第6週目の見どころ

TAMU-YELL-LEADERS

テネシー大(9位)vs テキサスA&M大(8位)

先週のジョージア大戦で見せた奇跡のヘイルマリーパスで試合に勝ち無敗を守ったテネシー大。デコボコ道を通りながらもなんとか勝利を重ねてランキングで9位にまで復活してきた彼らに勝利の女神は微笑み続けるでしょうか?ただ今週末の全米8位テキサスA&M大から勝ち星を奪うためには勝利の女神頼りだけでは足りないかもしれません。

テキサスA&M大もテネシー大と同じように全勝中ですが、彼らの試合運びはテネシー大のそれよりも安定しているように感じます。これまでオフェンスはパスとランでそれぞれ1試合平均250ヤード以上を記録。1試合平均得点が約39点とする一方、ディフェンスは1試合の失点数は平均約15点と攻守ともに確かな強さを維持しています。スターLBマイルズ・ギャレット(Myles Garrett)率いるディフェンスはこれまで1試合平均3つのQBサックを記録しており、テネシー大QBジョシュア・ドブス(Joshua Dobbs)を守るテネシー大OLにはこれまで以上の堅固なプロテクションが求められそうです。

テネシー大ディフェンスには有能なパスラッシャー、デレク・バーネット(Derek Barnett)が健在ですが全体的に見るとやはりテキサスA&M大には少々劣ります。

総合するとテキサスA&M大のホームゲームということもあり彼らに分がありそうですが、テネシー大もどうにかこうにか勝利を重ねてここまできたという「星」の下にいるように思います。果たしてトップ10内に止まることができるのはどちらのチームでしょうか。

アラバマ大(1位)vs アーカンソー大(16位)

首位のアラバマ大が16位のアーカンソー大に乗り込んで行われるこのSEC西地区内のビッグゲーム。アラバマ大にとってはミシシッピ大戦以来のタフなゲームになりそうです。

昨年の覇者であるアラバマ大はその勢いに乗ってプレシーズンからランキングの頂をひた走っています。が、彼らの真の強さは全米ナンバーワンに相応しいものなのか、それがこの週末にふたたび試されることになります。特に初戦で破ったサザンカリフォルニア大は今の所開幕前の下馬評ほどの力があるわけではなく、ミシシッピ大にも終始シードされた末に逆転勝ちをしたという経緯がある故、アラバマ大が本当に文句無く今本土で一番強いのかどうか今一度見極める必要があります。今週末からの非常にタフな4連戦(アーカンソー大テネシー大テキサスA&M大ルイジアナ州立大)を終える頃にはアラバマ大の実力が露呈されることになるでしょうが、その「デスロード」第1戦目が今週末のアーカンソー大戦です。

対戦相手のアーカンソー大は今季これまで4勝1敗。彼ら唯一の敗戦は今週8位のテキサスA&M大戦での大敗(45対24)のみ。QBオースティン・アレン(Austin Allen)はこれまで5試合中1試合最低でも2つのTDを奪い、またOL陣はチームのランオフェンスを優位に進めるのに大きく貢献しています。強力なフロントセブンを擁するアラバマ大ディフェンスとのマッチアップが楽しみです。

アラバマ大オフェンスでは若干1年生のQBジャレン・ハーツ(Jalen Hurts)が1年生らしからぬプレーでチームを率いていますが、特に彼の機動力は相手ディフェンダーの脅威となります。ただ彼にプレッシャーをかけ続ければ1年生としての脆さが出て来るかもしれません。アラバマ大OLを切り崩せればの話ですが。

ワシントン大(5位)vs オレゴン大

近年のこのマッチアップの結果を見ればオレゴン大ワシントン大に12連勝を飾っていますのでオレゴン大が圧倒的にこのPac-12カンファレンス内のライバル対決を牛耳っていると言えます。しかし今年に関して言えばこの関係は完全に逆転する可能性が高く、いよいよワシントン大が12連敗という不名誉な記録に終止符を打つことができるかもしれません。

ワシントン大は先週スタンフォード大を44対6という大差で破り1992年度以来の開幕後5連勝を飾りました。このスタンフォード大戦ではキックオフ後2つのTDを連続で獲得するなど序盤から飛ばし23対0で前半を折り返すとその勢いは後半に入っても衰えず、結果上記のようなワンサイドゲームになったのです。この試合での力の差は歴然でワシントン大の424パスヤードと213ランヤードに対してスタンフォード大は214パスヤードたったの29ランヤードという結果になりました。ワシントン大QBジェイク・ブラウニング(Jake Browning)は3TDを奪う一方相手にボールをインターセプトされることなく完全にスタンフォード大ディフェンスを掌握。RBマイルズ・ガスキン( Myles Gaskin)は18キャリーでぴったり100を稼ぎTDも2つ獲得。更にワシントン大ディフェンスがこの日冴え、スタンフォード大の攻撃の要であるRBクリスチャン・マカフリー( Christian McCaffrey)に全く仕事をさせず、またQBライアン・バーンズ(Ryan Burns)にはサックを8度もお見舞いするなどやりたい放題でした。

