2016年度シーズン第6週目 – Crush Course –

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テネシー大ついに敗れる
テキサスA&M大 42、テネシー大 35

これまでなんだかんだで勝ち進んできたテネシー大。今週末のテキサスA&M大戦でももつれにもつれた試合展開となり、今回もまたなんだかんだでテネシー大が勝ち逃げするかと一瞬思いましたが・・・。

キックオフから常にテキサスA&M大がリードする展開となったこの試合。第3Qには一時28対7まで点差が開きましたが、ここから徐々にテネシー大がカムバックを仕掛けます。第4Q中盤にテネシー大RBジョン・ケリー(John Kelly)の4ヤードTDランが決まりこの時点で28対21と1TD差に縮まります。終盤残り3分半でテキサスA&M大QBトレバー・ナイト(Trevor Knight)の62ヤードのロングランTDで点差が2TDとなりテネシー大にとって万事休すとなります。しかし諦めないテネシー大はテキサスA&M大のキックオフがアウトオブバウンドとなるペナルティーにも助けられ自陣35ヤードからの攻撃となると6プレー後にRBアルヴィン・カマラ(Alvin Kamara)が4ヤードのTDランを決め残り約2分で35対28とテネシー大が点差を縮めます。

出来る限り時間を削ってこのまま逃げ切りたいテキサスA&M大でしたが、RBトレイヴィオン・ウィリアムス(Trayveon Williams)が一気に飛び出て71ヤードのロングランとなり試合は決まったかに思われましたが、なんとテネシー大のマリク・フォアマン(Malik Foreman)のハッスルプレーによりウィリアムスがエンドゾーンでボールをファンブル。これをテネシー大がリカバーし奇跡的に最後の攻撃のチャンスを獲得します。そして試合時間のこり50秒を切ったところでテネシー大QBジョシュア・ドブス(Joshua Dobbs)のパスがカマラへ通りTD。試合を土壇場で35対35の同点とし、さらにテキサスA&M大のキッカーが勝ち越しのチャンスとなるFGを試合終了直前に外し、延長戦へ突入します。

相手のファンブル、そして外れたFGと、勝利の女神に見守られているかの如しテネシー大はこの勢いのまま先週のジョージア大戦で見せたようなミラクルを起こすかと誰しもが思ったところです。が、テネシー大の強運もここまで。最初のオーバータイムでお互いFGを決めて突入したオーバータイム2回戦、テキサスA&M大のナイトが決死の1ヤードランTDをゲットすると返しのテネシー大の攻撃ではテネシー大のドブスが痛恨のパスインターセプションを犯し万策尽きてしまいました。

見応え十分だったこの試合、テキサスA&M大はこれで6連勝としSECタイトル獲り、さらにはプレーオフ進出にむけ大きく前進。一方テネシー大は開幕時の順位である9位に復帰してきた矢先の敗北とありショックは大きいでしょう。もっとも未だ東地区では優位に立っていますのでカンファレンスタイトルへの道はこれで閉ざされた訳ではありませんが、夢のプレーオフ進出へは一歩遠ざかってしまいました。

海軍士官学校がヒューストン大からまさかの大金星
海軍士官学校 46、ヒューストン大 40

一体誰がこの結末を予想出来たでしょうか。

開幕戦でオクラホマ大を倒して以来対戦相手をことごとく蹴散らしてきた全米6位のヒューストン大。開幕より5試合での平均スコアは44得点に対し11失点と今季のシンデレラチームとしてヘッドラインを飾ってきました。しかしハリケーン「マシュー」の影響で雨模様となったこの海軍士官学校(ネイビー)でのホームゲーム、普段なら相手に全く仕事をさせず立ちはだかってきたヒューストン大ディフェンスがネイビーのトリプルオプションを止められず大苦戦。ネイビーはトータルで2つのTDを含む306ヤードをランオフェンスで稼ぎ出し、またQBウィル・ウォース(Will Worth)が試合中合計5度しか投げなかったパスのうち2つをTDに結びつけるなどし試合をコントロール。ラン重視のオフェンスの醍醐味でもあるクロックマネージメントも功を奏し、ネイビーが試合時間60分中35分間ボールを保持しこれもこの大波乱に一役買いました。

ヒューストン大のスターQBグレッグ・ワード・ジュニア(Greg Ward Jr.)はこの日トータル453オフェンスヤードを記録しTDも4つ奪いました。が、彼が放った2つのINTのうち1つがネイビーディフェンスにTDとして献上してしまったのが最終的に試合結果に響きました。

