ノートルダム大はケリー監督で大丈夫なのか?

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テキサス大ミシガン州立大デューク大ノースカロライナ州立大スタンフォード大海軍士官学校バージニア工科大、そしてサザンカリフォルニア大。これらは2016年度シーズンにノートルダム大を倒したチームたちです。

そうです、昨年1年間だけで、です。

もし昨年のノートルダム大フットボールチームから何かポジティブな点を挙げろと言われれば、それは多くの試合が非常に僅差であった、ということくらいでしょうか。しかし今シーズンの戦績がたったの4勝8敗であったデューク大に僅差であっても負けてしまったことはノートルダム大ファンにしてみれば到底受け入れられるものではありません。

不発に終わった2016年度シーズン

2016年度シーズンはノートルダム大にとって飛躍の年となるはずでした。対戦相手たちは比較的楽と言われ、チームを構成する選手たちのレベルは2012年にナショナルチャンピオンシップに進出した時のそれと比較しても見劣りしないほど。そして開幕前のプレシーズンランキングでは10位という絶好の位置につけていたのです。メディアの多くはノートルダム大のプレーオフ進出も十分ありえると言うほどでした。

しかしもうご存知の通り彼らの2016年度シーズンは4勝8敗と散々だったのです。ボウルゲームに出場できなかったのはもとよりテキサス大、ミシガン州立大、そして前述のデューク大という同じく負け越してボウルゲームに出場できなかった3チームにすら勝つことができなかったのです。

これは不運などという表現を通り越して悪夢でもあります。それはブライアン・ケリー(Brian Kelly)監督も認めています。

しかしノートルダム大の悪夢はフィールド上の成績だけに留まりませんでした。

学業上でのスキャンダルが明るみになり、それが元で2012年から2013年の勝ち星をNCAAにより剥奪されてしまうのは序の口。4試合目のデューク大で敗れた直後にその責任を問う形でディフェンシブコーディネーターのブライアン・ヴァンゴーダー(Brian VanGorder)をシーズン途中にも関わらず解雇。またデューク大戦後の記者会見では選手を名指しで批判したり、サザンカリフォルニア大と試合では前半終了後ロッカールームに戻る前にサイドラインでチームに怒鳴ってみたり・・・。

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このサザンカリフォルニア大戦ではDLジェリー・ティレリー(Jerry Tillery)がRBアカセドリック・ウェア(Aca’Cedric Ware)の頭部をヘルメット越しに蹴りを入れたり、OLザック・バーナー(Zach Banner)が無抵抗の状態で倒れているところで彼の足を無意味に踏みつけたり。恥を全米中に晒したのです。

この時点ですでにノートルダム大のシーズンは地に落ちていましたが、ティレリーの起こした一連の行動はケリー監督がチーム内の統率力を失ったことを映し出していました。

ケリー監督は統率力を失ったのか?

ノートルダム大にとって昨シーズンはただ単に出来の悪かったシーズンだったと片付けられません。ケリー監督指揮下のチームがどのような内部事情であるかを暗示するものとなったのです。それはファンに誇れるようなものではなく、スキャンダルに満ちた先行き不安なチーム状況です。

選手が起こした性的暴行事件の被害者が自殺を図った事件や、2010年に悪天候の中練習を敢行したせいで練習の模様をクレーン車の上から撮影せざるを得なかった学生が強風でクレーンが倒れ命を絶った事件。これらの事件はすべてケリー監督指揮下で起きてしまったことです。すべてが直接的にケリー監督のせいではないとしても、最終的に責任を追求されるのは他の誰でもないケリー監督なのです。

2014年には当時の先発QBイヴァレット・ゴルソン(Everett Golson)をはじめ数名が学業上での規則違反で退部させられました。 そのうち何人かは復帰を許されましNCAAの調査によりプレー資格がないのに試合に出場したことが明らかになり、ノートルダム大にはペナルティーが課せられるということです。

ケリー監督がサイドラインでアシスタントコーチたちを鬼の形相で怒鳴り散らす姿もTVに何度も映し出されましたし、コーチングでも首を傾げるようなプレーコーリングを披露したこともありました。それはケリー監督のベストシーズンである2012年ですら見られることでした。その結果タイトルゲームではアラバマ大に42対14と惨敗。ちなみにこの年はLBマンタイ・テオ(Manti T’eo)の「架空の彼女事件」が起きた年でもあります。(「架空の彼女事件」とはテオの彼女が白血病で他界し、彼女の為に数日後のミシガン州立大戦で大活躍したと言う美談・・・しかし実はこの彼女が架空の彼女だった事が発覚。テオがでっち上げたほら話だったのか、はたまた誰かに騙されたのか、という事件)

アラバマ大戦で完敗したケリー監督は試合後に「我々はフィジカル面でより強くならなければ、アラバマ大とのギャップは埋まらない。彼らは2連覇を果たした王者なのだから。彼らの強さを物差しにすれば、これから我々が何を成さなければならないかがはっきりと見えてくるはずです」と語っていました。

しかし4年後の今、そのギャップは埋まるどころか広がるばかりです。

名門復活の兆しは・・・

ケリー監督の過去30試合の戦績は15勝15敗。この間ランクされた対戦相手とは11勝14敗と負け越しています。そして残念な事にその内5勝は前述のNCAAの制裁により記録から抹消されています。また過去7年間でファイナルランキング(トップ25チーム)に食い込むことが出来たのがたったの3回。そしてトップ10以上の対戦相手から奪うことが出来た白星の数は2回のみです。

これまでナショナルチャンピオンに輝く事11回、輩出したハイズマントロフィー受賞者は7名。カレッジフットボールといえばノートルダム大といっても決して大げさではない位その存在感は抜群・・・なはずなのです。

ケリー監督のこれまでの戦績をみれば彼が腕の立つコーチである事は確かです。かつてNCAA2部のグランドバレー州立大では118勝35敗2分けという素晴らしい成績を残し、当時まったく勝てなかったセントラルミシガン大に就任するとメキメキとその力を挙げ、2006年にはミッドアメリカンカンファレンスの王者に輝きます。その手腕を買われシンシナティ大のヘッドコーチに就任し、ノートルダム大から白羽の矢が立つまで3年間チームを率いましたが、この3年間で最低のシーズンでも10勝3敗と、行く先々で素晴らしい成績を残してきたコーチなのです。

しかしノートルダム大では通算59勝31敗と当初の期待を大きく裏切る結果に終わっています。二桁勝利シーズンも2012年度と2015年度の2シーズンのみ。そして前述の通り今年は4勝8敗と屈辱の負け越しシーズンを送るはめになったのでした。

これをみるとケリー監督はノートルダム大のようなハイプロファイルチームよりも規模の少し小さいチームでコーチングする方が身の丈に合っているようにも思えます。これは就任時の2010年に個人的に思った事でもあるのですが。

ファンのケリー監督への信頼度は年を重ねるにつれ薄れてきている気がします。彼は昨年1月に6年間の契約更新したばかり。しかしノートルダム大はケリー船長が操る船でその航海を続けることが出来るのか、もしくは沈没への道を辿るのか・・・。これまでの話を総合するとおそらく2017年シーズンが勝負の年となるような気がします。来季二桁勝利出来なければ、彼が監督の座を負われることになったとしても何ら不思議ではありません。

果たしてノートルダム大に過去の強豪チームの面影が戻ってくる日は来るのでしょうか。

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