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オレゴン大のトレーニングを巡る一連の騒動

オレゴン大のトレーニングを巡る一連の騒動

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過去8シーズン中7シーズンで全米ファイナルランキングで10位以内を保ってきたオレゴン大ですが、昨季は5勝7敗と惨敗。当然ながらランキングでトップ25に食い込むことはありませんでした。そんなシーズンから立ち直るためにチームは新監督としてサウスフロリダ大ウィリー・タガート(Willie Taggart)氏を招聘。選手たちも新体制の下来季こそはリベンジを果たそうと心機一転冬休み明けからトレーニングに励もうと思っていたところでしょう。

が、どうやらちょっと気合いが入り過ぎてしまったようです。

行き過ぎたトレーニング?

各地のチームではすでにウィンターコンディショニングとして筋トレやら走り込みが行われていますが、先週オレゴン大で行われたこのコンディショニングセッションで3選手が病院送りになってしまったということです。

選手の家族が明らかにしたところこれらの選手が患ったのは横紋筋融解症(Rhabdomyolysis)という症状で筋組織が崩壊し腎不全を引き起こしたり最悪の場合死に至ることもあるコンディションです。先週行われたオレゴン大でのトレーニングが必要以上に厳し過ぎたためにこの症状を引き起こした選手が3人も出たということです。

最初の報道ではこのトレーニングは軍隊風のベーシックなトレーニングだったということですが、多くの選手がこのトレーニングが「ベーシック」以上だったと証言しています。病院送りになったのは3人でしたが、この横紋筋融解症の症状を訴える選手は他にも何にもいたということです。要するにコーチ達がやり過ぎてしまったというわけですね。

このニュースが全米中に流れるとオレゴン大での手法に多くの批判が集まりました。これからチームを自分の思い描くものに作り変えようと気合いの入っていたタガート監督にしてみればいきなり足元をすくわれた思いでしょう。こんな風にメディアに注目を浴びることなど誰も望んでいないのですから。

タガート監督は声明の中で全ての責任は自分にあると監督不行き届きを認めました。そしてストレングスコーチでこのコンディショニングトレーニングを監督していたイルレ・オデレンデ(Irele Oderinde)氏に1ヶ月間の停職処分の処罰を下しました。

選手側にも非があった?

ただこれだけ聞いているとタガート監督及びオデレンデ氏が無慈悲な鬼コーチにも聞こえてきますが、それを鵜呑みにするのはどうかとも思います。

WRダレン・カーリントン(Darren Carrington)はオデレンデ氏を擁護し、病院送りになった選手やその他症状を引き起こした選手達が単に「運動不足」だったと言っています。またDBマットレル・マグロー(Mattrell McGraw)は自身のツイッターで「負け続けることに文句を言っていたと思ったら、新しい監督のトレーニングが『厳しすぎる』だって。だったら出て行け!」とつぶやいています。

2016年のオレゴン大チームは風紀が乱れ、筋トレセッションでも手を抜く選手が多くいたと言います。それがシーズンの成績に直に現れているとも言えますが、そんな雰囲気に慣れてしまった選手にしてみればタガート監督やオデレンデ氏の手法は厳し過ぎたのかもしれません。

ファンのほのかな希望

ところでオレゴン大を現在のような全米のパワーハウスに育て上げたのは言わずと知れたチップ・ケリー(Chip Kelly)氏です。2009年から2012年の4年間全てにおいて二桁勝利を挙げ、2010年にはナショナルタイトルゲームにも進出しました。ケリー氏は2012年シーズン後NFLフィラデルフィアイーグルスのヘッドコーチに就任するためにオレゴン大を去りました。イーグルスでは3年間で26勝21敗とし、数字だけ見ると酷いわけではありませんが、選手の起用法などで現場とぶつかり解雇されてしまいます。そして昨年はサンフランシスコ49ersにヘッドコーチとして就任しますが2勝14敗と散々な結果に終わり、1シーズンで再び職を追われます。

ということでオレゴン大を全米トップチームに押し上げたケリー氏が現在無職ということになります。一部のオレゴン大ファンは今回のオレゴン大のいざこざはケリー氏を復帰させるのにまたとないチャンスだ!と息巻いているといいいます。つまり、このいざこざの責任を取ってタガート監督を解雇し、ケリー氏を呼び寄せよう、というわけです。

まあ昨年のような体たらくなチームを見せつけられれば古き良きケリー氏時代を振り返るファンも多いでしょうが、彼が戻ってくることはないでしょうね。まず契約を結んだばかりのタガート監督をシーズンが始まる前から解雇することなど大学側がするはずもありませんし、ケリー氏もカレッジフットボールに戻ってくる気は無いということらしいですから。

これは一部のファンの希望的観測ということでしょうが、この病院送りのニュースが出た後にケリー氏時代の元選手達が当時も似たような厳しい軍隊方式のトレーニングを課されたことがあると証言しています。当時はネイビーシールズの元隊員たちの監修の元、かなり気力体力の限界まで追い込むようなトレーニングをしたということでした。彼らは当時のトレーニングを振り返り「死ぬかと思った」と述べていますが、一方でそのトレーニングを通してチーム内の絆を深めた、とも語っています。

言えることは現在のオレゴン大選手達はタガート監督の下(もしくは仮にケリー氏が戻ってきたとしても)、気合いを入れ直して臨まないと痛い目にあう、ということでしょうか。

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