2016年度シーズン第2週目 – Still Trying to Figure It Out

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ド派手なマッチアップが相次いだ開幕週間となった第1週目と違って、比較的静かな週末となった第2週目。そんな週末を振り返ってみましょう。

ラマー・ジャクソン – ニューヒーロー?
ルイビル大 62、シラキュース大 28

開幕戦となったシャーロット大戦で8つのTDに関わる大活躍を見せた、ルイビル大QBラマー・ジャクソン(Lamar Jackson)。若干2年生のジャクソンは2戦目のシラキュース大戦でも大いに見せてくれました。投げては411ヤード、走っては199ヤードと一人で数字を稼ぎ、トータルで5つのTDを奪うパフォーマンスでシラキュース大に62対28で完勝。カレッジフットボール史上これまで400以上を投げ、175ヤード以上を走り切ったQBは存在せず、その凄さを見せつけてくれました。試合中相手ディフェンスを文字通り「飛び越していく」プレーまで披露し、現時点でハイズマントロフィーレースで最もトップに近い選手と言えるでしょう。

デショーン・ワトソンの苦悩
クレムソン大 30、トロイ大 24

ルイビル大のジャクソンが現在のハイズマントロフィーでトップを走っている一方で、プレシーズンでの最有力候補に挙げられていたクレムソン大QBデショーン・ワトソンは苦戦しています。前試合のトロイ大戦での最終的な数字は292パスヤード、3TD、55ランヤードとまずまずでしたが、プレー内容はキレの無いものでした。長いパスは照準が合わず、大事な局面での判断力に欠き、結果彼が指揮するオフェンスは第3Qまで13点しか奪うことが出来ませんでした。

格下相手のトロイ大に最後まで粘られ、なんとかまさかの番狂わせは逃れましたが、ワトソンの株はこの2週間ですっかり落ちてしまいました。初戦のアーバン大はSECチームだったという言い訳は出来ますが、サンベルトカンファレンスのトロイ大に苦戦したとあっては言い訳で来ません。

世紀の誤審?
セントラルミシガン大 30、オクラホマ州立大 27

セントラルミシガン大が「パワー5」の一員であるオクラホマ州立大をアウェーで倒すと言う大金星を挙げましたが、その過程は一見の価値があります。

27対24とリードされたセントラルミシガン大はオクラホマ州立大の最後のパスが「インテンショナルグラウンディング」としてのペナルティーを受け、残り0秒で最後の1回だけプレーするチャンスを獲得します。QBクーパー・ラッシュの投げたへイルマリーパスはオクラホマ州立大陣内9ヤード地点でジェシー・クロールに渡りますが、これを味方のマリク・ファウンテンにトスし、彼がそのままオクラホマ州立大ディフェンダーの間をすり抜けて見事にエンドゾーンに飛び込み大逆転勝利。オクラホマ州立大ファンにしてみれば開いた口が塞がらないという状態に陥ったのです。

しかし、試合後の検証にてこれが誤審だった事が判明。オクラホマ州立大が投げた「インテンショナルグラウンディング」は試合時間残り4秒で時間を稼ぐ為に放たれたロングスローだった訳ですが、QBメイソン・ルドルフ(Mason Rudolph)がポケットから出ずにボールを投げたためこのファールを課されてしまいます。こうしてセントラルミシガン大に最後の一投のチャンスが渡った訳です。しかしルールではたとえこれがインテンショナルグラウンディングだったとしてもそこで試合は終了となるはずだったのです。つまりセントラルミシガン大には攻撃権がそもそも存在しなかったんです。

この試合の笛を吹いたミッドアメリカンカンファレンスの審判団の一大ミスのおかげでオクラホマ州立大はホームでとんでもない敗戦を喫してしまいました。試合はすでに終了してしまったため、オクラホマ州立大は抗議こそ出来るものの試合の結果をひっくり返す事は出来ないのです。非常に痛い。

