Championship Saturday 〜第14週目レビュー〜

クレムソン大45、ノースカロライナ大37(ACCチャンピオンシップ)

ACCアトランティック地区代表のクレムソン大とコースタル地区代表ノースカロライナ大との決定戦。シーズンの早い段階から優勝候補に挙げられるほど力を見せて来たクレムソン大に対し、シーズン初戦でサウスカロライナ大に敗れそこからじりじりと這い上がって来たノースカロライナ大と2つの異なる勢いがぶつかり合ったこの試合。終盤ググっと評価が上がって来たノースカロライナ大が全勝中の全米1位クレムソン大を敗るのではないかと注目が集まりました。

試合は予想通りクレムソン大主導で試合が進みましたが、ノースカロライナ大も離されそうになりながら点差を詰め、クレムソン大に息つく暇を与えませんでした。そんな点の取り合いとなったゲームで光ったのがやはりクレムソン大QBデショーン・ワトソン(Deshaun Watson)。ワトソンはハイズマントロフィー候補にも挙げられる全米トップクラスの選手ですが、この日は一人でトータル420ヤードを叩き出し3つのTDに絡みました。結果、今季ノースカロライナ大にとってワーストとなる45失点をお見舞いしたのです。

しかし点差からも分かる様に必ずしもクレムソン大の独走という展開にはなりませんでした。クレムソン大のスペシャルチームが足を引っ張り、48ヤードのフィールドゴールキックを外し、パンターが判断ミスを犯しノースカロライナ大に絶好のフィールドポジションを献上したり、DBのT.J.グリーン(T.J. Green)がノースカロライナ大のパントリターナーのヘルメットへ故意にぶつかっていったとしてターゲティングのペナルティを取られたり。この様にスペシャルチームの失敗がノースカロライナ大に付け入る隙を与えたのです。

しかし点差を縮めはするもののノースカロライナ大がリードを奪えなかったのは、クレムソン大が点を取られてもバランスが素晴らしいオフェンスがあったからです。ワトソンがその軸なのは周知の事実ですがRBウェイン・ガルマン(Wayne Gullman)も187ヤードに1TDを記録する活躍を見せ、この2人のランゲームはノースカロライナ大ディフェンスを後半徐々に引きはがし、リードを守り切りました。

諦めないノースカロライナ大は必至に食い下がりますが、肝心要のRBイライジャ・フッド(Elija Hood)がいつもの走りを見せることが出来ませんでした。この試合まで3試合連続で100ヤード以上のランを決めて来たフッドでしたが、この日は100ヤード以下の65ヤードと不調。というよりもクレムソン大のディフェンスがフッドを封じ込めたと言った方がいいかもしれません。

プレーオフ進出にむけノースカロライナ大で不安視されていたのはスケジュールでした。11連勝と波に乗ってはいたものの、格下FCSとの試合が2試合も組み込まれ、しかもメディアが納得するような印象的な勝ち星が無く、だからこそこのクレムソン大との大一番で勝つ事が必須事項でした。しかしながら攻守揃ったクレムソン大を攻略するのにあと少し及ばず、頼みのディフェンスもクレムソン大にトータル608ヤードに33ファーストダウンを許してしまい、地力の差が出てしまいました。

フッドと並んで今季ノースカロライナ大の中心人物であったQBマーキース・ウィリアムス(Marques Williams)もクレムソン大ディフェンスに終始プレッシャーをかけられコンスタントに正確なパスを投げさせてもらえませんでした。

37失点してしまった事に一抹の不安を覚えますが、とにもかくにも全勝でACCタイトルを奪ったクレムソン大は胸を張ってプレーオフ進出チームに選ばれる事でしょう。

アラバマ大29、フロリダ大15(SECチャンピオンシップ)

ディフェンスとディフェンスがぶつかり合ったこのマッチアップ。第1Qはアラバマ大のセーフティーのみの2対0とまるでサッカーゲームのようなスコアリングでした。前半はアラバマ大が攻撃のテンポをつかむのに手間取り、その間にフロリダ大はパントリータンTDを決め7対2とリード。フィールドゴールで7対5としたアラバマ大は前半終了間際にエースRBデリック・ヘンリー(Derrick Henry)のランTDが決まり12対7で前半を折り返します。

前半だけ見るとアラバマ大が今季対戦して来たディフェンスの中でもフロリダ大ディフェンスは最強といってもいいくらいの実力を持っていましたが、ヘンリーの走りが少しずつフロリダ大ディフェンスの穴をこじ開けていきました。また全米でもトップレベルにあるフロリダ大のバックフィールドでしたがついに彼らを交わしQBジェイク・コーカー(Jake Coker)からアーダリウス・スチュワート(Ardarius Stwart)への32ヤードパスが決まり点差を突き放します。