オレゴン大は今季開幕2連勝を飾りいつも通りのスタートを切ったかに見えましたが、そこから何と3連敗。先週もワシントン州立大に51対33で敗れてしまいました。これまでなら大量得点はオレゴン大の真髄だったのですがご覧の通り点取り合戦で競り負けるという「らしくない」ゲームが続いています。

ワシントン大の先週のスタンフォード大戦での勝利はクリス・ピーターセン(Chris Petersen)監督率いるワシントン大にとってこれまでで最大とも言えるビッグウィンとなりましたが、この勝利にうわずってしまう可能性もないことはありません。が、オレゴン大の薄いディフェンスと波に乗れないオフェンスを考えれば、今年こそワシントン大がオレゴン大にリベンジを果たせる年となるかもしれません。

フロリダ州立大(23位)vs マイアミ大(10位)

マイアミ大フロリダ州立大のライバリーはかつては乱闘にもなりかねないほどヒートアップするものでした。しかしマイアミ大が下降気味になるとこのライバリーの全米における位置付けがそれまでのように誰もが注目するようなものでなくなってしまいました。が、今年はマイアミ大が好調。現在全米10位ということで23位のフロリダ州立大と久しぶりのランク同士の戦いとなります。

フロリダ州立大は今季最高でランキング2位にまで上り詰めましたが、ルイビル大に大敗するとトップ10から転落し、さらに先週ノースカロライナ大にまさかの敗戦を喫すると23位まで転げ落ちてしまいました。もし彼らがノースカロライナ大に勝っていれば今週末のマイアミ大との試合はさらに大きな意味をなすものになっていたでしょうが、そうでなくても彼らのこれまでの対戦の歴史を考えれば10位と23位のマッチアップも十分魅力的です。

2敗目を喫した彼らのプレーオフ進出の可能性は限りなくゼロに近くなってしまいました。しかもACC戦でも2敗ということでカンファレンスタイトル奪取も危うくなってしまった今、もう2度と負けることは許されません。が、対戦相手のマイアミ大はそう簡単に勝たせてくれる相手ではありません。特にマイアミ大のディフェンスは現在スコアリングディフェンスで全米2位の実力を誇っており、1試合平均の失点数はたったの11点です。許したTD数もこれまで4試合中たったの5つ。このディフェンスを切り崩すのは容易なことではありません。

フロリダ州立大のRBダルヴィン・クック(Dalvin Cook)は開幕当時こそなりを潜めていましたが、最近2試合では下馬評通りの活躍を披露。2週間前のサウスフロリダ大戦では267ランヤード(2TD)、先週のノースカロライナ大戦では140ランヤード(3TD)と復活の兆しを見せていますが、クックに対峙するマイアミ大のフロントセブンはこれまで相手に1キャリー平均たったの2.6ヤードしか許していません。この強力なマイアミ大ディフェンス相手にクックがどこまでヤードを稼げるかが鍵となりそうです。

フロリダ州立大はその強力なディフェンスで有名ですが、ここ最近3試合で平均45失点(ルイビル大に63失点、サウスフロリダ大に35失点、ノースカロライナ大にも35失点)とスコアリングディフェンスは完全に崩壊。QBブラッド・カーヤ(Brad Kaaya)率いるマイアミ大のスコアリングオフェンスは最低でも35得点ということで、数字の上ではマイアミ大がフロリダ州立大から大量得点を望めることになります。

1980年代から90年代にかけて素晴らしい戦いを繰り広げてきたこのマッチアップ。通算戦績は31勝29敗でマイアミ大が鼻の差でリードしていますが、2010年からはフロリダ州立大が6連勝を飾っています。フロリダ州立大が7連勝目を飾るか、それとも今季マーク・リクト(Mark Richt)監督を新たに擁し波に乗るマイアミ大が宿敵を倒すか。見ものです。

ワシントン州立大 vs スタンフォード大(15位)

先週ショッキングな形で今季初黒星を喫したスタンフォード大ワシントン大に44対6という近年稀に見る大敗を喫したスタンフォード大は今週末のワシントン州立大に勝ちなんとかワシントン大に喰らった黒星を帳消しにしたいところです。

