スターリングス氏のセオリー

華やかなカレッジフットボールの話題が飛び交う中、選手たちの素行の悪さがニュースに上がることもしばしばです。一番わかりやすいところで言えば昨年からずーっと議論されているベイラー大の一連のスキャンダルです。ただ選手たちの問題というのはどの大学チームでも多かれ少なかれあることで、何もベイラー大だけが荒廃したチームというわけではありません。これらの問題はどのコーチも抱えているもので、どのようにして選手たちに正しい決断をさせるか、正しいことをさせるか、というのは四六時中彼らの頭をよぎっていることでしょう。

寮生活撤廃が原因?

そんな中、元アラバマ大ヘッドコーチのジーン・スターリングス(Gene Stallings)氏は独自にこの悪しき傾向を分析し、その理由を導き出しました。なぜこんなにも選手たちのフィールド外での問題が起きるのか・・・。彼の答えは非常に興味深いものでした。

それは選手たちが選手専用の寮に済まなくなったから、だそうです・・・。

「朝の2時やら3時に外出していたらいいことなんて何も起きるはずがない。昔は選手たちはみんな同じ寮に寝泊まりしていて就寝時間も決められていた。でもNCAAがこの寮制度を撤廃したおかげで、それができなくなってしまったのです。あれは本当に間違った決断だったと今でも思います。」

つまりスターリングス氏のセオリーによると、寮生活をしなくなり選手たちへの規制が緩まったためにトラブルの発生度が増加した、というわけです。

選手個々の問題か?

しかし果たしてそれが本当の理由でしょうか?

確かに昔は選手一丸となってお互いを世話し合うという風潮はあったと思います。それに選手たちを寮に閉じ込めておけば必然的に彼らが夜な夜な街を徘徊して問題を起こすことも減るかもしれません。

ただそういったことは前時代的であることも事実です。今では選手たちにはより広い範囲で自由が与えられ、選手たちも押さえつけられることを嫌います。それはフットボール選手というよりも時代の変化のせいなのでしょう。今の選手たちは自由を与えられる代わりにより高いレベルでの自己管理、自己規制を要求されるわけです。

今の選手たちが問題を起こすのは、単純に彼らが誤った行動を起こしたり決断をしたりすた結果だと見ることが妥当だと考えます。寮に住んでいようが夜中に抜け出して悪さをした選手たちはおそらくゴマンといたことでしょうし、また現在のように一般寮やアパートに住んでいても何の問題も起こさない選手たちもたくさんいるわけです。

スターリングス氏は60年代から70年代にかけてテキサスA&M大、90年代にアラバマ大で監督を務め、1996年を最後に現場を退いた人物です。彼のようないわゆる「オールドスクール(昔かたぎ)」な人にとっては場合によっては変化しすぎることにも耐えられないこともあるのでしょう。ただ彼のいう寮スタイルは今の時代にはそぐわないコンセプトじゃないかなと思ってしまいます。もっとも今の選手たちが問題を起こしまくっているという状況を嘆くスターリングス氏の気持ちはよくわかりますが。