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故パターノ氏の息子、ペンステートの理事会入りへ

故パターノ氏の息子、ペンステートの理事会入りへ

ペンシルバニア州立大(ペンステート)のレジェンダリーコーチ、ジョー・パターノ(Joe Paterno、故人)氏の実子であり、同チームの元アシスタントコーチだったジェイ・パターノ(Jay Paterno)氏がこの度大学の理事会(Board of Trustees)の役員に選出されました。

パターノ氏の遺族がペンステート理事会へ立候補

「ペンステートの理事会役員に選ばれたという事はまさに出兵するのと同じようなものです。恒久なる誇りと褪せる事の無い価値観をこの大学で植え付けていきたい。」とパターノ氏は意気込みを話しています。

ペンステートの理事会は38人の役員で構成されていますが、その内9人は同大学の卒業生による投票で選出されることになっています。今回の投票においてパターノ氏は最多数の卒業生票を獲得して理事会入りを果たしました。

ジョー・パターノ氏の功罪

パターノ家といえばやはりジョー・パターノ氏。彼はカレッジフットボール界でもコーチとしては最も成功した監督の一人として数えられています。彼の409勝はFBSレベルではトップの記録で、次点である元フロリダ州立大ボビー・バウデン(Bobby Bowden)氏の346勝を大きく突き放しています。現役の最多勝利監督が205勝のニック・セイバン(Nick Saban、現アラバマ大)監督であることを考えるとパターノ氏の409勝という数字がどれだけ凄いものか分かると思います。しかも彼の場合は全てペンステートでの記録なのです。

ただ、そんなパターノ氏の栄光は後年明らかになった「サンダスキー事件」によって地に落ちてしまいます。彼の長年のアシスタントコーチであったジェリー・サンダスキー(Jerry Sandusky)氏が未成年男児への性的虐待を何年にも渡り行ってきた事が明らかになり、その際その事実を知っていながら大きな行動に出なかったパターノ氏への批判が高まり、2011年にはその影響で解雇されてしまいました。そしてその3ヶ月後にパターノ氏は肺がんで他界されるのです。

パターノ氏自身は法律上の罪に問われた事は有りませんでしたが、事件の重大さを考慮して大学の功労者でもあったパターノ氏と縁を切る事を大学側は決めたのでした。

サンダスキー事件ではサンダスキー被告が最高60年の禁固刑を言い渡されましたが、被告側が上訴しておりまだ完全に沈静化した訳では有りません。この事件を受けてペンステートは大学全体としての監督不行き届きを指摘され、NCAAからも罰金とスカラシップ(スポーツ奨学金)の減少、さらにはパターノ氏の勝利数も剥奪(後に復活)されるなど余波は甚大でした。

何よりもペンシルバニア州立大の礎を築いたとも言われ、大学でもっとも愛されていた人物であったパターノ氏の評価がこの事件のせいで180度変わってしまった事が非常に残念な事です。この悪評を完全に取り返す事は恐らく不可能だと思われます。

ジェイ・パターノ氏の真意は・・・

その彼を父に持つジェイ氏は自分の父親を事件以来ずっと擁護してきました。実際父親を解雇することにした理事会自体を当時猛批判しており、その彼が理事会へ立候補した際には、彼の真の目的は「父親の尊厳を取り戻すため」の行動だと思われていました。

ペンステートでは象徴であったパターノ氏の銅像が撤去され、昨年200人もの元選手達がこの銅像の復活を望む懇願書を提出していました。今回ジェイ氏が理事会入りを果たしたことで、彼がこの銅像復活を後押しするつもりなのかと訊ねられた際、彼は「それは私ではなく他の誰かが考える事です。私はペンシルバニア州立大全体の将来をより良くする為には何をすべきかを考える方が遥かに重要なのです。」と話し、今のところ父親の事を理事会と言う内部からどうにかしようと考えてはいないようです。が、言わば「敵陣内」にあえて乗り込んでいったモチベーションは何かと問われれば、やはり自分が敬愛した父親への有らぬ疑いを晴らしたいから、と考えるのが自然である気がします。

私自身はパターノ氏にもし理不尽な言いがかりがかけられていたのならばぜひとも払拭してもらいたいと思います。が、それと同時にそれを許さないと言う全米の声が有る事も理解出来ます。サンダスキー事件は、慈善者としてもしられていたパターノ氏を一気に地獄の底に突き落とした事件であり、どんなに良いことをしていたとしても一つ判断を間違えればとんでもない結末を迎えてしまうと言う一例だと思います。

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