第4週目の見どころ

 tennessee-volunteers-cheerleaders_pg_600

フロリダ大(全米19位)vs テネシー大(全米14位)

10年ほど前までこのカードはカレッジフットボール界の前半戦で最も注目されたマッチアップでした。スティーブ・スパリアー(Steve Spurrier)氏率いるフロリダ大とフィリップ・フルマー(Phillip Fullmer)氏率いるテネシー大は何度も激闘を重ね名勝負を披露したものです。が、近年はフロリダ大の一辺倒です。

テネシー大が落ちぶれてしまったせいでこのマッチアップの価値が下がり、さらに近年はフロリダ大すら落ち目となってしまったせいですっかりこのマッチアップが注目されなくなってしまいました。しかし今年はどちらもランクされており、以前のように両チームがトップ5以内と言うほどではないにしろ、注目度はここ最近で一番のものとなっています。

前述の通り今のところフロリダ大が11連勝中のこのマッチアップ。11年と言えば当時中学生だった選手はテネシー大がフロリダ大を倒したところを見た事が無いと言うことになります。

テネシー大ファンにしてみれば11年間のフラストレーションはそれは大きなものでしょう。ある年は後にナショナルタイトルを獲得するフロリダ大にコテンパンにやられ、またある年は史上最弱とも言われたフロリダ大にすら勝てなかったり。フロリダ大にしてみればどんなにチームの状況が悪くてもテネシー戦だけは安心して観戦出来てきたと言う事です。

しかし今年のテネシー大はプレシーズン時に全米9位にランクされここ最近でも最高位からの出発となりました。ただ今のところ負けてはいないもののプレシーズン9位にはほど遠い試合を披露してしまい、ランクを一時は17位まで下げてしまいました。今年こそこの不名誉な連敗記録を止めることが出来るでしょうか?

テネシー大が克服しなければいけないのは何と言っても彼ら自身のメンタルです。11連敗といのは想像以上に選手並びにコーチ陣にプレッシャーとなっていることでしょう。「苦手意識」というのはいつでも当事者を守りに強いてしまいます。また今季に限って言えば自分たちのミスで自らの首を絞めている傾向にあります。先週のオハイオ大戦では5つもファンブルを犯してしまいました。5つともリカバー出来てはいますが、こんな事をフロリダ大相手にしていたら確実に隙をつかれてしまうでしょう。

フロリダ大は先発QBルーク・デル・リオ(Luke Del Rio)を膝の怪我で欠いてしまいました。彼の不在時にチームを率いるのはパデュー大からの転校生、オースティン・アップルビー(Austin Appleby)です。彼の出来にフロリダ大の命運がかかっていると言えます。

ジョージア大(12位) vs ミシシッピ大(23位)

SECのインターディビジョンゲームとなるこの試合。数年置きに対戦してきた両者は今のところジョージア大が10連勝中です。もっと言えばミシシッピ大が最後にジョージア大を倒したのは20年も前の事となります。ミシシッピ大はこの連敗記録を今週末で止めることができるでしょうか?

新コーチ、カービー・スマート(Kirby Smart)監督の初年度となる若きジョージア大はこれまで3連勝と負けなしです。先週のミズーリ大戦では最大10点リードされながら反撃し、最後の望みの4thダウンプレーをQBジェコブ・イーソン(Jacob Eason)がTDに結びつけ劇的な勝利を奪いました。

未来のスターと評価の高いイーソンですが初戦はまだ1年生。この試合でオフェンスがミズーリ大を突き放すだけの得点を稼げなかったにも関わらずスコアを五分に維持できたのは彼らの3rdダウンコンバート率が非常に高かったからです。16回中6回3rdダウンコンバージョンを成功させたミズーリ大に対し、ジョージア大は20回中9度成功させました。これが結果的にジョージア大のボール保持時間を約37分とミズーリ大を圧倒し、ゲームを僅差に持ち込めた訳ですね。

一方のミシシッピ大は現在1勝2敗と負けが先行していますが、彼らがこれまで対戦してきたチームを振り返ればこの勝敗を多少理解することができます。まず初戦は当時3位のフロリダ州立大。この試合では途中までミシシッピ大が28対3とリードしながらフロリダ州立大の怒涛の逆襲にあい結果45対34で逆転負けを喫しました。そして先週は1位のアラバマ大と対戦。この試合でもミシシッピ大が最大24対3と大きくリードを奪いその勢いのまま対アラバマ大戦3連勝目を飾るかと思われましたが、この試合でもリードを守れず開幕後3試合目にして早くも2つ目の黒星となってしまったのです。

ジョージア大の強みは彼らの地上戦であるランゲームです。これまで3試合すべてにおいて対戦相手を上回るランヤードを記録してきました。逆にミシシッピ大は相手チームに走られっぱなしという事でこれはミスマッチとなりそうです。またアラバマ大の元ディフェンスコーディネーターだったスマート監督指揮するジョージ大ディフェンスは強力。しかもディフェンスですら得点できる力を持っており、この面でもジョージ大に軍配が上がりそうです。