ただワシントン大戦ではスタンフォード大の総合的なパワー不足が露呈されてしまいました。過去数年間のチームと比べてみると明らかに攻守ともにラインが弱体化。また昨年まで4年間チームを率いたQBケヴィン・ホーガン(Kevin Hogan)の抜けた穴は思いの外大きく、彼の後釜であるライアン・バーンズ(Ryan Burns)はホーガンに遠く及ばず、点の取り合いとなるような展開になると打つ手がなくなります。

となると頼みの綱はRBクリスチャン・マカフリー(Christian McCaffrey)となるわけですが、彼のポテンシャルを生かせればスタンフォード大に勝機はあります。しかし彼が抑え込まれるとまさに八方ふさがりとなるでしょう。ただ、たとえマカフリーが活躍できたとしても彼のプレーだけで試合を決定づけられるほど甘くはなく、今シーズンのスタンフォード大はこれまでのように白星を重ねられるとは考えづらいです。

ワシントン州立大は決して強豪チームと言える訳ではありませんが、スタンフォード大に凶報なのはマイク・リーチ(Mike Leach)監督が織りなす超アグレッシブなパスアッタックは相手が誰だろうと関係なく得点を重ねる事が可能であるということです。ただ彼らの守備陣は手薄なので、スタンフォード大がワシントン州立大との点取り合戦についていければ問題はなさそうですが、それが出来なければランク外の相手であっても痛い目にあう可能性は十分ありそうです。ここでスタンフォード大が負けることがあれば彼らのシーズンは終わってしまうと言っても過言ではありません。

コロラド大(21位) vs サザンカリフォルニア大

サザンカリフォルニア大が先発QBを1年生のサム・ドナルド(Sam Donald)に託してから彼らのオフェンスは息を吹き返し、1年目のクレイ・ヘルトン(Clay Helton)監督への批判をある程度和らげる助けとなっています。苦戦する開幕からの先発QBマックス・ブラウン(Max Browne)から4戦目にその座を奪って以来ドナルドは69パーセントのパス成功率に3TDを含むトータル605パスヤードを記録。また機動力にも優れ、足で2TDも稼ぎました。

コロラド大は今季4勝1敗で2005年以来のランクインを果たしましたが、ドナルド率いるオフェンスがサザンカリフォルニア大らしさを取り戻している事を考えると5勝目をトロジャンズから奪うのは至難の技となるかもしれません。

アーバン大 vs ミシシッピ州立大

これま3勝2敗と数字の上ではよくも悪くもないアーバン大ですが、彼らが喫した2敗はそれぞれ全米トップレベルの守備陣を擁するチームから喰らったものです。その内テキサスA&M大クレムソン大は未だ無敗、そして彼らが白星を挙げたルイジアナ州立大はチームとしては苦戦していますが、守備陣だけで見れば他のトップチームに劣りません。QBショーン・ホワイト(Sean White)は過去2試合に先発出場しましたが、パス成功率は驚きの77パーセント。パスヤードも473ヤードとしどうやらアーバン大は確固たる先発QBを発掘したようです。

2014年と2015年に現NFLダラスカウボーイズのQB、ダーク・プレスコット(Dak Prescott)を擁し躍進したミシシッピ州立大でしたが、プレスコット卒業後は当時ほどの強さを発揮出来ていません。現在2勝2敗の彼らはこのアーバン大での勝利を踏み台に勢いを取り戻したいところですが、調子が上がっているアーバン大相手では踏み台にするどころか踏み台にされてしまいそうです。

テキサス大 vs オクラホマ大(20位)

「レッドリバーの戦い(Red River Shootout)」と呼ばれる伝統のライバリーゲームですが、今年のこの試合はいつもよりも期待度が落ちてしまっています。というのもオクラホマ大が既に2敗して一時はランク外へ落ちていたこともあるチーム。そしてテキサス大もまた期待を裏切る形で今年も上昇気流にのれずにいます。テキサス大といえば目下チャーリー・ストロング(Charlie Strong)監督の去就の話の方で盛り上がっており、チームの状態を語られる事は最近無いほどです。

とはいえ宿敵同士の対決はいつの時も盛り上がるものです。総合的にみてオクラホマ大のほうが一歩上をいくチームと見るのが妥当ですが、テキサス大は昨年オクラホマ大から金星を奪っています。若いとはいえオフェンスは昨年よりも点が取れるようになっていますがテキサスの一番の問題はディフェンス。堪忍袋の緒が切れたのかついにストロング監督はディフェンシブコーディネーターとして守備陣を指揮するという改革に打って出ました。これが吉と出るか、凶と出るか。