NCAA Football: Wisconsin at Minnesota

ミネソタ大は12月27日に行われるホリデーボウルにてワシントン州立大と対戦することになっていますが、一時ミネソタ大の選手たちがこれをボイコットするという事態に陥りました。結局事態は収束したのですがこの一連のいざこざをまとめてみました。

12月13日、大学側は10名の選手を無期限活動禁止処分に課します。これの処分に対して反対した選手たちは12月15日に選手ミーティングを開き、もしこの処分が撤回されないならばホリデーボウル出場をボイコットすると決めたのです。

罪状は9月初旬に起こった性的暴行事件に関わるものとされていましたが、詳細は明らかにされていませんでした。情報によると10人のうち5人は退学処分、4人は1年間の活動禁止処分、そして残りの1人は保護観察処分の危機にあるということでした。

しかし12月17になると事態は一転。学生たちはボイコット宣言を撤回しチームはホリデーボウルに出場することが決まりました。しかし10名の処分が撤回されたわけではなく、ボイコットのモチベーションとなった要因は改善されてはいなかったのです。それではなぜ彼らはボイコットを辞めたのでしょうか?

それは彼らが目を通すことができた、性的暴行事件に関する捜査記録が関係しているようです。80ページに及ぶこのリポートにはこの事件に関する事細かなことが掲載されており、事件の真実を知った選手たちがボイコットを取りやめること決めたようです。おそらくこの10人がしたことはチーム全体がボイコットを起こしてかばうのに値しないと判断したのでしょう。

ボイコットを表明してから撤回するまでの期間はたったの数日でしたが、この間ヘッドコーチのトレーシー・クレイズ(Tracy Claeys)監督は選手の行動をサポートしてきました。またこの性的暴行事件の被害者となった人物に50万ドル(約500万円)の援助金を送ることも約束していました。しかし、それと同時にクレイズ監督はもしボイコットが長引けば彼がクビになっていたかもしれないとも後日話しています。実際このことはボイコット中に選手たちにも伝えられたそうで、これが選手たちのボイコットを終わらせた要因になった可能性もあります。クレイズ監督は選手たちには彼らをサポートすることが原因でヘッドコーチの職を追われたとしても構わないと伝えたと言いますが、選手たちにとっては厳しい選択を迫られていた可能性もあります。

この背景にはミネソタ大体育局長のマーク・コイル氏がクレイズ監督を解雇したがっているのではないかという噂がありました。クレイズ監督は昨年までヘッドコーチを務めていたジェリー・キル(Jerry Kill)氏が健康上の理由でチームを去った後を引き継ぎそのままヘッドコーチに昇格されたのですが、この時クレイズ監督昇格を決定したのはコイル氏の前任者で、自分が雇用を決めた監督でないクレイズ監督とソリが合わなくなったコイル氏がこのボイコットに乗じてクレイズ監督を排除しようとしているのではないか、と。

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色々な可能性が渦巻くこの一連の出来事。とりあえずミネソタ大はホリデーボウルに出場ということで、一番ホッと胸をなで下ろしているのはホリデーボウルの開催委員会ではないでしょうか。開催まで残り1週間というところで場合によってはミネソタ大に代わる出場チームを探さなければならなくなるかもしれなかったからです。すでに不測の事態を考慮してノーザンイリノイ大アリゾナ州立大カリフォルニア大に出場の打診をしたようですが、どのチームにも断られていたとのこと。もしミネソタ大がボイコットを続けていたらホリデーボウル開催の行方に大きく影響を及ぼしていたことでしょう。