「ナショナルサイニングデー」のあれこれ(2017年版)

今年も笑いあり涙あり(?)だった(と思われる)高校リクルート達の祭典「ナショナルサイニングデー(National Signing Day)」。今回はこの「ナショナルサイニングデー」に関する色々な話をかき集めてみました。

ケンタッキー大に決めたクラーク君の場合

元々オハイオ州立大に進学を決めていたQBダニー・クラーク(Danny Clark)君。その嬉しさからか、もしくは意気込みからか、彼は自分の肩にオハイオ州立大のロゴのタトゥーを掘ってしまいました。

しかしその後クラーク君はオハイオ州立大への進学を取りやめケンタッキー大への進学を「ナショナルサイニングデー」で決定しました。そこで問題はこのタトゥーです。さすがにこのタトゥーはどうにかしなければいけないというところで・・・。

隠れていると言えば隠れていますが・・・。リクルートの皆さん、早まるのはやめましょう(笑)。

カリフォルニア大に決めたポタシ君の場合

ネバダ州出身の3つ星リクルートであるOTポタシ・ポタシ(Poutasi Poutasi)君はこの日カリフォルニア大への進学を決め人生最良の日を迎えました。しかしその数時間後彼は人生最悪の瞬間に直面することになってしまいました。

彼の母親が糖尿病の為この世を去ってしまったのです。

「我々は彼と彼の家族の為に出来るがきりの事をするつもりです。」とはカリフォルニア大の新コーチ、ジャスティン・ウィルコックス(Justin Wilcox)監督。ポタシ君のお母さんは彼のカリフォルニア大のユニフォームをまとった勇姿を見る事無く天国へと登っていきました。が、きっと空の上からポタシ君の活躍を見守ってくれる事でしょう。

セントラルフロリダ大に決めたリチャードソン君の場合

4つ星RBコーダリアン・リチャードソン(Cordarrian Richardson)君はバルーンを使い、成層圏外から自らの進学先をメリーランド大に決定した事を発表しました。

この発表の手法も変わっていますが(本当かどうかも怪しい)、彼の奇妙なストーリーはここで終わりません。

実はリチャードソン君はメリーランド大に公式訪問した事も無ければ、彼の候補チームの中でも最も可能性が低いとされていたのです(ちなみに他の候補チームはミシシッピ大ミシガン州立大オクラホマ大)。それだけでもこのメリーランド大への進学決定が驚きなものでありますが、おかしな事にここまでしておいて彼はメリーランド大に公式のサイン入り書類を届ける事はありませんでした。その代わり彼が実際に行く事にしたチームは何とセントラルフロリダ大ということだったのです。

元々クレムソン大に進学する事を口頭で発表していましたが、昨年3月に心変わりしたという事でどの大学へ行くか見定めていたということですが、リクルーティングのエキスパートたちによれば彼は十中八九ミシシッピ大へ行くだろうと言われていました。大どんでん返しとはこの事です。

ミシガン州立大に決めた(かった?)ウィンター君の場合

フロリダ州出身で長い事ミシガン州立大に進学する事を公言していたドノヴァン・ウィンター(Donovan Winter)君。しかし肝心の「ナショナルサイニングデー」当日彼は書類にサインする事が出来なかったということです。

なぜなら彼はその日刑務所に入れられていたからです。

不法侵入・窃盗と銃器違法所持で逮捕されてしまったウィンター君(もちろん高校生です)。ミシガン州立大の他にもケンタッキー大ミシガン大ピッツバーグ大テネシー大から声がかかっていた3つ星DBのウィンター君ですが、彼のカレッジフットボールのキャリアがどうなるかは今のところ知るよしもありません。

オハイオ州立大の場合

今年のリクルーティングクラスでは全米2位とトップクラスにランクされたオハイオ州立大アーバン・マイヤー(Urban Meyer)監督もさぞ喜んでいるだろうと思いきや、不満もあるようです。

オハイオ州の最大規模チームであるオハイオ州立大ではマイヤー監督はまずは地元のオハイオ州のタレントをなるべく多くチームに引き寄せたいと考えていましたが、2017年度のリクルーティングクラスのうちオハイオ州出身者はたったの7人。マイヤー監督は少なくとも半分はオハイオ州の高校生をチームに入部させたかったということです。

他のチームからすれば「全米2位なんだからいいじゃないか」となるのでしょうが、長い目で見れば自分の州出身プレーヤーがオハイオ州立大に入ってこなくなるというのは確かにいささか問題はありそうです。大抵高校生は若いときからその地域・州で一番強いチームでプレーしたいと夢見るものです。その数が減るという事はイメージ的に芳しくないですよね。

ミシシッピ大の場合

ミシシッピ大は現監督ヒュー・フリーズ(Hugh Freeze)監督のアグレッシブなリクルーティング力によってここ数年で全米のどのトップレベルのチームともやり合えるチームを育て上げましたが、度重なるNCAAの制裁を受け、それがリクルーティングにも大きく影を落とす結果となったようです。

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これまで必ずと言っていいほどリクルーティングでは全米で10本の指に入るほどの力を持っていたミシシッピ大ですが、今年は33位(247Sports.com)と低迷。この事に苛立ちを隠せなかったフリーズ監督は「今年のリクルーティングクラスは我々へのペナルティーだ。」と言い放ったのです。

これだけ聞くとさも今年のリクルートたちが外れくじばかりの集まりだと聞こえます。

またフリーズ監督は今年のリクルーティングはこの制裁のせいで非常にやり辛かったと告白しています。さらに他のチームがミシシッピ大が制裁下に置かれる事を武器にリクルート達にある事無い事吹き込んでいたとも言っていました。

ミシシッピ大のこの流れ、なんだか終わりの始まりのような気がしてならないです・・・。