アラバマ大はさらに第4QにパスTDを決め、試合終了間際にフロリダ大に46ヤードのパスTDを奪われはしましたが、後半はフロリダ大ディフェンスがへばり終わってみればアラバマ大が勝利しカンファレンスタイトルを昨年に続き連覇でゲット。ヘンリーは前半こそフロリダ大ディフェンスに攻略されていましたが、最終的には44回のキャリーで189ランヤードを記録。そしてこの試合でSECのシーズンラッシュヤード新記録(1986ヤード)を打ち立てました。

フロリダ大はディフェンス陣がアラバマ大の攻撃をよく押さえていましたが、オフェンスがアラバマ大ディフェンスをまったく攻略出来ず、その間にディフェンス陣がガス欠に陥りほぼ自滅状態となりました。

ミシガン州立大16、アイオワ大13(Big Tenチャンピオンシップ)

勝ったほうがBig Tenカンファレンスの栄冠を手にするだけでなく、プレーオフ進出も確約することができたこの試合は、伝統劇なBig Tenフットボール、つまり泥臭い地上戦の戦いとなりました。

試合はロースコアな展開で第4Qまで両チームともTDを奪えない展開。試合が動いたのは第4Qの最初のプレー。アイオワ大QB、C.J. ベサード(C.J Beathard)からWRテヴァウン・スミス(Tevaun Smith)への85ヤードのロングバスが炸裂しアイオワ大が13対9とフィールドゴール合戦から抜け出しました。

しかし試合のクライマックスはこの3ポゼッション後。残り時間9分31秒から始まったミシガン州立大の攻撃、自陣18ヤードからじりじりとアイオワ大陣内へと攻め込んだ彼らは最終的に22プレーの末RB、L.J.スコット(L.J. Scott)の1ヤードランTDが決まり試合時間残り27秒でミシガン州立大が逆転。実に9分以上かかったこのドライブはまさに今シーズンベストドライブといっても過言ではない、魂のこもった攻撃でした。

結局そのままミシガン州立大が逃げ切り見事カンファレンスチャンピオンとなり、プレーオフ進出を手に入れました。アイオワ大はチームレコードとなる12勝0敗のシーズンを送りましたが、最後の最後に土がつき悲願のタイトル奪取およびプレーオフ進出を逃しました。「今年のアイオワ大の快進撃はまぐれだ」という声を打ち消すような試合展開でミシガン州立大の攻撃を第3Qまでシャットアウト。しかし自身のランオフェンスがミシガン州立大ディフェンスを攻略できずそれが結果的に響きました。

スタンフォード大41、サザンカリフォルニア大22(Pac-12チャンピオンシップ)

シーズン第4戦目のリマッチとなったこの試合。第1戦目は41対31でスタンフォード大が勝利しました。この試合にスタンフォード大が勝てばCFPランキング上位チームの状況如何では彼らにも僅かながらプレーオフ進出のチャンスが残されたこの試合。サザンカリフォルニア大(USC)は最近6試合で5勝と上昇気流に乗っているチーム。リベンジをかけてスタンフォードに挑みました。

試合はUSCのキックオフで始まります。それをリターンするのはハイズマントロフィー候補のマルチプレーヤー、クリスチャン・マカフリー(Christian McCaffrey)。マカフリーは31ヤードをリターンし、スタンフォード大ファンに火をつけます。第1Qはスタンフォード大が3回連続攻撃ターン毎に得点を重ね13対3で前半終了。

後半のUSCの最初の攻撃でようやく彼らがTD奪取に成功。その次のポゼッションでもTDをゲットし、この日初めてスタンフォードからリード奪います。しかしスタンフォード大は冷静でした。返しの攻撃、QBケヴィン・ホーガン(Kevin Hogan)からマカフリーへの67ヤードのロングバスが炸裂し、一気にボールをUSC陣内に攻め込み最後はホーガンの7ヤードランTDが決まり、計4プレーであっけなく逆転。その後スタンフォード大ディフェンスがUSCのファンブルをエンドゾーンまで運んでさらに得点を重ねると、USCのQBコディ・ケスラー(Cody Kessler)が今度こそはとTDランを決め27対22と、なんとか離されまいとします。

しかし返しの攻撃、スタンフォード大は約6分のドライブでTDを奪うと残り時間6分余りで34対22とリードを広げ、USCの逆転のチャンスをそぎ落とします。あとは試合終了間際に駄目押しのTDを決め結局41対22の大差でスタンフォード大がPac-12のチャンピオンに輝きました。

この試合のMVPはやはりなんといってもマカフリー。投げては11ヤードの先制TDを決め、走っては1TDを含む207ランヤード、さらに105ヤードのレシーブを記録すればキックオフ・パントリターンでもヤードを稼ぎ、最終的に461ヤードのオールパーパスヤードをマカフリー一人で叩き出しました。ハイズマントロフィー授賞式が行われるニューヨークへのチケットを確実に手にした夜となりました。

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