2016年度シーズン第11週目 – New Life –

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レギュラーシーズンも残り2週間を残すのみとなり、カンファレンスタイトル争い、そしてプレーオフ進出争いが激しさを増す昨今。カレッジフットボール第11週目となった昨日は1985年以来となる珍事が起きました。それはトップ2、3、4位のチームがそれぞれ同日に敗れてしまったという事です。波乱に満ちた第11週目を簡単に振り返ってみたいと思います。

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ピッツバーグ大、クレムソンに土を付ける

ピッツバーグ大 43、クレムソン大 42

全米2位のクレムソン大はホームにピッツバーグ大を迎えました。これまでの戦い振りから残りの試合(ピッツバーグ大、ウェイクフォレスト大、サウスカロライナ大)は楽勝だと誰しもが思った事でしょうが、ピッツバーグ大の選手達には別の企みがあったようです。クレムソン大のホームは相手にとって非常にやりづらいということで知られていますが、そんな不利な環境でピッツバーグ大は全米2位チームから大金星を奪ったのです。

クレムソン大QBデショーン・ワトソン(Deshaun Watson)は自身の怪我で出場が微妙でしたが、しっかりと先発ラインアップに名を連ね、ACC新記録となる580パスヤードに3TDと素晴らしい数字を残しましたが、一方でパスインターセプションも3度も犯しそのうちの2つは相手のレッドゾーン内でのミスとなり2TDのチャンスを逃してしまいました。結果ピッツバーグ大を引き離すことが出来ず、逆に彼らに逆転のチャンスを与えてしまったのです。

試合終盤クレムソン大リードで迎えた第4Q、ピッツバーグ大ディフェンスはクレムソン大オフェンスの4thダウンコンバージョンを阻止。これを起点にピッツバーグ大オフェンスが次々とファーストダウンを奪いながらクレムソン大陣内へ進出。そしてキッカーのクリス・ブレウィット(Chris Blewitt)が48ヤードのFGを残り6秒で決め43対42と逆転。これが決勝点となり今季2年目となるパット・ナドゥージ(Pat Narduzzi)監督に就任以来最高の勝利を捧げることになったのでした。

強固で知られるクレムソン大ディフェンスはこの日何故か不調。それに乗じてピッツバーグ大QBネイサン・ピーターマン(Nathan Peterman)のパス攻撃が冴え渡ります。ワトソンのパスヤードには及ばなかったものの、チームを勝利に導くには十分のパフォーマンスでクレムソン大との接戦を演じました。RBジェームス・コナー(James Conner)も足で132ヤードを稼ぎオフェンスの流れを保つ事に貢献。

一方クレムソン大はワトソンのエアーアタックが次々と決まるもののグラウンドアタックが消沈。RBウェイン・ガルマン(Wayne Gallman)はショートヤードの場面で3TDを奪ったもののトータルヤードはたったの36ヤード。地上戦で振るわなかったクレムソン大は結果的にワトソンの肩に頼らざるを得なくなるのですが、それが580ヤードという数字を生み出した反面3つのインターセプションも犯してしまうと言う痛手を負うのでした。

この終盤での敗戦はプレーオフ進出を目指すクレムソン大にとっては非常に痛いです。おそらくACCタイトルゲームに出場する事に関してはウェイクフォレスト大に負けない限り確定でしょうが、火曜日に発表されるCFPランキングでどれだけランキングを落とすかによっては彼らに唯一の敗戦を喫したルイビル大にもチャンスが生まれることになるかもしれません。

ミシガン大も今季初黒星

アイオワ大 14、ミシガン大 13

全米3位のミシガン大はアウェーでアイオワ大と対戦。昨年驚きの快進撃を見せたアイオワ大でしたが今季は昨年ほどの活躍を見せることができず並のシーズンを送っていました。誰もがミシガン大がさくっと白星を奪うものだとおもいましたがとんでもない結果が待っていました。

出だしからロースコアとなったこのマッチアップ。ミシガン大にとっては今季初と言っても過言ではないアウェーでの真の意味でのテストマッチとなりました。第1Q、ミシガン大はアイオワ大のフェイクパント失敗から得たチャンスを元にケニー・アレン(Kenny Allen)の26ヤードFGが決まり第1Qを終えた時点で3対0とリード。さらに第2QにはRBタイ・アイザック(Ty Isaac)のランTDで点差を10対0に広げます。しかしミシガン大はこれ以降なかなかボールを前に運ぶことが出来ず、逆に自らのセーフティーでアイオワ大に2点を献上してしまいます。さらにアイオワ大QBのC.J.バサード(C.J. Beathard)の4thダウンパスがアクラム・ワドリー(Akrum Wadley)に決まり10対8(アイオワ大は2ポイントコンバージョンに失敗)として前半を折り返します。