まったく予期せぬこの敗戦はヒューストン大にとって悔やんでも悔やみきれないものとなるでしょう。俗にいう「パワー5」カンファレンスに属さないヒューストン大はその他の「グループオブ5」陣営の希望の星でもあり、また彼らがプレーオフ進出を果たすには全勝がほぼ最低条件とされていたからです。誰もが数週間後のルイビル大との一戦が天下分け目の一大決戦と思っていた矢先にネイビーに足下をすくわれた形になりました。

ちなみにネイビーにとって全米6位のヒューストン大から奪った45点と言う数字は、ネイビーの長い歴史の中でランクチーム相手に対する最多得点となりました。

フロリダ州立大が劇的な形でマイアミ大に勝利
フロリダ州立大 20、マイアミ大 19

ハリケーン「マシュー」が通過し、その勢いにあやかって(といったら不謹慎かもしれませんが)このフロリダ州内のライバル対決を制したかったマイアミ大ハリケーンズ。前半はまさにその通りの展開になりました。

フロリダ州立大の先発QBは1年生のデオンドレ・フランソワ(Deondre Francois)でしたが、第2Qに彼が肩を怪我して一時サイドラインへ退いている間に、昨年の先発QBでプレシーズンに怪我を負って戦線を離れていたショーン・マグワイア(Sean Maguire)が登場。しかし彼のパスがエンドゾーンでインターセプトされ、このチャンスを得点に結びつけたマイアミ大が前半を13対3とリードして後半戦へと突入。後半はフランソワが復帰しそのままスナップを受け続けました。フランソワは後半2つのTDを奪いマイアミ大からリードを奪うのに貢献。またRBダルヴィン・クック(Dalvin Cook)も走って150ヤード、パスをキャッチして59ヤード(1TD)とトータル200ヤード越えの活躍を見せてくれました。

20対13とフロリダ州立大リードで迎えた試合大詰め、後が無いマイアミ大は残り時間3分、フロリダ州立大のパントをブラクストン・ベリオス(Braxton Berrios)が渾身の43ヤードリターンを決め、相手陣内16ヤードという絶好の位置から攻撃を開始します。そしてコンバートしなければ試合終了となる、4th&5ヤードという状況でマイアミ大QBブラッド・カーヤ(Brad Kaaya)からWRステーシー・コーリー(Stacy Coley)へのパスTDが決まり、残り1分半と言う土壇場でマイアミ大がフロリダ州立大に追いついた・・・と誰もが思いました。

が、なんとエクストラポイントのFGをフロリダ州立大がブロック!これによりスコアは20対19となり万事休す。さらにマイアミ大のキックオフはフロリダ州立大の奥深くまで飛んでゆき、相手にリターンで時間を稼がせると言う致命傷まで負い希少なチャンスを潰し、結果このままタイムアップ。血で血を洗うライバル対決はフロリダ州立大に軍配が上がったのでした。

既に2敗を喫したフロリダ州立大にとって現実的な目標はナショナルタイトル獲りからACCカンファレンスタイトル獲りへ変更されましたが、それにしてもカンファレンスゲームはもう一つも落とせないと言う状況で、同じカンファレンス内の強豪マイアミ大から勝利をもぎ取れたのは大きかったと言えます。一方1年目のマーク・リクト(Mark Richt)監督率いるマイアミ大は近年まれに見る快進撃で10位まで駆け上ってきましたが、これで今季初黒星。この試合に勝てていればプレーオフ進出も夢ではないと見られていた為、非常に悔やまれる敗戦となってしまいました。またこれでマイアミ大はフロリダ州立大に7連敗目と言う不名誉な記録も作ってしまいました。

アラバマ大、無敗を守る
アラバマ大 49、アーカンソー大 30

SEC西地区同士の対決、今季最高位となる16位まで上がってきたアーカンソー大が全米1位のアラバマ大をホームに迎えました

アラバマ大にとってはこれから続く死の4連戦(アーカンソー大、テネシー大テキサスA&M大ルイジアナ州立大)の1戦目と言う事で絶対に負けられないゲームでした。またアーカンソー大にとっても彼らがさらに順位を上げるにはまたとない相手。気合いを入れて臨みましたが、結果的に言うと攻撃陣のミスが多過ぎて自滅。

