ペンシルバニア州立大（ペンステート）といえばレジェンダリーコーチ、ジョー・パターノ（Joe Paterno）氏で有名ですが、残念ながら彼の晩年は彼の元アシスタントコーチであるジェリー・サンダスキー（Jerry Sandusky）氏のスキャンダル（彼が在籍中に性的に幼児虐待を行っていたことが明らかになり、それをパターノ氏が知っていたとか知らなかったとかいう疑惑）のせいで彼の名声は失われてしまいました。パターノ氏がその職を追われたのが2011年（その数ヶ月後にパターノ氏は肺がんで死去）。それまで40年以上同じコーチ（＝パターノ氏）の下で指導されてきたペンステートは以後5年間ですでに2人目のヘッドコーチを迎えています。
現在はパターノ氏以来２人目のヘッドコーチ、ジェームス・フランクリン（James Franklin）監督が指揮をとっていますが、サンダスキー氏のスキャンダル関連で受けたダメージは彼らのリクルーティングに未だ影響を及ぼしているようです。
それはブランドが傷つけられたと言うことも然ることながら、リクルーティングで競い合う他のチームが一連のスキャンダルの話を持ち出して、ペンステートに不利な情報を流していると言うのです。フランクリン氏はこの事をあるメディアのインタビューで話しています。
「以前ある席で我々に関するあらぬ噂を聞きつけ、私はその火消しの為に数日間我々のリクルート達に電話で話をしなければなかった。と言うのは他のチームが彼らに接触し、このスキャンダルに関しNCAAが関与してペンステートにはさらに厳しい制裁が下るだろう、と吹き込んでいるというのです。我々はこの過去の事件を払拭し新たな歴史を歩み始めたいと思っているのですが、そういったチーム、オハイオ州立大、ミシガン大、ミシガン州立大、ノートルダム大といったチームは我々を前に進めさせてくれないのです。」
とフランクリン監督は上に挙げた4チームを明言したのです。
さらにインタビューではこうも述べています。
「オハイオ州立大、ミシガン大、ミシガン州立大のような強豪と同じディビジョン（Big Ten東地区）で争う事は簡単な事ではないが、ポジティブな面もある。それはまるで人生に似ている。我々の選手には毎週全米のトップレベルのチームと争えると言う事がいかに貴重な体験であるかを説いています。しかし大きな違いは相手チームは我々が直面しなければいけないような問題（＝スキャンダル）に関わる必要がないということです。そしてそのようなチーム達はそのような問題をネタに我々をおとしめようとする。我々はリクルートの一人一人とコミュニケーションをとっているが、スキャンダルに関しては触れる事はありません。でも他の誰かが彼らにいらぬことを吹き込もうとしているのです。」
リクルーティング戦争はどんな手を使ってでもいい選手を獲得しようとヒートアップします。ですから今回のような事が起きていたとしても不思議ではありません。ただ、今回のようにフランクリン監督が特定のチーム名を挙げた事は非常に興味深いです。大体こう言った話をする時はオブラートに包むものですから、今後のフランクリン監督と他の4チームの監督との関係性に興味が湧いてきます。
