カレッジフットボールのグローバル化へ



海外でもプレーされるアメフト

アメフトはその名の通りアメリカで生まれたスポーツですが、海外でもプレーされるようになったスポーツでもあります。国境に面しているカナダ、メキシコはもとより、イタリア、ドイツ、フランスなどのヨーロッパ各国、エジプト、エチオピア、ガーナなどのアフリカ列国、アルゼンチン、ブラジル、チリなどの南米の国々、そして日本、韓国、オーストラリアなどのアジア・オセアニア地区と実は結構たくさんの国でプレーされているのです。


レベル的には発祥地であるアメリカのレベルが群を抜いているようですが、米プロバスケリーグのNBAでも海外の逸材がどんどん流入しているように、アメフトの世界でもそのような選手が現れてくることでしょう。

海外からの留学生選手

実際カレッジフットボール界でもそのような選手は増えてきています。最近ではオーストラリアからオージールールのラグビーで鳴らした選手がパンターやキッカーとしてカレッジフットボール界に挑戦するケースが増えていますし、ドイツ、スウェーデン、ベルギーなどからの留学生もリクルートとして入部する傾向があります。もちろんその数は限られていますが、海外からもそのような逸材がコーチらの目にとまるようになったのです。

日本からでも2018年度までUCLAに所属し、日本生まれの選手として初めて試合に出場した庄島辰尭選手やカリフォルニア大バークレー校でWRとしてチームに所属した遠藤太朗選手などカレッジフットボールに挑戦するサムライたちが登場するようになりました。大学から挑戦するというのは学業の面や語学の面で簡単なことではありませんが、4年間アメリカの大学のレベルで揉まれるというのは貴重な経験となると思うのです。

カレッジチームの海外遠征

そのようにアメリカ生まれでも海外とのつながりが増えてきているカレッジフットボールですが、アメリカのチームが海外へ赴くというケースも増えてきています。

例えば2017年度の開幕戦だったスタンフォード大ライス大の試合や2016年のカリフォルニア大ハワイ大の試合はオーストラリアで行われましたし、2016年にはアイルランドでジョージア工科大ボストンカレッジの試合も行われ、2020年には再びアイルランドでノートルダム大海軍士官学校の試合が予定されています。

日本でのカレッジフットボール

実は日本でもカレッジフットボールが行われていた時期がありました。1976年から1993年まで行われていた、オールスターゲム「ジャパンボウル」に加え、1977年から行われた公式戦「ミラージュボウル(後にコカコーラボウルに改名)」が1993年まで行われていました。出場したチームには当時優勝争いを演じたネブラスカ大ウィスコンシン大などの強豪校も名前も連なっており、在日のカレッジフットボールファンにとっては貴重なイベントだったことでしょう。

NCAA公式の試合は1993年以来行われていませんが、それとは別に「アイビー・サムライボウル」という、フットボールチャンピオンシップサブディビジョン(FCS)所属のアイビーリーグチーム選抜選手たちと、日本の関東学生連盟所属チームからの選抜選手が混合でジョイントチームを形成して試合を行ったイベントが有りました。2004年から2006年まで3年間行われたこのイベントは「アメリカ対日本」という形はとっていなかったものの、日本の学生選手がアメリカの選手と対戦したり共闘したりする、非常に貴重な機会でした。

アイビーリーグというのは、ハーバード大イェール大プリンストン大コロンビア大などの学業に秀でているチーム8チームで形成されているカンファレンスですが、アメリカで史上初めて行われたフットボールゲームがプリンストン大対ラトガース大(1869年)だったことや、カレッジフットボールの創成期はアイビーリーグチームが一世を風靡していたこともあり、アイビーリーグとカレッジフットボールの歴史は切っても切れない間柄なのです。

そんなアイビーサムライボウルも2006年を最後に行われていませんから、日本でのカレッジフットボールの露出度というのはほぼ皆無と言ってもいいものになっていました。

しかし2015年、上に挙げたプリンストン大がアメリカでの春休み期間を利用して渡日。関西の強豪・関西学院大ファイターズと対戦した「レガシーボウル」が開催されたのです。関西学院大創立125周年を記念して行われたこの試合、実は2001年にもこの両チームは対戦しており、そのときは27対25でプリンストン大が辛勝していました。

2015年のこの対決では大学王者の関西学院大がプリンストン大に36対7で完敗。プリンストン大は前述のようにFCS所属チームであり、アラバマ大やクレムソン大などの猛者たちが集うFBS(フットボールボウルサブディビジョン)所属チームと比べれば天と地の差の実力があり、そんなチームに手も足も出なかった日本の大学王者の関西学院大だったのですが、このレガシーボウルは勝ち負けというよりは日本とアメリカの大学選手がただ単純にフットボールを楽しむという、文化の橋渡し的役割を果たす上で重要なイベントであり、関西学院大選手たちがアメリカの大学レベルを肌で感じることが出来たこと、そしてプリンストン大はめったに来れない日本での交流など、お互い得るものは無限大だったに違いありません。

【参考記事】Sumo Wrestling and Sukiyaki: Inside Princeton’s Life-Altering Trip to Japan (外部リンク)

また昨年5月にはチーム全員ではなかったものの、テンプル大の小一行が日本を訪れています。

【関連記事】テンプル大一行が海を渡って・・・

日本以外でのカレッジフットボール

文化交流という意味ではミシガン大がここ数年行っている海外遠征も特筆すべきことだと思います。ジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督のリクルーティングのための余興だなどと揶揄されることもしばしばですが、選手たちからすればイタリア(2017年)やフランス(2018年)にチーム全体で遠征してその土地の文化を学ぶというのは大変貴重なことですし、アメフトを通じて現地の人々と触れ合えるのはある意味試合に勝つ事よりも大事な事だと思います。ちなみにハーボー監督はこの春チームを南アフリカに連れて行く予定だとか。

そしてつい先日、プリンストン大と同じアイビーリーグ所属のペンシルバニア大が日本の隣国である中国へ海外遠征を行いました。そこで中国の選手たちにクリニックを行ったり、「グローバルアンバサダーズボウル」と名付けられた試合で中国のオールスターチームと対戦。試合は85対0と全く勝負にはなりませんでしたが、アメフトというスポーツ普及のため、文化交流のため、ペンシルバニア大選手と中国代表選手たちは何物にも代えがたい経験をしたことでしょう。

海外遠征するにはとんでもないほどの資金が必要ですが、今後もカレッジチームが海外へ赴いてフットボールを通じて文化交流やフットボールの普及が出来るようになったら素敵ですね。そして日本でも再びカレッジフットボールの公式戦が組まれるようになったらいいなと願っています。



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