カレン・バラージのレコードナイト
アリゾナ州立大 68、テキサス工科大 55

アリゾナ州立大RBカレン・バラージ(Kalen Ballage)はテキサス工科大との一戦でFBSの新記録タイとなるトータル8TDを記録し、点の取り合いとなったこの試合の勝利に貢献。15回しかボールに触れていないのにその内半分がTDに結びついたというとんでもない数字を叩き出しました。

確かにテキサス工科大は超攻撃チームとして有名である一方ディフェンスはお粗末なものではありますが、それでも一人で8TDを足で稼いだと言う事実は見逃せません。残念な事は西海岸でのナイトゲームだった為(東海岸時刻10時半キックオフ)、東海岸の視聴者達はバラージの活躍を見る事なく眠りに落ちてしまっていたという事です。

ペンシルベニア州ダービー復活
ピッツバーグ大 42、ペンシルバニア州立大 39

ペンシルバニア州の二大チームとしてライバル関係にあったピッツバーグ大とペンシルバニア州立大はここ10年以上対戦がありませんでしたが、このライバリーが今年復活。この試合ではピッツバーグ大のランオフェンスが爆発。後半尻窄まりしてしまったものの、第3Q終了時にすでに328ランヤードを獲得。主要選手が抜けたとはいえ力のあるペンステートのラインバッカー陣を手玉にとりました。

ペンステートも負けじと39点を取り返し試合を3点差にまで縮めてきました。もしピッツバーグ大が全米でも強力なディフェンスを手に入れることが出来れば、彼らがACCで面白い位置に付けることが出来るかもしれません。いずれにしてもこのペンシルベニア州ダービー、完全復活を遂げ毎年見れるようになるといいですね。

油断大敵!
ジョージア大 26、ニコルズ大 24

強豪・ジョージア大は新コーチのカービー・スマート迎え、開幕前からファンのハードルは高くなっていました。開幕戦ではACCのノースカロライナ大に苦しみながらもなんとか勝利して大きくランキングを挙げてきました。第2戦目は格下FCSのニコルズ大相手に大変ムラのあるプレーを連発。結局勝ちはしたもののホームスタジアムのファンの間からはため息が漏れました。今季のジョージア大がどんなチームなのか、判断するにはサンプルの差が激し過ぎます。

地に足がついたチーム達
フロリダ大 45、ケンタッキー大 7

初戦で格下のマサチューセッツ大に苦戦してランキング外に転落してしまったフロリダ大でしたが、2戦目ではSEC東地区同士の対決となったケンタッキー大を45対7と一蹴。持っているポテンシャルを十二分に発揮しファンを安心させてくれました。

フロリダ大守備陣はケンタッキー大のパスオフェンスをトータル55ヤードとねじ伏せ、対ケンタッキー大戦30連勝目に大きく貢献。オフェンス陣もQBルーク・デル・リオ(Luke Del Rio)が 320パスヤードに4TDと活躍。フロリダ大のQBが最後に300ヤード以上投げたのは2013年ということで、いかに近年のフロリダ大オフェンス陣が苦戦してきたかが伺えます。 しかしこの試合でかつての爆発力に溢れたフロリダ大を彷彿とさせてくれ、今後が楽しみになってきました。

テネシー大 45、バージニア工科大 24

カレッジフットボール史上初、カーレース場であるブリストールモータースピードウェイで行われたこのゲーム。「ブリストールでの決戦(Battle at Bristol)」と銘打たれたこの試合は、テネシー大にとっては、開幕戦で危うく格下のアパラチアン州立大に敗れそうになった事を考えるとお祭り気分ばかりでいる場合ではありませんでした。

第1Q終了時でバージニア工科大が14対0とリードし、彼らがFGを外さなければもっと点差が離れていたという展開に、誰もが今年のテネシー大は開幕前に過大評価されたと確信したことでしょう。