ミシガン大の不調は後半も続き、第3Q開始のキックオフリターンにてミシガン大はボールをファンブル。ボールをリカバーしたアイオワ大はKキース・ダンカン(Keith Duncan)のFGが決まり11対10と逆転。その後両チームは合計4つのパントを余儀なくされますが、第4Q残り10分弱でアレンのFGが再び成功しミシガン大が13対11とリードを奪い返します。ミシガン大はこの僅差のリードを守りつづけましたが、試合残り時間1分36秒でミシガン大QBウィルトン・スピート(Wilton Speight)の3rdダウンコンバージョンパスが不成功となりミシガン大はパントを余儀なくされます。アイオワ大のデスモンド・キング(Desmond King)のパントリターンは8ヤード足らずでしたが、ミシガン大がフェイスマスクのペナルティーを喰らいアイオワ大はミシガン大陣内36ヤードラインから最後のチャンスを貰いました。アイオワ大はこの機会を逃さずボールをFG圏内へと運び、ダンカンの33ヤードFGが試合時間終了と同時に成功しアイオワ大がミシガン大を破る大波乱を起こしたのでした。

ミシガン大のオフェンスの調子が悪かったのが主な敗因でもありますが、アイオワ大はパスヤードがたったの66ヤードでしたが、ランで164ヤードを稼ぎ、しかも合計64回のランアタックで試合時間をコントロール。波に乗れないミシガン大オフェンスに追い討ちをかけるように彼らに攻撃のチャンスすら与えませんでした。

これでミシガン大は今季初黒星。Big Tenカンファレンス東地区ではミシガン大とオハイオ州立大の一騎打ちと言う図式が出来上がりつつあります。ミシガン大がカンファレンス優勝決定戦、さらにはプレーオフ進出を狙うのであればもうこれ以上負ける事は許されません。

ちなみに1985年の同一カードでは全米1位のアイオワ大が2位のミシガン大に試合終了時のFGで逆転勝利を挙げたと言うことで歴史が繰り返された訳ですが、当時のミシガン大のQBは何を隠そう現ヘッドコーチのジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督だったのです。何かの因果なのでしょうか。

サザンカリフォルニア大がワシントン大に勝利

サザンカリフォルニア大 26、ワシントン大 13

サザンカリフォルニア大(USC)は今季開幕戦でアラバマ大に52対6で敗れるとスタンフォード大ユタ大にも敗れ開幕後1勝3敗と言うとんでもないスタートを切りました。誰しもが今季のUSCのシーズンは終わったものだと思いましたが、QBサム・ダーノルド(Sam Darnold)に先発の座を託してからチームの状況は一変。このワシントン大戦まで5連勝と波に乗り、全米4位チームの足下をすくおうとシアトルに乗り込んできました。そしてその企みは見事達成され、USCがワシントン大から金星を奪ったのです。

ダーノルドを守る強固なオフェンシブライン、そして現時点において全米トップレベルと言っても過言ではないディフェンシブラインを擁したUSCはこの日全米4位のワシントン大を圧倒。どちらが4位のチームなのか分からない位USCはワシントン大に攻守に渡り仕事をさせませんでした。若干1年生のダーノルドはこの日2TDを含む287ヤードパスを記録(2INT)。またRBロナルド・ジョーンズ(Ronald Jones)は足で93ヤードに1TDを稼ぎダーノルドへの負担を軽減。バランスの取れたオフェンスがチームの6連勝目に大いに貢献しました。

今季この試合まで平均スコアは50点弱という全米2位の力を持っていたワシントン大でしたがこの日はその面影はどこにもありませんでした。QBジェイク・ブラウニング(Jake Browning)は試合を通してUSCディフェンスに攻略され、2つのインターセプションパスも献上してしまいいいところが全くなく、ハイズマントロフィー候補としての株を落としてしまいました。またグラウンドアタックでもRBマイルズ・ガスキン(Myles Gaskin)はトータル51ランヤードに抑え込まれ、Pac-12カンファレンスのリーディングラッシャーらしからぬ働きを見せてしまいました。

ワシントン大にとって初黒星となったこの敗戦で彼らがプレーオフレースから脱落したとはまだ言い切れません。Pac-12北地区を制することが出来れば南地区の勝者(コロラド大、USC、ユタ大)のいずれかのチームと対戦することになり、これを勝ち抜けば状況次第では再びトップ4チームに食い込む事は出来ます。が、彼らの脆弱な部分が露呈されてしまったという事では今後短い時間で早急な修正が求められる事でしょう。

