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2018年度チームプレビュー
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ミシガン大ウルヴァリンズ

オフェンス

ジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督が母校であるミシガン大の監督に就任して今年で4年目になります。大学時代にQBとしてプレーしたハーボー監督は当然ながらオフェンスをバックボーンとするコーチですが、これまで3年間で育成してきたミシガン大フットボール部のオフェンスは正直パッとしませんでした。

その原因はおそらく秀逸QBの欠如に挙げられると思います。昨年のウィルトン・スピート(Wilton Spieght)は決して悪いQBではありませんでしたが、ミシガン大が強豪チームと渡り合っていく為には彼は少々役不足な感じが否めませんでした。また彼のバックアップだったジョン・オコーン(John O’Corn)にしてもしかり。

そんなQB事情に降ってわいたのがミシシッピ大のQBシェイ・パターソン(Shea Patterson)の転校話です。

ミシシッピ大は昨年開幕前に監督であるヒュー・フリーズ(Hugh Freeze)氏を私事の不祥事を理由に解雇。彼にリクルートされて入ってきた選手たちは突如その頭を失うことになります。しかしNCAAの助言もありミシシッピ大はそんな「計算が狂った」選手たちに転校することを許可しました。普通ならこういった場合は転校先で1年間試合出場を待たなければならないのですが、彼らには無条件の転校を許したのです。

しかしすでに2年間プレーしていたパターソンはこれに当てはまらず、転校することはできてもすぐにプレーすることはルール上出来ないことになっていました。すでに12月の時点でミシガン大へ転校することを表明していたパターソンはNCAAに対し2018年度シーズンからプレーできるように直訴。一時はミシシッピ大がそれを支持しないということで却下されましたが、4月に晴れて全て丸く収まりパターソがミシガン大で今季からプレーできることが可能になったのです。

ミシシッピ大はフリーズ元監督の超アグレッシブなリクルーティングにより多くの有能リクルートを引き寄せることに成功し、それがチームの強化に直結していましたが、パターソンはそんなフリーズ元監督の秘蔵っ子の5つ星リクルートでした。ミシシッピ大では10試合に先発出場しましたが、そこで稼いだ3139パスヤード、23TD、12INTという数字は、昨年スピート、オコーン、そしてブランドン・ピータース(Brandon Peters)3人で稼いだ2023パスヤード、9TD、8INTという数字をほぼ上回っています。

ハーボー監督は4年目にしてようやくチームのオフェンスを最大限に活かせるQBに出会えたのでしょうか?もしパターソンがそれに見合う選手であるならば、ミシガン大はいよいよ全米の檜舞台に復活するというシナリオが見えてきそうです。

(ちなみにスピートはオフシーズン中にUCLAに転校しました。)


ディフェンス

ここ最近のミシガン大のディフェンスはパンチ力に欠けたオフェンスの分を補うかのごとく全米トップレベルを維持しています。それはひとえにリクルーティングによる増強と2016年からディフェンスを率いているディフェンシブコーディネーターのドン・ブラウン(Don Brown)氏の手腕によるものだといえます。

昨年度は2016年にハイズマントロフィー最終候補にも選ばれたLBジャブリル・ペッパーズ(Jabrill Peppers)らが抜けたのにもかかわらず全米3位の守備力を誇るユニットを世に送り出しました。またブラウン氏指揮下の2年間で相手チームに400ヤード以上を許したのはたったの2度。一方300ヤード以下に抑えた試合は実に16ゲームにまで及びます。さらに対戦した全チームのうち88パーセントのチームがミシガン大戦でチームのシーズン平均獲得ヤードを下回ったという数字も残っています。

ミシガン大オフェンスに爆発力がないのにもかかわらず試合に勝つことが出来ているのは圧倒的なディフェンス陣の力のおかげなのです。

ディフェンシブラインからは今年のNFLドラフトで第5巡目にオークランドレイダースに指名されたDLマウリス・ハースト(Maurice Hurst)を失いましたが、チェイス・ウィノヴィック(Chase Winovich)、ラシャン・ゲリー(Rashan Gary)という逸材が健在。LBのデヴィン・ブッシュ(Devin Bush)と合わせて鉄壁のフロントセブンを形成します。

