ボウルゲーム出場回避を巡る議論

カレッジフットボールだけで考えれば、レギュラーシーズンを勝ち抜き、カンファレンスタイトルを取得することや、ナショナルチャンピオンシップを獲得することが選手やチームにとっては大きな目標となります。またナショナルチャンピオンシップに出場できなくても、良い成績を残してポストシーズンのボウルゲームに出場することもまた大きな意味があることです。少なくとも以前はそう思われていました。

しかしトップ選手のアメフト選手としての人生は4年生(ないし3年生)のボウルゲームで終わるわけではありません。その先に控えるプロリーグであるNFLでプレーすることが、選手としての最大級のゴールであるとも言えます。そしてシーズンの集大成であるボウルゲームよりもその後のプロ生活の方が遥かに重要であるという雰囲気が近年高まりつつあります。

怪我回避のためのボウルゲーム不出場

昨年度で言えばルイジアナ州立大RBレナード・フォーネット(Leonard Fournette)、スタンフォード大RBクリスチャン・マカフリー(Christian McCaffery)がNFLドラフトに向けて万全の体制で臨むため、怪我の回避のためにそれぞれのチームが出場したボウルゲームをスキップしたという経緯があります。

これには賛否両論で、特に昔気質の人たちは彼らの行動に理解を示そうとはしませんでした。「何年も苦楽を共にしたチームメートと最後の試合をプレーするよりも、個人のゴールであるNFL入りを優先した、裏切者たちだ」という厳しい論調さえあります。

が、実際のところ昨年はノートルダム大ジェイロン・スミス(Jaylon Smith、トップ画像)、ミシガン大ジェイク・バット(Jake Butt)というドラフトに向けて高評価を得ていた選手たちが、ボウルゲームに出場してそれぞれ膝に大怪我を負い、ドラフトでの指名順位に大きな影響を及ぼしたという事例もあるにはあります。ただ彼ら個人は、何億円という損失をした(スミスは1500万ドル、バットは250万ドルと言われています)と言われる中、揃ってボウルゲームに出場したことを後悔してはいない、と断言していますが。

もちろん出場すれば怪我を負う確率は増えるわけですが、本当に怪我するかどうなかんてわかるはずはありません。今回フォーネットとマカフリーは怪我を負うリスクを回避し、結果ドラフトでは両人共第1巡目で指名され(フォーネットはジャクソンビルジャガーズへ、マカフリーはテネシータイタンズへ)、高額の契約金を手にすることができました。個人のバックグラウンドはそれぞれですので、一概に彼らの決断を一刀両断できないのは確かです。

スウィニー監督は・・・

そんな折、思ったことはズバッということで知られているクレムソン大ダボ・スウィニー(Dabo Swinney)監督はこの最近の傾向について意見を求められることがあり、下のように答えました。

「私がプレーしていた時、ボウルゲームを辞退するなんということは想像すらしたことがありませんでした。とどのつまり、どんなゲームであってもリスクは存在するのです。怪我するのが怖いなら、なぜレギュラーシーズンでの試合に出場したのでしょうか?もっと言うならなんのためにプレーしているのでしょう?これは私個人の意見ですが、もしプレーしたくないと言う選手がいるならば、私は『ではプレーしなければ良い』と言ってあげるでしょう。そうすれば次に控える選手をフィールドに送り出してあげるのですから。」

クレムソン大はここ2年間プレーオフに進出し、ナショナルタイトルをかけて戦ってきました。この状況下でさすがに試合に出ないと言う選手はいませんでしたが、今後もしクレムソン大がプレーオフ以外のボウルゲームに出場した時、自身のチームからプロ入りのためにボウルゲーム出場を拒む選手が出てきたとしたら、スウィニー監督はどう反応するでしょうか・・・。