今年第2回目を迎えるボカレイトンボウルはテンプル大対トレド大のマッチアップとなりました。

昨年のボカレイトンはカンファレンスUSAチャンプのマーシャル大がミッドアメリカンカンファレンス覇者のノーザンイリノイ大に52対23という大差で勝利し、マーシャル大はシーズン戦績を12勝1敗という素晴らしい数字を残しました。マーシャル大はそのレコードからお正月の6大ボウルに招待される可能性も残されていましたが、そのネームバリューからかそれは叶わずこのボカレイトンボウルに出場する運びとなったのです。そういった面では初開催となったボカレイトンボウルはそれなりのチームを招待できたということになります。

今年はカンファレンスUSAチームに変わりアメリカンアスレティックカンファレンス(AAC)チームが参戦。テンプル大トレド大という、今シーズン全米ランキングにも参上した非パワー5カンファレンスチーム同士の戦い。歴史が浅いボウルゲームの割には今年も見ごたえのありそうなマッチアップとなりました。

テンプル大オウルズ(10勝3敗、7勝1敗 AAC)

今季快進撃を遂げたテンプル大は惜しくもAACタイトルゲームでヒューストン大に敗れカンファレンスタイトルを逃しました。しかし彼らの今シーズンが大成功であったことに変わりありません。今季チーム史上たったの2度目となる二桁勝利を挙げAAC東地区を制覇。開幕初旬には強豪ペンシルバニア州立大を倒し全米ランキングトップ25入りを果たすと、対ノートルダム大戦では米スポーツ専門局ESPNの名物ショー、カレッジゲームデーがテンプル大の本拠地・フィラデルフィアに乗り込みこの試合を特集するなど、ちょっと前までは弱小チームのレッテルを貼られ続けたテンプル大には考えられない出来事です。

テンプル大快進撃の一因を担うのは彼らのディフェンス力です。スコアリングディフェンスでは1試合平均20点以下の失点。1プレーの平均被ヤードは約5ヤードとどちらも全米20位以内の協力ディフェンスを誇ります。その要となるのはLBタイラー・マタケヴィッチ(Tyler Matakevich)。チーム内でのタックル数とタックルフォーロス(マイナスヤードを記録したタックル数)でチーム1の活躍、さらにはQBサック数もチーム3番目というパフォーマンスでチームの花形ディフェンダーに成長しました。

テンプル大オフェンスのコアはズバリ、ラン。RBジャハード・トーマス(Jahad Thomas)は17TDを含む1188ヤードを足で稼ぐ活躍。彼の活躍はQB、P.J. ウォーカー(P.J. Walker)の18TDにたったの6インターセプションという、相手ディフェンスをアンバランスにすることができたからこそ。派手さはないものの勝ち星を挙げるのには十分すぎる働きをしせてくれました。

最後に出場したボウルゲーム:
2011年 ニューメキシコボウル(テンプル大37、ワイオミング大15)

歴代ボウルゲーム戦績:
2勝2敗

トレド大ロケッツ(9勝2敗、6勝2敗 MAC)

トレド大もテンプル大と同じく今季珍しく全米の表舞台に登場してきた中位チームです。テンプル大と少し違うのは後半に少々息切れしてしまったところ。開幕7連勝を飾りトップ25にランクインしたもののノーザンイリノイ大に敗れ初黒星がつくと最終戦のウエスタンミシガン大戦でまさかの敗退を喫し、カンファレンス地区優勝を逃しタイトルゲームに進むことができませんでした。さらに追い討ちをかけるようにヘッドコーチ、マット・キャンベルアイオワ州立大のヘッドコーチに就任することが決まり、トレド大快進撃の大きな牽引力となった指導者を失ってしまいました。

キャンベル氏の後任にはオフェンシブコーディネーターだったジェイソン・キャンドル(Jason Candle)氏が任命されました。彼が指揮してきたオフェンスは1試合平均35.3点という全米26位のスコアリングオフェンスを誇り、そのオフェンスは基本的に引き継がれそうです。またディフェンス陣も全米21位のスコアリングディフェンス(1試合平均21.1失点)と優秀で少なくともこのボウルゲームには新コーチとして大きな調整をする必要もなさそうです。トレド大には2人のパワフルRB、カリーム・ハント(Kareem Hunt)とテリー・スワンソン(Terry Swanson)が健在。双方とも800ヤード以上のランヤードを稼ぎ地上戦を攻略。そのテンポをうまい具合にコントロールして自身のパスヤードに活かしたのがQBフィリップ・イリー(Phillip Ely)。21パスTDを含む2680ヤードを投げチームの9勝シーズンに大きく貢献しました。

中位リーグとされる非パワー5カンファレンスでは、素質のある若いヘッドコーチの流出を止めることができません。彼らにすれば上位リーグであるパワー5のチームでヘッドコーチとなるのがゴールであるのがほとんどですから、非パワー5カンファレンスチームを自身の経験と箔をつけるための「踏み台」とするのは分かる話です。しかしそれがチームに及ぼす影響はヘッドコーチの手腕が高ければ高いほど甚大で、そういったチームに長期安定はほぼ存在せず、下落と再建の繰り返しを強いられてしまいます。

トレド大もそれにもれず、有能なキャンベル氏をパワー5であるアイオワ州立大に「盗まれて」しまいました。不幸中の幸いなのはチームをよく知るキャンドル氏がチームを引き継いだことです。キャンドル氏時代の幕開けとして景気付けにまずこのボカレイトンボウルで強敵であるテンプル大を倒しておきたいものです。

最後に出場したボウルゲーム:
2014 ゴーダディボウル(トレド大63、アーカンソー州立大44)

歴代ボウルゲーム戦績:
9勝5敗