アラバマ大の理髪室が意外な展開に・・・

「Wow Factor」なんて言葉があります。これは人々を凄い驚かす(Wow=ワオ!と言わす)物事のことを言いますが、カレッジフットボールのリクルーティングにおいても大学側の「Wow Factor」が非常に重要になってきます。リクルートが大学を訪れたときにどれだけ彼らに「Wow!」と思わせることができるか。その度合いによって彼らの気を引く事が出来、結果的にそのリクルートたちを自分たちの手元に手繰り寄せることができるからです。

その方法はいくらでもありますが、視覚に訴える方法としてはそのチームがどれだけ素晴らしい施設を持っているか、と言うのは手っ取り早いといえます。だから大学チームなのにプロ並みのビルディングがあったり、屋内練習場があったり、選手のロッカールームがあったりするのです。

それは昔からあった手法ですが、それに関する「Wow Factor」の通常の次元を超えてきたのがオレゴン大ではないでしょうか。スポーツ用品を取り扱う最大手企業であるナイキの創始者、フィル・ナイト(Phil Knight)氏がオレゴン大出身者であることから、彼の寵愛を受けるオレゴン大スポーツ部は彼のバックアップを受けてこれまでに他の大学チームでは見ることができなかった、斬新な施設を次々と建設していきました。

特にフットボール部関連の施設は圧巻で、彼らが10年ほど前に新設したフットボール施設には最新・斬新なデザインのロッカールームやウェイトルーム、アスレティックトレーニングルーム、ミーティングルームがあるだけでなく、その中には歯医者用のスペース、レントゲン室、薬局らが備え付けてあり、訪れたリクルートたちの度肝を抜くわけです。

上に挙げたビデオは2013年のものですが、オレゴン大はこれより前から関連施設の超アップグレードに力を入れており、そのせいもあってか一時はナショナルタイトルゲームに進出するほどまで力をつけました。

このような「Wow Factor」でリクルートの心をくすぐることに成功したオレゴン大の手法を真似しない手はないということで、その他の強豪かつ資金力のある大学らもまた綺羅びやかな施設を次々と新設・改築してオレゴン大に追いつき追い越せと争ってきたのです。

そんな中、現在王朝を築いているアラバマ大もまた素晴らしい施設を持つチームですが、なんと今年の初めに彼らの施設内に自前の理髪店がオープンしたのです。

「バマカッツ(Bama Cuts)」と名付けられたこの床屋さん。フットボール施設にバーバーショップなど昔なら考えられないことですが、実は前出のオレゴン大にも大分前からバーバーショップが備え付けられていますし、最新で斬新なアイデアであるとは言えません。しかしこれを見たリクルートたちが「Wow!」と思うことには変わりないでしょうし、何よりもリクルーティング戦争でライバルチームたちが自前の床屋を持っているならば、それに負けないように自分たちも・・・という風になるのは簡単に想像がつきます。

そんな中程なくしてアラバマ大はこの「バマカッツ」を舞台に卒業生とニック・セイバン(Nick Saban)監督がざっくばらんに語り合う様子を配信する、「ショップトーク(Shop Talk)」という動画を公開しだしました。3月末にお披露目になった初回はWRフリオ・ジョーンズ(Julio Jones、現アトランタファルコンズ)、DBエディ・ジャクソン(Eddie Jackson、現シカゴベアーズ)、LBライアン・アンダーソン(Ryan Anderson、現ワシントンレッドスキンズ)を迎え散髪しながらセイバン監督と過去を振り返って団らんする様子が配信されました。

バーバーショップで会話したり、バーバーショップが社交場になったりするシーンは、主に黒人が出演している映画などでよく見られる光景です。ですからこのスタイルも決して斬新ではありませんが、普段では垣間見ることが出来ないセイバン監督と卒業生たちのふれあいが見れるのはファンにとってはまたとない機会ですよね。

ただこれに苦言を呈した人物がいます。NBAのスーパースター、レブロン・ジェームス(Lebron James)です。

というのも、実はジェームスも同じような設定のネット配信プログラム「ザ・ショップ(The Shop)」に登場しており、彼(実際には彼が率いるビジネスグループが)が今回アラバマ大の「Shop Talk」は知的財産権侵害に当たるとして訴訟も持さないと抗議したのです。

それに対してセイバン監督はジェームスが登場している「The Shop」の存在自体知らなかったし、何も後ろめたいことは無いから今後も「Shop Talk」は続けていくと名言。その言葉にジェームスは反応して、「自分たちが作り上げたプラットフォームをパクることは許さない」とセイバン監督らに真っ向から立ち向かう様相を呈していたのです。

ただ話はここで終わりませんでした。なんと今度はジェームスと彼のパートナーたちが逆に訴えられるという事態に陥ったのです。

訴えたのはミシガン州デトロイトに拠点を置くビジネスグループ。彼らによるとジェームスらこそがこのアイデアを盗んだ張本人であると主張。元々地元でバーバーショップ兼社交場というスタイルのプラットフォーム立ち上げたのは彼らであり、ジェームスのグループとも似たような設定のプログラムを始めることを話し合っていましたが、じきにその話は頓挫。しかししばらくするとジェームス一行が「The Shop」を制作していることを知って問い詰めると、彼らは1度きりのプログラムだと話したそうですが、実際にはこれまで3話分が配信されています。

アラバマ大のプログラムに文句をつけた際に、さもそのアイデアが自分のものだと言わんばかりのジェームス一行の主張を聞いたデトロイトのビジネスグループが業を煮やして訴訟に持ち込んだのだと思います。先にも言ったとおり、この手の設定は目新しくもなく斬新でもないのにアラバマ大に噛み付いたために墓穴を掘った形になったのです。

今のところこの訴訟がどうなっているのかわかりませんが、アラバマ大の方はともかくジェームスの「The Shop」はおそらく次回はなさそうです。

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