アラバマ大のアナリストに元オクラホマ大DCのストゥープス氏



2017年から改められたNCAAルールのおかげでチームに帯同できるコーチの数が10人に増えました。コーチの数が多ければ多いほど選手に指導が行き届くわけですから、多いほういいに決まっています。しかしそれだと資金力に勝るチームとそうでないチームとの差が広がってしまうためにコーチの数に上限が定められているのです。


このコーチの定義ですが、基本的には選手を直接的に指導できる人物のことを指します。つまりコーチと呼ばれる人以外の人物は恒常的に選手に手取り足取り教えたりすることはできないわけです。

しかしこのルールを逆手に取った人物がいます。アラバマ大ニック・セイバン(Nick Saban)監督です。彼はコーチの上限が9人だった頃から「アナリスト」と称した人物を積極的に雇ってきました。この「アナリスト」はコーチではないため選手に直接指導をすることはできませんが、その頭脳を戦略的に利用するためにセイバン監督は過去様々な監督経験者を「アナリスト」として呼び寄せてきました。

例えばレーン・キフィン(Lane Kiffin、現フロリダアトランティック大監督)氏、マイク・ロックスリー(Mike Locksley、現メリーランド大監督)氏、スティーヴ・サーキジアン(Steve Sarkisian、アトランタファルコンズOC→現アラバマ大OC)氏、ブッチ・ジョーンズ(Butch Jones、現アラバマ大アナリスト)氏らはアラバマ大でアナリストとして起用された後に正規のコーチに昇格しています(ジョーンズ氏を除く)。

そして今挙げた人物は全て過去に他校で監督の経験がある人たちばかりです。キフィン氏はテネシー大とサザンカリフォルニア大、ロックスリー氏はニューメキシコ大、サーキジアン氏はワシントン大とサザンカリフォルニア大、ジョーンズ氏はセントラルミシガン大、シンシナティー大、そしてテネシー大でそれぞれチームを率いた経験があるのです。そんな監督経験者の頭脳をアナリストとして還元しようとしたセイバン監督。この手法が他チームでも真似されたことは言うまでもないでしょう。

監督として成功しなかったとしても、コーチとしての腕が一品な人たちは多数いるわけで、過去の失敗に囚われずに才能ある人物を積極的に招き入れたセイバン監督のアイデアがアラバマ大のダイナスティーを支えていると言っても過言ではないかもしれません。特にアラバマ大からは毎年アシスタントコーチが何人も抜けてしまうわけですから、アシスタントコーチ候補としてアナリストを囲っておけば、補填が効くと言う上手いシステムも出来上がっていたりします。

またセイバン監督の帝王学を身近で感じたいと思うコーチたちも多いようで、アラバマ大はそう言った一度失敗した監督たちの「リハビリ」の場とも化していると言うのが現状です。

そしてこの度この「アナリスト」と言う名のリハビリ施設に入居してきた人物がいます。元オクラホマ大ディフェンシブコーディネーターのマイク・ストゥープス(Mike Stoops)氏です。

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オクラホマ大時代のストゥープス氏

2016年度シーズンを最後に現役を退いたオクラホマ大の元監督ボブ・ストゥープス(Bob Stoops)氏の弟であるマイク・ストゥープス氏は兄の元でディフェンシブコーディネーターを務めた後2004年にアリゾナ大の監督に就任し2011年度シーズン後に解雇されるまで8年間チームを率いました。そしてアリゾナ大を解雇された後には再び兄のボブ氏の元へ戻りDCの任を拝命。ボブ氏が引退した後、チームはリンカーン・ライリー(Lincoln Riley)監督体制に移行しましたが、ライリー体制下でもストゥープス氏はDCを継続していました。

しかし2018年度シーズンのオクラホマ大は好成績の割にディフェンス陣だけは全米でも下から数えた方が早いほどの体たらくで、ライリー監督はシーズン途中にストゥープス氏を解雇すると言う荒治療を断行したのです。

【関連記事】オクラホマ大DCストゥープス氏が解雇に

現在57歳とまだまだコーチとしてはやれるストゥープス氏。オクラホマ大という名門で培った知識をセイバン監督が放って置くはずはありません。アナリストですのでストゥープス氏は選手を指導することはできませんが、相手チームのフィルムの分析や戦略を立てる時などに彼の頭脳が大いに役に立つに違いありません。

ちなみにアラバマ大は今オフに新しいOLコーチとして元ラトガース大監督のカイル・フラッド(Kyle Flood)氏も招聘しました。コーチ陣の出入りは激しいですが、セイバン監督の巧みなコーチ起用術で2019年度も安定した強さを見せられるでしょうか?



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