバン・マイヤー(Urban Meyer)監督。彼はフロリダ大で2006年と2008年に、そしてオハイオ州立大で2014年に全米の頂点に立っていますが、言わずもがなこれらの彼のチームはスプレッドオフェンスをベースに組み立てられていました。遡れば2010年のアーバン大(QBカム・ニュートンが活躍)、2005年のテキサス大(QBヴィンス・ヤングを擁す)、そして2000年のオクラホマ大(QBジョシュ・ハイペルがチームを牽引)・・・。みなスプレッドオフェンスを用いてナショナルタイトルを獲得したのです。

ということでモーラ監督の「スプレッドオフェンスでは勝てない」という主張はちょっと眉唾物ですが、どちらにしても2016年度トータルオフェンスで全米91位という酷い有様だったUCLAのオフェンスの再建はフィッシュ氏の手腕次第となったのです。

苦戦するUCLAオフェンス

2015年度、それまでUCLAでOCを務めていたノエル・マゾーン(Noel Mazzone)氏はテキサスA&M大のOCに就任する為にUCLAを退部。その後釜にポラマル氏が起用されたのですが、何を隠そうマゾーン氏はそのスプレッドオフェンスを採用していた人物です。ポラマル氏を招聘した際にはモーラ監督は「TEとFBを重用した多面的なオフェンス」を用いるチームに育て上げたいと話していました。が、その試みは大失敗に終わり、ランオフェンスではなんとFBS128チーム中127位に沈んだのでした。

フィッシュ氏が救世主となるか

新OC就任にあたりフィッシュ氏はUCLAで「今いる選手の長所を活かしながら、複数のポジションの選手を使い、緩急のあるオフェンスで攻撃するチームを作りたい」とインタビューで話したと言います。

ミシガン大に合流するまでは2013年と2014年にNFLジャクソンビルジャガーズでOCを務めたのを含め合計4つの異なったチームでコーチングをした経験を持ちます。ただフィッシュ氏がジャガーズのオフェンスの責任者であった期間、チームは低迷を続けていたのですが・・・。

とはいえミシガン大では2015年にQBジェイク・ルドック(Jake Rudock)、2016年にはQBウィルトン・スピート(Wilton Speight)をカンファレンスを代表するQBに育て上げた実績もあります。UCLAには将来有望なジョシュ・ローゼン(Josh Rosen)が肩の手術から復帰してくる事が見込まれていますから、フィッシュ氏の指導の下QBとしてのローゼンの腕がさらに上がる可能性は大です。それがチームの全体の勝敗に影響するか・・・それはシーズンが始まってみないと分かりませんね。

モーラ監督をサポートする関係者達もいよいよチームが大きな結果を残してくれるようやきもきしている頃です。フィッシュ氏がモーラ監督の救世主となってくれるでしょうか?