しかしここで目を覚ましたテネシー大は残りの3Qだけで45対3とオフェンス・ディフェンス双方でバージニア工科大を圧倒。開幕前のランキングでは9位にまでランクされるも先週の不甲斐ない試合のせいで順位を17位まで大きく落としてしまいました。失いかけたチームの評価を取り戻すには十分な試合展開をこの日見せてくれたのでした。

本領発揮
アーカンソー大 41、テキサスクリスチャン大 38

ブレット・ビルマ(Bret Bielema)監督率いるアーカンソー大はシーズン前半に勝てず、後半になると負けないというトレンドがあるように思えます。先週末のテキサスクリスチャン大戦では、27対10とリードしながらも残り10分で試合の様相が変わりだすと、「あー、いつもの通りアーカンソーは負けちゃうんだろうなぁ」と思ったものでした。その不安が的中しそこからテキサスクリスチャン大は立て続けに3つのTDを奪い28対20とあっと言う間に逆転。

いつもならこのまま流されて負けてしまうアーカンソー大でしたがこの日は違いました。試合終了まで残り2分のところから58ヤードのTDドライブを決め、2ポイントコンバージョントライでは鮮やかなリバースパスでTDを奪い試合を振り出しに戻します。さらにテキサスクリスチャン大の勝ち越しのチャンスである28ヤードのFGを見事ブロック。試合はオーバータイムへ。オーバータイムではお互いがTDを取り合い迎えた2度目のOT、ディフェンスが踏ん張りテキサスクリスチャン大にFGにとどめると返しの攻撃でアーカンソー大がTDを決め勝利を引き寄せました。

序盤に勝てないというレッテルを貼られ続けたビルマ監督でしたが、ついに一皮むけてSECの優勝争いに絡んでくることができるでしょうか。

マイルズ監督の決断
ルイジアナ州立大 34、ジャクソンビル州立大 13

開幕戦のウィスコンシン大との一戦で足首を怪我したルイジアナ州立
大のスターRBレナード・フォーネット(Leonard Fournette)でしたが、ヘッドコーチのレス・マイルズ(Les Miles)監督はジャクソンビル州立大戦でフォーネットを大事を取ってベンチに温存しました。対戦相手がFCSの格下チームとあれば当然の選択だと思いますが、フォーネットが欠場した事でルイジアナ州立大のオフェンスがいかに彼頼みであったかが露呈されてしまいました。

QBブランドン・ハリスは対ウィスコンシン大戦で21回中パスを成功させたのはたったの12回、投げたヤードは131ヤード、奪ったTDは1つで犯したパスインターセプションは2つと散々でした。そして先週の試合でも彼の不調は続き、ターゲットのWRを大きくミスするなどいいところがありませんでした。そしてそんなハリスを見たマイルズ監督はハリスをベンチに座らせると言うショック療法に打って出たのです。

ハリスに代わって出場したのはパデュー大からの転校生、ダニー・エトリング(Danny Etling)。エトリングはすぐさま46ヤードのロングTDパスを決め、ルイジアナ州立大オフェンスの起爆剤となりました。さらにチームは続く攻撃権で次々とTDを決め、前半だけでエトリングは8回中6回のパスを成功させ1TDを含む100パスヤードを記録。さらにINTも無くルイジアナ州立大が求めていた安定したオフェンスを披露してくれました。

しかしファンの高まる興奮も後半になると冷めてしまうことになります。前半に見せてくれた安定感がまったく消えてしまったエトリングは第4Qに1年生QBのジャスティン・マクミラン(Justin McMillan)に交代させられてしまいます。結果的に言えばルイジアナ州立大はゲームには勝利しましたが、内容は満足するにはほど遠く、むしろオフェンスの不安面を露にしてしまったのです。次戦のミシシッピ州立大とのSEC西地区対決に向けマイルズ監督の苦悩は続きそうです。

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