アーカンソー大最初の大きなミスは第2Qにアラバマ大ディフェンスからファンブルを奪われそれをそのままTDに結びつけられた事です。これにより前半の時点で21対7とスコア2つ分の差をつけられてしまい、この時点ですでに試合の流れはアラバマ大に大きく傾き始めていました。この日のアラバマ大オフェンスはいつもの通り非常にバランスに長け、地上戦で264ヤード、空中戦で253ヤードと安定していましたが、一方で3つもターンオーバーを犯してしまい、完璧主義者であるニック・セイバン(Nick Saban)監督の激怒は試合に勝手も収まりませんでした。

ただアラバマ大ディフェンスの出来にはセイバン監督は満足していた事でしょう。アーカンソー大QBオースティン・アレン(Austin Allen)はアラバマ大ディフェンス相手に踏ん張っていましたが、幾度となく襲いかかってくるアラバマ大ディフェンスを前にオープンレシーバーを探すのはおろか、正確なパスすら投げるのに大苦戦していました。またアレンの悪夢はそれでは終わらず、アラバマ大DBミンカー・フィッツパトリック(Minkah Fitzpatrick)に何と3度もパスをインターセプトされていまいました。その内の一つはフィッツパトリックが100ヤードをリターンしTDを奪うまでに至りました。

これでアラバマ大は6勝目を飾りおそらく最新ランキングでも首位を保持することでしょう。ただ先にも述べたように彼らにはまだあと厳しい試合3連戦が待ち構えています。

慈悲無き強さのミシガン大
ミシガン大 78、ラトガース大 0

スコアを見て頂ければ分かるようにミシガン大の圧勝に終わったこの試合。第4戦目のコロラド大戦で一瞬だけ危ない目にあったぐらいであとはミシガン大が相手チームを有無を言わさず木っ端微塵にしています。今回その被害者にラトガース大が加えられた訳ですが、78点奪ったオフェンスの力も然ることながらラトガース大を完封したディフェンスも素晴らしい。相手にたった2回のファーストダウン、39ヤードのトータルヤード、さらに3rdダウンコンバージョン率は17回中成功したのはゼロ。まさにラトガース大に何もさせなかったミシガン大のディフェンス陣は脅威です。

ミシガン大の宿敵であるオハイオ州立大は先週同じくラトガース大と対戦していますがこの時のスコアは58対0。しかしこの試合はオハイオ州立大のホームで行われ、ラトガース大にとってはアウェーゲーム出会ったにもかかわらず彼らはオハイオ州立大からファーストダウンを9回、トータルヤードも116ヤードは稼ぎました。これを考えるとミシガン大のディフェンスはさらに別次元だったことが伺えます。

しかしなぜミシガン大はここまで完膚なきまでにラトガース大をコケにしなければならなかったのか。最後の28点は全てランプレーからの攻撃であったとはいえ試合は前半の時点(43対0)で決まっていたにもかかわらずどうして点を取り続けたのか。個人的に非常に謎ですが、勝手に理由を推測すると理由が二つ。

まずは先にも述べた通り永遠のライバル・オハイオ州立大が同じ相手であるラトガース大と戦ったということで、ミシガン大がオハイオ州立大よりも点をとることで「かましてやった」というメッセージを送る為。そしてもう一つの推測は、この日ラトガース大は約200人ものリクルートをこのミシガン大戦に招待していたと言う事で、もしこれをミシガン大のジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督が知っていたとしたら、少しでも相手チームによりよいリクルートを奪わせないために、ラトガース大をここまでズタズタにした、とか。さすがにここまでケチョンケチョンにされたチームに進学しようと率先して思う高校生はいないでしょうから。

いずれにしても今のミシガン大はアラバマ大だろうが、オハイオ州立大だろうが、クレムソン大だろうが、どのチームとやっても勝てる見込みのあるチーム状況にあると言えます。「来年のことを言えば鬼が笑う」なんていいますが、ミシガン大の場合はこのまま行けば最終戦でオハイオ州立大と直接対決を迎えることになります。今から楽しみです。

バージニア工科大、突如としてACCタイトルレースへ殴り込み
バージニア工科大 34、ノースカロライナ大 3

これまでノーマークで先週のランキングでようやく25位にランクインしてきたバージニア工科大ですが、今回17位のノースカロライナ大を倒した事により、また他のACCチームが黒星を重ねていく中、彼らが突如としてカンファレンスタイトルレースにて不気味な存在感を示し出してきました。

このゲームもハリケーン「マシュー」の影響を受け雨天となり、コンディションは最悪な中で行われましたが、双方が同じ条件の中バージニア工科大がノースカロライナ大が犯したターンオーバーをしっかりと自分たちの点に結びつけ、ノースカロライナ大のミスから実に20点を生み出しました。またこれまでノースカロライナ大の躍進を支えてきたQBミッチ・トルビスキー(Mitch Trubisky)でしたが、5戦目を終えて13TDにゼロINTという非常に効率のいいQBプレーを見せてたところこの試合ではゼロTDに2つのINTを献上し、パスヤードはたったの58ヤードと今季最悪のパフォーマンスに。