ミシガン州立大(8位) vs ウィスコンシン大(11位)

過去4度の対戦で3勝を収めているミシガン州立大。両チームにとって今季初のカンファレンスゲームということでBig Tenタイトル獲得並びにプレーオフ進出をかけて負けられないゲームとなりそうです。

今季未だ無敗のウィスコンシン大ですが、先週は格下ジョージア州立大にあわよくば土を付けられそうになるなどパットしませんでした。この試合では前半を6対0というロースコアで折り返し、第3QにTDを一つ加えて13対3としますが第4Qには一時17対13とジョージア州立大にリードを許してしまいます。ウィスコンシン大はすぐさまリードを奪い返しますが、全米9位にランクされているからにはジョージア州立大に苦戦している場合ではないわけで、結果最新のランキングでは順位を少し落としてしまいました。

ただ数字の上ではウィスコンシン大はジョージア州立大を上回ってはいました。トータルヤードは401ヤード vs 313ヤード、ランヤードは188ヤード vs 44ヤード、そしてボール保持時間は37分 vs 23分とこれだけ見ればウィスコンシン大が圧倒してもいい感じですが、ご覧の通り結果は僅差となったのです。

その要因は先発QBバート・ヒューストン(Bart Houston)の不調です。最終的にはバックアップのアレックス・ホーニブルック(Alex Hornibrook)が投入され、勝ち越しのTDを演出するなどチームに息を吹き込んでくれました。

またRBコーリー・クレメント(Corey Clement)は足首の怪我で先週のアクロン大戦を休場しましたが、この試合に復帰することが見込まれています。

ミシガン州立大は先週ノートルダム大を倒し戦績を2勝0敗とし現在8位にランクされています。この試合ではミシガン州立大の地上戦力が爆発。トータル260ランヤードを記録しノートルダム大ディフェンスを蹂躙。一方ディフェンスはノートルダム大のランオフェンスをたったの57ヤードに抑え、結果ミシガン州立大のボール保持率が6割を超え(37分vs23分)試合の流れをコントロールしました。この試合の勝利でミシガン州立大は対ランクチームの戦績を9勝3敗とし、大舞台での強さを見せつけてくれました。

ノートルダム大との一大決戦をアウェーにて勝利で収めたミシガン州立大ですが、時としてこういったビッグゲームの次の週につまずくということもよくある話です。ミシガン州立大が得意のランゲームで試合を把握できるか、はたまたウィスコンシン大ディフェンスが踏ん張るか。注目です。

スタンフォード大(7位) vs UCLA

現在UCLAはランクされていませんが、唯一の敗戦チームであるテキサスA&M大は現在10位で、しかもそのテキサスA&M大との試合ではオーバータイムにまでもつれ込む大接戦を繰り広げました。それを加味すればUCLAはランクされていてもおかしくないチームであります。

ですから表向きはランクチームとそうでないチームの戦いではあるものの、実質的にはランクチーム同士の一戦と同じくらい重要で注目度抜群の試合でもあります。UCLAにとって見ればホームにスタンフォード大を迎えるという事で、彼らを打ち負かして再びランキングに返り咲くにはもってこいのシナリオと言えそうです。

UCLAがそのシナリオを現実のものにするには何よりもスタンフォード大のスターRBクリスチャン・マカフリー(Christian McCaffrey)を攻略する必要があります。今のところ目下ハイズマントロフィーレースはルイビル大のラマー・ジャクソン(Lamar Jackson)の独壇場の様相を成していますが、昨年のファイナリストであるマカフリーにも今後チャンスは十分回ってくるはずです。

実際これまでマカフリーは開幕戦のカンザス州立大戦および先週のサザンカリフォルニア大戦で相変わらず何でもこなす器用さを見せチームの勝利に貢献しています。1プレーごとのゲインだけみれば取り立てて驚くところはありませんが、要所でみせる彼の爆発力が魅力な選手。その瞬発力であっという間に相手ディフェンスを置き去りにする彼のプレーは圧巻です。

一方UCLAはビッグプレーに強いディフェンスを擁しています。統計によればこれまでUCLAは40ヤード以上のロングプレーを許していないということです。つまりマカフリーのビッグプレーを確実に止めることが出来ればUCLAにも勝機はあると言う事です。オフェンスでは将来のNFLスター候補と言われるQBジョシュ・ローゼン(Josh Rosen)が健在。その下馬評を裏付けるだけの活躍を見せてくれればUCLAが金星を奪う可能性は大きく高まる事でしょう。

アーカンソー大(17位)vs テキサスA&M(10位)

従来ならば9月と10月は苦手な月とするアーカンソー大ですが今年は9月であるにも関わらず強豪テキサスクリスチャン大に競り勝つなどして今のところ3戦全勝と絶好調です。またテキサスA&M大はと言えばこれまでなればノーガードでただ攻撃あるのみ、という印象が強いですが、今年はしっかりとしたディフェンス陣を保持し、これまでのUCLA、プレアリーヴュー大、アーバン大との平均失点数が13.3点と好調を維持しています。
このマッチアップではどちらのチームがそれぞれの勢いを活かすことができるでしょうか? このマッチアップではここ最近2試合ともオーバータイムにもつれ込んでおり、今年の両チームの調子を見れば再び僅差のゲームになる可能性大です。