バックフィールドにはオールアメリカン候補のラヴァート・ヒル(Lavert Hill)が中心となりますが、彼とコンビを組む、マンカベレージを得意とするセーフティーが誰になるのかが気になるところです。ブラウン監督のアグレッシブなディフェンスを完遂するには信頼おけるフィニッシャーのセーフティーの存在が不可欠だからです。

どちらにしても今年のミシガン大のディフェンスはカンファレンス内では1,2位を争う力を持っており、全米レベルで見てもどのチームと比べても見劣りしない人材を揃えたエリート軍団です。それは2016年度シーズンから踏襲された流れをくむものですが、その多くが3年生4年生であり、特に3年生の多くの主力が今シーズン後に早期ドラフト入りするともささやかれていますから、このレベルのディフェンスを用意できるのは今年が最後・・・なんて分析する人達もいるくらいです。

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スケジュール

ミシガン大の開幕戦の相手はあのノートルダム大。もともとライバル関係にあり、1978年以降はほぼ毎年対戦があったカードでしたが、2014年以来このライバリーは一時休戦状態にありました。しかし今年から2年の契約でこの取り組みが復活。開幕の週の目玉ゲームの一つになります。ノートルダム大はQBブランドン・ウィンブッシュ(Brandon Wimbush)とRBジョシュ・アダムス(Josh Adams)という抜群の機動力を持つチーム。ミシガン大ディフェンスにとって相手に不足はありません。

シーズン4戦目にはカンファレンス戦の所詮となるネブラスカ大との試合が控えます。今年から彼らはスコット・フロスト(Scott Frost)新監督に率いられることになりますが、フロスト監督が昨年指揮して13勝無敗というシーズンを送ったセントラルフロリダ大のような、フィールドを目一杯使うオフェンスをネブラスカ大でもインストールしているとなれば、ミシガン大ディフェンスのバックフィールドの真の力が試される試合となりそうです。

5戦目と6戦目のノースウェスタン大メリーランド大の試合も軽視は出来ませんが、7戦目から始まるウィスコンシン大、ミシガン州立大、ペンシルバニア州立大との3連戦が勝負の分かれ目です。ウィスコンシン大は過去10年間で6度西地区を制し、しかもそのうち3度カンファレンスタイトルを獲得しているチーム。この両チームが対戦するころには双方がランキングにおいて上位に位置している可能性が十分あります。

ミシガン州内のライバル関係にあるミシガン州立大との試合も侮れません。ハーボー監督の存在と彼が行ってきた派手なリクルーティングによるミシガン大と違い、ミシガン州立大はマーク・ダントニオ(Mark Dantonio)監督の地味かつ地道なチーム育成によって全くカラーの異なったチーム同士の対戦になります。ミシガン州立大にはカンファレンス内でも5本の指に入れてもおかしくないQBブライアン・レウワーキ(Brian Lewerke)を擁します。いかにミシガン大が地力で勝っていてもこのマッチアップはどっちに転ぶかわからないというのは歴史が証明してくれています(過去10年間の対戦成績はミシガン州立大の8勝2敗)。

そしてミシガン州立大から1週のお休みを挟んでホームに迎え入れるのがペンシルバニア州立大。昨年ミシガン大はアウェーで彼らの42対13と大敗しています。スターRBサクオン・バークレー(Saquon Barkley)がドラフト入りしてチームから去りはしましたが、QBトレース・マクソーリー(Trace McSorley)というプレーメーカーを擁して再びミシガン大に立ちはだかるでしょう。

最後は言わずもがなオハイオ州立大とのライバリー決戦。今のところこの歴史的名勝負は最近15年間で12勝2敗でオハイオ州立大が大きくリードしています。どんなに全米ランキングで上位に位置していてもオハイオ州立大に負けただけでそのシーズンは駄目だったと評価されてしまうほどにこの試合結果が重要だとされるライバル対決。ハーボー監督がミシガン大に就任した際、ミシガン大ファンはこれでようやくオハイオ州立大に一泡吹かせてやれると思ったことでしょう。しかしそれはまだ現実のものとなっていません。今年こそ彼らの永遠の宿敵から白星を奪うことができるでしょうか?