これでバージニア工科大は5勝1敗となり、ACCコースタル地区では2勝0敗で今のところ1位につけています。同地区のノースカロライナ大、マイアミ大、ピッツバーグ大がそれぞれ既に1敗を喫している為、まだまだシーズンは長いとはいえ今のところバージニア工科大(とバージニア大)が自力優勝の可能性を残しています。2週間後のマイアミ大戦の勝者がカンファレンス優勝決定戦出場にぐっと近づくことになるでしょう。

ノートルダム大の苦戦は続く・・・
ノースカロライナ州立大 10、ノートルダム大 3

ハリケーン「マシュー」の影響を受けた試合の中でおそらく最も酷いコンディション下でプレーせざるを得なかったのがこのマッチアップだと思います。個人的には無理矢理開催する必要があったのかも疑問に思えたこの試合。雨と風でボールが滑りそして視界も狭くなったこの状況でノートルダム大が選んだ戦術は・・・。

ブライアン・ケリー(Brian Kelly)監督はその卓越したオフェンス能力でノートルダム大を再び全米の檜舞台へ連れ戻してくれましたが、この日のプレーコーリングには大きな疑問が投げかけられました。というのはお話しした通り最悪のコンディションであるにも関わらずケリー監督はQBデショーン・カイザー(DeShone Kizer)に何と26回もパスを投げさせたのです。そしてこのような状況下ですからカイザーが実際に成功させたパスはたったの9つ。相手の得点には絡まなかったもののパスINTも1つ犯してしまい、彼個人としていいところはありませんでしたが、どちらかというのプレーコーリングにその一因があったように思えて仕方ありません。

またノートルダム大は合計36度ランプレーを選択しましたが、その内15回はカイザーが稼いだもの。しかも15回走って稼げたのはたったの15ヤード。1プレー平均1ヤードと言う彼らしくない数字となりました。当然当日のコンディションが影響しているのに他ありません。一方のノースカロライナ州立大はノートルダム大よりもより雨仕様のプランで試合に臨み、14回のパスに対しランの回数は51回。あれだけの暴風雨のなかなら普通ならランオフェンスを中心に組み立てるべきだと思うのですが・・・。

試合後のインタビューでケリー監督はパスプレーを選択した事を後悔してはいないと言い、さらには試合の敗因の一つはセンターのサム・マスティファー(Sam Mustipher)がスナップミスを犯し続けたせいだ、と名指しで選手を戦犯に仕立て上げると言うお粗末さ。

これで2勝4敗となったノートルダム大は今後バージニア工科大、マイアミ大、スタンフォード大、サザンカリフォルニア大との試合を控えますが、チーム状況などその他諸々を加味して考えると今季ノートルダム大がボウルゲームに出場する資格を得られるかすら疑問に思えてきます。それにもましてケリー監督がチーム内での尊厳を失わないかが心配されます。

それでもやっぱりダメだった・・・
オクラホマ大 45、テキサス大 40

テキサス大のオフェンスは昨年よりも点を取れるようになる中、昨年と変わらず相手を止められないディフェンス陣に業を煮やし、後の無いチャーリー・ストロング(Charlie Strong)監督は自ら直接ディフェンス陣を立て直すとディフェンシブコーディネーターとして守備陣を取りまとめるという改革に打って出ました。そして臨んだこのライバル・オクラホマ大との一戦。結果はオクラホマ大に再び大量得点を許し、試合にも45対40と一歩及ばず敗戦。

テキサス大ファンだとしたら目を覆いたくなる数字として、オクラホマ大QBベーカー・メイフィールド(Baker Mayfield)率いる攻撃陣はテキサス大ディフェンスに対し実にトータル672ヤードも許し、実に19つものタックルをミスしたと言う事です。もちろん個人のスキルは一日二日で個々の能力が上がる訳ではないので、いかにストロング監督がディフェンス陣を指揮し出したとしてもその辺が直ぐに直されると言う訳ではありません。しかし勝つことが出来なければ結局同じ事です。テキサス大の体育局長はストロング監督を解雇するつもりは無いと言ってはいますが、もし来週アイオワ州立大に負ける事でもあれば、いかに局長の後押しがあるとはいえストロング監督の行く末は道のままです。

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