ルイジアナ州立大(18位)vs アーバン大

同じくSEC西地区チーム同士の激突となるこの試合。チームの今後のために負けられないだけでなく、両チームの監督の今後の去就のためにも負けられない試合となります。

もしアーバン大が負ければ今季1勝3敗となりますが、これは惨敗のシーズンとなった2012年度シーズン以来の事となり、そのシーズンがフラッシュバックするとあってはガス・マルザーン(Gus Malzahn)監督のメンツは丸つぶれとなってしまいます。

そしてもしルイジアナ州立大が負ければ2勝2敗となりますが、今後ランクチームとの対戦を5つも控えている事を考えれば先行きは大変怪しくなってきそうです。そうなればレス・マイルズ(Les Miles)の去就問題に発展してしまうことでしょう。

両監督とも今年は勝負の年としてシーズンを迎えました。もし彼らが今後も監督の椅子に座り続けたいとするならばもうこれ以上の負けは許されません。つまりこの試合の敗者チームの監督は今後これまでにないプレッシャーと不安を背負いながらシーズンを送らなければならなくなるという事です。

オクラホマ州立大 vs ベイラー大(16位)

Big 12カンファレンスではオクラホマ大がすでに1勝2敗、テキサス大は復活の狼煙を上げたかと思えばカリフォルニア大に足を取られ、常勝チームのテキサスクリスチャン大は今季イマイチぱっとせず。そんななかオクラホマ州立大とベイラー大は今のところこのカンファレンスレースで一歩先を言っていると言えそうです。

たしかにオクラホマ州立大はセントラルミシガン大に審判団の誤審によりまさかの敗退を喫しました。しかし誤審がなければ確実に勝っていたことを考えれば多少の肩入れをしてあげてもいいかと思います。まあどちらにしてもセントラルミシガン大を突き放せなかったのは残念ではありますが。

ベイラー大はオフシーズンのスキャンダルを乗り越えて今のところ無敗を守っています。元ヘッドコーチ、アート・ブリルス(Art Briles)氏が率いていたチームに比べると圧倒的な強さはありませんが、それでも今のところ全勝するのには十分な力を披露しています。現時点で同カンファレンス内で全勝しているチームはベイラー大とウエストバージニア大のみ。もしベイラー大がこの試合で敗れることがあればカンファレンスの望みはウエストバージニア大に託されるという図式になります。これは誰もが予想しなかったことです。まだシーズンは先が長いですが。

ペンシルバニア州立大 vs ミシガン大(4位)

先週のコロラド大戦ではミシガン大ディフェンスが多少手こずりました。コロラド大は複数のパスTDを奪ったのですが、これはミシガン大ディフェンスにとって2014年ぶりのことになります。もしコロラド大QBセフォ・リウファウ(Sefo Liufau)の怪我がなかったら、ひょっとしたら試合結果は別のものになっていたかもしれません。

ただ彼らの目玉選手であるジャブリル・ペッパーズ(Jabrill Peppers)は健在。この試合での個人的な活躍で週間ディフェンシブMVPとスペシャルチームMVPを同時に獲得するという快挙を成し遂げました。

ペンシルバニア州立大はかつてのような強さを取り戻すにはまだ至っていませんが、これまでの戦いぶりをみるとチームは徐々に仕上がってきていると思われます。特にオフェンスは前QBクリスチャン・ハッケンバーグ(Christian Hackenberg)をドラフトで欠くも、新オフェンシブコーディネーターのジョー・モアヘッド氏の新システムが機能しだしており、またディフェンスも力を付けつつあります。ただ主力であるLBニーム・ワートマン・ホワイト(Nyeem Wartman-White)が怪我で戦線離脱したのは痛手です。どちらにしてもペンシルバニア州立大がミシガン大に食らいつき、予想よりも接戦となる可能性も十分あると思います。

ネブラスカ大(20位)vs ノースウエスタン大

最新のランキングで久しぶりにトップ25入りを果たした古豪ネブラスカ大。彼らが本当の意味で復活したかどうか、今週末のノースウエスタン大との試合でわかるかもしれません。

ノースウエスタン大は今季スロースタートで0勝2敗発進という苦戦を強いられてきましたが、先週デューク大との試合に勝ちようやく初勝利を得ました。そして去年はノースウエスタン大はアウェーでネブラスカ大を倒していますので、今回ホームにネブラスカ大を迎え撃つことができるのは強みです。

オレゴン大に35対32という僅差で勝利しランクインを果たしたネブラスカ大にとってこのノースウエスタン大戦がトラップゲームになる可能性は否定できません。ただもしこの試合でしっかりと白星を上げることができればそのままBig Tenカンファレンスで台風の目となるかもしれません。