一方6連勝目を飾ったUSCはここ最近だけで見ればPac-12でも1位、2位を争う実力をつけてきています。それだけにシーズン初旬に負ったスタンフォード大とユタ大との敗戦が地味に足を引っ張ってしまいそうです。ただ彼らが南地区を勝ち抜くチャンスはまだ残されており、この調子でカンファレンスタイトルを奪取してローズボウルに出場することが出来れば前半の苦戦は完全に帳消しされる事でしょう。

その他の試合

ジョージア大 13、アーバン大 7

先週まで6連勝と絶好調のアーバン大。全米9位にまで上り詰めた彼らはライバル・ジョージア大とのアウェーゲームに挑みましたが、ジョージア大に返り討ちに合い何とも痛い敗戦を喫してしまいました。ジョージア大オフェンスは今シーズンの課題であるオフェンスのパンチ力の無さにこの試合でも悩まされますが、ディフェンスが踏ん張り前半1TDの失点のみに押さえました。そして後半に入るとアーバン大QBショーン・ホワイト(Sean White)のパスをマウリス・スミス(Maurice Smith)がインターセプトしリターンTDを決め試合を7対7の同点にすると第4Qにはジョージア大が2つのFGを決めてリードを奪いそのまま逃げ切ってアーバン大から金星を奪いました。後半のアーバン大オフェンスの失速は顕著で第3、4Q合わせて奪ったヤードはたったの32ヤード。一方のジョージア大オフェンスはこの日もTDを奪えませんでしたが、アーバン大との差は彼らがターンオーバーのようなミスを犯さなかった事です。この勝利でジョージア大はボウルゲーム出場権利を獲得(6勝)。そしてアーバン大が負けた事によりアラバマ大SEC西地区優勝が確定。元アラバマ大ディフェンシブコーディネーターであるカービー・スマート(Kirby Smith)監督、並びに元アラバマ大選手で今オフいざこざの末ジョージア大に転校してきたスミスが古巣チームに素敵なプレゼントを献上したことになりました。

ペンシルバニア州立大 45、インディアナ大 31

全米10位のペンシルバニア州立大は予想以上の力を見せたインディアナ大に苦戦し前半を終えて24対14とリードを許しますが、QBトレース・マクソリー(Trace McSorley)が3TDを含む332パスヤードを決め、またRBサクオン・バークリー(Saquon Barkley)の2つのランTDもあり、結果的に45点を奪ってインディアナ大を退けました。これで通算8勝2敗としたペンシルバニア州立大はBig Ten東地区レースで首の皮一つ残しました。ミシガン大に敗れているペンシルバニア州立大が地区優勝を飾るには彼らが残りの2試合(ラトガース大、ミシガン州立大)にそれぞれ勝ち、尚かつミシガン大が残りの試合で2連敗しなければなりません(ミシガン大がアイオワ大に敗れた事がこのシナリオを可能にしました)。彼らがインディアナ大に敗れるとは考えづらいのでこのシナリオが達成される可能性は低いと言わざるを得ませんが、ペンシルバニア州立大が10勝2敗でレギュラーシーズンを終える確率は高く、そうなれば彼らがお正月以降のメジャーボウルに出場する可能性も十分ありそうです。

ウエストバージニア大 24、テキサス大 20

ウエストバージニア大RBケネディ・マッコイ(Kennedy McKoy)の2つのランTD、QBスカイラー・ハワード(Skyler Howard)が1TDを含む269ヤードを投げ、タフなテキサス大を彼らのホームで下し、自身のカンファレンスタイトルへの望みを繋ぎました。Big 12カンファレンスでナンバーワンの呼び声高いウエストバージニア大ディフェンスが特に後半のテキサス大オフェンスをシャットダウン。カンファレンスのリーディングラッシャーであるテキサス大のドンタ・フォアマン(D’Onta Foreman)には167ヤードを奪われるもののその多くは前半に記録されたもので、後半はフォアマン並びにQBシェーン・ビューシェル(Shane Buechele)に仕事をさせませんでした。このウエストバージニア大の勝利で来週のオクラホマ大との決戦が俄然楽しみとなってきました。一方テキサス大はこれで3年連続最低5敗ということとなり、浮き沈みの激しいチームの状況にチャーリー・ストロング(Charlie Strong)監督への批判がまた再び再熱しそうです。

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