教え子を差し置いて・・・

2018年のNFLドラフトまであと1ヶ月となりました。世間ではモックドラフトと称してどのチームが誰をドラフトするかを予想するサイトで溢れています。時間があれば当サイトでも記事をあげてみたいですが、そんな中今ドラフトで注目されているQBに関する面白い記事を見つけました。

UCLAジョシュ・ローゼン(Josh Rose)と元サザンカリフォルニア大サム・ダーノルド(Sam Darnold)は共に4年生シーズンをスキップして早期ドラフト入りを宣言した選手。しかも二人の出身校は同じロサンゼルスに位置しライバル関係にあります。そのチームから輩出されたトップクラスのQBとなれば注目されるのは必然となります。

ダーノルドは昨年4143パスヤードに26TD、13INT、パス成功率63%、QBレーティングは148.1。一方のローゼンは3756パスヤードに26TD、10INT、パス成功率62%、QBレーティング147.0ということで数字上は非常に似通っている二人。先シーズン直接対決した時はサザンカリフォルニア大が28対23でUCLAに競り勝ったものの、ダーノルドが264ヤードに0TD(1INT)だったのに対してローゼンは421ヤードに3TD(1INT)という数字を残し、「次期ドラフト候補対決」の軍配はローゼンに上がっていました。

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そんな二人はスカウティングコンバインやそれぞれのチームで行われたプロデーを経て着々とドラフトに向けて準備を進めているようですが、メディアでは一体どっちのほうが先にドラフトされるのか?というディベートも起きています。

ドラフト1巡目で選ばれたほうが契約金などの待遇が格段に違うというだけでなく、選手のプライドという面でも重要になってくると思いますが、だからと言って早く選ばれたほうがベターな選手であるとも一概には言い切れません。プロチームそれぞれにニーズがあり、各チームの戦術やロースターの状況によれば必ずしもナンバーワンと目される選手だからという理由だけでドラフトされていくということはないと思います。

そんな中この二人に関して面白いコメントを残した人物がいます。元UCLA監督のジム・モーラ(Jim Mora)氏です。

モーラ氏は昨年5勝6敗と惨敗となった責任を取ってUCLAの監督の職を解かれましたが、言わずと知れて彼はローゼンのコーチだった人物。それだけではなく二人はローゼンがまだ小さかった頃から顔見知りの同士だったこともあり、モーラ氏が解雇された時はローゼンもかなり滅入っていたようですが・・・。

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今回のドラフトでドライチの権利を持っているのはクリーブランドブラウンズですが、先日出演したラジオ番組でモーラ氏はクリーブランドがQBをドラフトするならダーノルドかローゼンかどちらがいいかと尋ねられたところ、彼は教え子のローゼンではなくダーノルドだと明言したのです。

「チームにマッチしているかどうかという点で、私はクリーブランドブラウンズにはサム・ダーノルドがフィットすると考えます。彼はブルーカラー(直意は肉体労働をしている人たちのこと。主に中流家庭を指す言葉。タフネスが特徴)でタフな性格の持ち主。おそらくチームメイトに愛されるだろうし、また街からも彼は好かれることでしょう。(中略)もし私がニューヨーク(ジェッツかジャイアンツ)のチームの人間であればジョシュ(ローゼン)を指名するでしょう。どちらにしても二人ともプロの世界で大成すると思います。」

愛弟子を差し置いてライバルであるダーノルドの名を挙げたモーラ氏の発言には一瞬驚かされますが、先にも言ったようにチームの状況やニーズによってどの選手がフィットするかは変わって来ますから、モーラ氏の分析も一理あるでしょう。しかし当のローゼンがこれを聞いてどう受け取るんだろう・・・と考えてしまったりもします。

ただ、ローゼンは以前ドラフトに関して「自分は自分が行きたくないチームに高順位で選ばれるよりも、低順位でも自分が行きたいチームに選ばれたい」と話しており、それは暗にクリーブランドにはドラフトされたくないと言っているとも取れます。ですから、今回のモーラ氏の発言はそのローゼンの意を汲んで敢えてダーノルドをクリーブランドに推してローゼンを「行きたくないチームからドラフトされる」という状況から救おうとしたとも考えられます。

クリーブランドは「QBをダメにするチーム」なんて言われ方もしているチームですから、今回の発言は愛弟子をそんなチームに送り出したくないというモーラ監督の親心から出たものだったとはちょっと考え過ぎでしょうか?