クレムソン大のスウィニー監督、自身の発言に関する騒動を謝罪

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クレムソン大ヘッドコーチ、ダボ・スウィニー(Dabo Swinney)監督は現在NFLサンフランシスコ49ersのQBコリン・カーパーニック(Colin Kaepernick)が行っている抗議行動に関して先日語った発言がチームにいらぬ心配をかけたとして謝罪したそうです。

カーパーニックが行っている抗議行動とは49ersの試合前の国歌斉唱時に起立せずいることです。これは最近アメリカで多発する、警官が無実の黒人を相次いで射殺する事件に対し、そのようなことが許されるような国に賛同できない、ということでこの国歌斉唱ボイコットを行っているのです。

スウィニー監督はこのカーパーニックの行動に関して意見を求められこう答えました。

「誰もが皆自分が信じる意見を表現する権利を持っています。しかし、それを行うことでチームに迷惑をかけるべきではないと思います。自分のチームが関わるイベント(=試合)を利用することは良くない。それに関しては大反対です。抗議行動をすることは自由です。がそれを行うにはそれなりの正しいやり方というのがあると思うのです。」

とここまでは良かったのです。しかしここからキング牧師の話になり少し様相が変わってきました。

「現在我々の国で起きていること(黒人と白人の問題)は本当に残念なことです。この世界は素晴らしい物のはずです。そしてこの国は偉大なる国のはずです。最近起きている事件はまさにそんな状況に上から大きな刷毛で色を塗り替えられたようにこの世界を変えてしまった。この世界は悪いことよりも良いことのほうがずっと多いはずです。キング牧師はかつて素晴らしいリーダーで素晴らしい人間でした。彼は世界を変えたのです。彼は暴力ではなく愛で世界を変え、教育で世界を変え、そしてキリスト教の教えで世界を変えました。教義的には間違っているかもしれないけれど、それらを彼は成したのです。そういった過去があるのにもかかわらず、過去から何も学ばない今の我々人間には驚くばかりです。」

「この世界はそんなにいうほど悪くはありません。(キング牧師の名言『私には夢があります』から)キング牧師が「夢」と語ったことが今現在夢でなくなってきています。史上初となる黒人大統領が一期だけでなく二期も大統領を勤め上げている。教会に行けば黒人と白人がともに祈りを捧げている。キング牧師が夢見た世界がここにあるのです。ビジネスの世界には黒人の最高経営責任者が出てきた。昔なら信じられないことです。」

「私が思うにこの世界の問題は人種差別ではなく、人間が生まれた時から持っている原罪なんだと思います。なんでも人種差別として片付けるのは簡単ですが、根底には人としての罪があるのだと思うのです。」

センシティブな質問に丁寧に10分も時間をかけて自分の意見を述べたスウィニー監督でしたが、人種差別は存在しない、とキング牧師の名を借りて発言してしまったこと、そしてキング牧師が訴えていた本質が基本的人権だったことで今回の事とは趣旨が微妙に違うため、一部の人々から非難の声が上がりました。その中にはスウィニー監督が指導した元クレムソン大の選手もいます。またクレムソン大のある教授はスウィニー監督に直接手紙を書き、「二度とあなたの口からキング牧師という言葉を聞きたくはない」とまで訴えた人もいたそうです。

このように彼の発言でフットボールとは関係ないところでいらぬ注目を浴びてしまったチームに対し、後日スウィニー監督はチーム全体に対し謝罪したということです。

クレムソン大LBドリアン・オダニエル(Dorian O’Daniel)はスウィニー監督の謝罪に関して以下のように話しました。

「多くの選手たちが監督が謝罪したことに理解を示しました。何よりも我々は謝罪など最初から求めていなかったんです。スウィニー監督はコーチの前に一人の人間だということを皆知っています。多くの人たちは監督の発言の真意を理解せず、彼の意図とは全く別の方向に事を大きくしてしまったんだと思います。そんな風に監督のことを言う人たちは、我々選手が知るような本当の監督のことを知らない人たちなんです。」とスウィニー監督を擁護していました。

スウィニー監督の言わんとしたことは理解できます。ただ今回は少し言い回しを間違ってしまったせいでとんでもないカウンターパンチを食らってしまったのです。