総評

今季のミシガン大の成功の鍵を持っているのはオフェンス。過去数年間の間オフェンス力の欠如のために勝てる試合を落としてきたという事実があります。それはオフェンスを率いるQBがその大役を果たせなかったからだというのが理由にあげられると思いますが、今年はいよいよその役を任せられるポテンシャルを持ったパターソンがチームに合流。ハーボー体制で足かせとなっていたオフェンスの起爆剤として大いに期待されます。

パターソンを中心としたオフェンスがこれまでの殻を破ることが出来れば、全米屈指のディフェンスをしてミシガン大はいよいよカンファレンスタイトルを獲得して夢のプレーオフに進出する可能性も出てきます。もちろんそれには所属する東地区のミシガン州立大、ペンシルバニア州立大、オハイオ州立大との対決に加え、西地区雄・ウィスコンシン大戦でも白星を挙げなければいけません。この4試合がシーズン後半に組まれているため、1敗ならまだしも2敗してしまったら彼らのドリームシーズンに終止符が打たれてしまいます。ここをどう乗り切るかに彼らの命運はかかっています。

スケジュールは決して楽なものではありません。しかしだからこそ逆にこのスケジュールをして無敗ないし1敗でシーズンを乗り切れば(それに加えどの時点でどのチームにどんな試合をして負けたかによって)、彼らの今シーズンは高評価に値することでしょう。そうなれば彼らの悲願であるカンファレンスタイトル、プレーオフ進出、そして全米制覇の道筋が見えてきます。

カレッジフットボール界が盛り上がるにはミシガン大が優勝争いに絡んでくることが求められます。ハーボー監督が就任して以来その機運が高まってきていましたが、二桁勝利を挙げた最初の2年間はともかく、昨年は8勝5敗と周囲の期待に応えることはできませんでした。全米最多勝利数を誇る名門ミシガン大が満を持して今年プレーオフに進出し、1997年以来のナショナルチャンピオンとなるか・・・。お手並み拝見といきたいところです。

9/1
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ノートルダム大
9/8
ウエスタンミシガン大
9/15
サザンメソディスト大
9/22
ネブラスカ大
9/29
ノースウエスタン大
10/6
メリーランド大
10/13
ウィスコンシン大
10/20
ミシガン州立大
11/3
ペンシルバニア州立大
11/10
ラトガース大
11/17
インディアナ大
11/24
オハイオ州立大

*太文字はホームゲーム

フロリダ大
W, 33-17
シンシナティ大
W, 36-14
海軍士官学校
W, 29-13
パデュー大
W, 28-10
ミシガン州立大
L, 10-14
インディアナ大
W, 27-20
ペンシルバニア州立大
L, 13-42
ラトガース大
W, 35-14
ミネソタ大
W, 33-10
メリーランド大
W, 35-10
ウィスコンシン大
L, 10-24
オハイオ州立大
L, 20-31
サウスカロライナ大
L, 19-26

所在地
ミシガン州アナーバー市
所属カンファレンス
Big Ten(東地区)
ホームスタジア
ミシガンスタジアム
通算戦績
943勝339敗36分け
通算ボウルゲーム戦績
21勝25敗
ヘッドコーチ
ジム・ハーボー
28勝11敗(4年目)
86勝38敗(生涯通算)
前回全米優勝年度
1997年度
前回Big Ten優勝年度
2004年度
前回ボウルゲーム出場年度
2017年度(アウトバックボウル)

シーズン
総合
カンファレンス
2018
10-3
8-1
2017
8-5
5-4
2016
10-3
7-2
2015
10-3
6-2
2014
5-7
3-5
2013
7-6
3-5
2012
8-5
6-2
2011
11-2
6-2
2010
7-6
3-5
2009
5-7
1-7

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