アラバマ大QBハーツ、転校を決意か - ANY GIVEN SATURDAY

アラバマ大QBハーツ、転校を決意か

アラバマ大QBハーツ、転校を決意か

1月7日のまさかの大敗で2連覇を逃したアラバマ大。彼らにとってこの結果を飲み込むには時間が必要かもしれませんが、一方で来季に向けての動きは遅かれ早かれ始まっていきます。そしてそれは卒業してドラフト入りする選手、卒業を待たずに早期ドラフト入りする選手と様々です。そんな中チームからQBジェイレン・ハーツ(Jalen Hurts)がいよいよ来季どうするか決断するための第一歩を踏み出したようです。

2016年に1年生ながら先発QBの座を確保し、以降2年間その大役を果たしてきたハーツ。その2年間での彼の戦績は26勝2敗と素晴らしいものでした。2017年には所属するSEC(サウスイースタンカンファレンス)の年間最優秀オフェンス選手賞を獲得したほどです。しかし昨年のジョージア大とのナショナルチャンピオンシップゲームで前半大苦戦したハーツはこの大舞台で1年生のトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa)と交代させられてしまいます。

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1年生時から先発の座を託され26勝2敗という戦績を持つハーツ

リードされる展開で投入されたタガヴァイロアは1年生らしい判断ミスも多少ありましたが、ハーツよりもパサーとして優れた才能を持っていることを披露し、結果的にオーバータイムでの劇的な逆転勝利をお膳立て。チームの全米制覇に大きく貢献したのです。しかしそれは代えられたハーツにとってはとてつもなくプライドを傷つけられることだったでしょう。

オフシーズンには当然ながらこの二人のQBの先発争いが熾烈となり、メディアもそれを常々追いかけていきました。そして2018年度シーズンの開幕時に先発として出場したのはタガヴァイロア。この時はニック・セイバン(Nick Saban)監督は二人を使い続けると話していましたが、程なくしてタガヴァイロアが正QBとして定着。ハーツはタガヴァイロアのバックアップに甘んじることになります。

【関連記事】ハーツ vs タガヴァイロア?(2017年度の記事)

2018年度から新しく導入されたレッドシャツルールにより、シーズン中に4試合までなら1年間のプレー資格を使用済みにせず試合に出れることになりました。クレムソン大ではトレヴァー・ローレンス(Trevor Lawrence)に先発の座を奪われたケリー・ブライアント(Kelly Bryant)がこのことを利用して出場機会を求めて他チーム(後にミズーリ大に決定)へと転校していきました。そしてハーツも同じように4試合終了後に転校していくのではないかという憶測が流れたのです。

【関連記事】クレムソン大QBブライアントが転校へ

しかしハーツはチームに残留。12月にはアラバマ大の修士課程を終えることもあり、今シーズンをバックアップとしてでもチームとともに歩むことを決めました。この彼のチームを優先する姿勢にファンは大いに心を奪われ、トランスファーの締切となる5戦目に出場して今季のプレー資格を使用済みにした時にはホームでスタンディングオベーションが起きたほどです。

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ファンの心を鷲掴みにしたハーツ

それでもチームはタガヴァイロアを中心に組み立てられ、彼がハイズマントロフィー最有力候補としてもてはやされると、いつしかハーツの存在感はメディアを通してでは薄くなっていきました。もちろんチーム内での彼のリーダーシップは計り知れないほど貴重なものだったでしょうし、何よりもタガヴァイロアとの関係性にヒビが入るようなことがなかったのが素晴らしかったと思います。下級生のタガヴァイロアに先発を奪われベンチを温めなければならなかったハーツの心情は察しますが、タガヴァイロアをバックアップとして鼓舞しつづけることはそう簡単なことではなかったでしょう。

そして迎えたジョージア大とのSEC優勝決定戦。この試合ではタガヴァイロアが絶不調なうえに後半足首を負傷して退場を余儀なくされました。そこで登場したのがハーツ。追う展開で投入されたハーツはパサーとして失格の烙印を押されタガヴァイロアに先発の座を奪われましたが、この試合ではアップグレードされたパフォーマンスで次々と難しいパスを決め、同点となるTDパスをWRジェリー・ジュディ(Jerry Jeudy)に繋げると、試合終了間際には自らのランTDでついに逆転。SECタイトルを獲得してプレーオフ進出を決めるのにこれ以上無い形で貢献したのです。

【関連記事】第14週目レビュー

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SECタイトルゲームで活躍し久々にスポットライトを浴びたハーツ

その後はCFP準決勝戦となったオクラホマ大とのオレンジボウル、決勝戦のクレムソン大とのナショナルタイトルゲームに僅かながら出場。チームは御存知の通り最終戦で敗れ2018年度シーズンを終えました。

そしてそれと同時に今度はハーツが来年どうするかという話に移っていました。というのも2018年度はチームに残留しましたが、プレー資格を後1年残しているハーツがこのままタガヴァイロアのバックアップとしてキャリアを終えるとは思えなかったからです。ハーツならば他のどのチームに行っても先発を張れるQBだと思いますし、逆に言えばそれほどまでにタガヴァイロアが優れていたということになりますが。

そんな折、ハーツはその予想通り転校への第一歩を踏み出します。というのもトランスファーしたい選手がNCAAに登録するポータルサイトに彼の名前が連なったのです。もちろんこれは本人が進んで登録するものですから、このことからもこれはハーツがアラバマ大を出てカレッジキャリア最後の年を他のチームで先発QBとして迎えたいという意志の表れでしょう。もっとも登録しているからと言ってトランスファーするとは100%言えませんが、彼の頭のなかには自身のキャリアがカレッジで終わるとは思っていないでしょうし、その上のNFLでプレーするためには彼がQBとしていかに優れた選手なのかということを世間に知らしめなければならないわけで、それは当然アラバマ大でタガヴァイロアのバックアップをしていては叶うことはないのです。

専門家の間ではいくつかの転校先の予想がされていますが、その中には2018年度にアラバマ大でオフェンシブコーディネーターを務め、今年からメリーランド大の監督となるマイク・ロックスリー(Mike Locksley)氏に追従するという話も上がっていました。そして最新の報道ではつい最近新監督となったマニー・ディアス(Manny Diaz)氏がオフェンスコーチを根こそぎ解雇したマイアミ大の名前も上がっていました。マイアミ大の新OCは元ヒューストン大監督のメジャー・アップルホワイト(Major Applewhite)氏。実は彼はかつてセイバン監督の下でOCを務めていた過去があります。

【関連記事】マイアミ大の新監督に元DCのディアス氏

チームのために個人を抑えてバックアップに徹し、満を持して登場したSECチャンピオンシップではチームの勝利に貢献したハーツ。彼がアラバマ大を去ることはファンにとっては寂しいことでしょうが、彼がこれまでしてきたことを考えればおそらくその多くの人が彼の新たな旅路にエールを送ることでしょう。ハーツは既にアラバマ大で修士号を獲得していますので、NCAAのトランスファールールにより彼は大学院生トランスファーとして新天地ですぐにプレーが可能です(通常NCAA1部チームから1部チームへの転校の場合は転校先で1年間試合出場が禁じられています)。彼がどのチームのユニフォームを来年着ることになるのか・・・。非常に楽しみです。

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